GINGER初登場は2020年3月号。「仮面ライダーゼロワン」の主人公を好演していた当時から約4年、まさに「飛躍」という言葉がふさわしいブレイクを果たし、役者としても人としても進化を続けている。そんな高橋文哉さんに、放送中のドラマ「フェルマーの料理」についてインタビュー!
初主演ドラマは新たなチャレンジに
高橋文哉さんが、今最も気合を入れているのが、志尊淳さんとW主演を務めるTBS系金曜ドラマ「フェルマーの料理」。今作は、高橋さん演じる天才数学少年・北田岳が、料理界のカリスマ・朝倉海(志尊淳)に出会い、料理人を目指すという物語。
これがドラマ初主演であり、まさに“新しい挑戦”となったが、一方で自身のこれまでのスキルを存分に発揮できる作品にもなりそうだ。芸能界入りする前に調理師を目指して専門的に勉強していた高橋さんが、調理師免許を持っていることは知られた話でもある。
「この作品は漫画が原作なんですが、原作者の小林有吾さんの『アオアシ』というアニメを観て漫画も読みたいと思っていたら、『フェルマーの料理』という作品があることを知って。そんなときにこのお話をいただいたので、びっくりしましたし、気合が入りました。僕の得意な料理をテーマにした物語なので、格別な喜びでした」
趣味レベルではない料理の腕前を持つなら、料理人を演じるのもお手のものと思いきや…。
「家では野菜を切ったり、フライパンに生米を入れて振る練習をする毎日で、役作りに必死です。毎日何かを刻んでいるのですが、例えばきゅうりを5本買ってきたらすべて違う切り方をして練習したりも。まぁそのあとは、いろんな形のきゅうりを塩で揉んだりしてお酒のおつまみにしたりしているんですけどね。料理人を目指していたとはいえ、就職する前にこのお仕事を始めたので、プロの料理人として実際に働いていたわけでもないのですが、ドラマで魅せるとなると、なんなら味よりも包丁さばきや、鍋の振り方の所作から立ち姿まで問われるわけで。『もともと料理できるし、できて当たり前だよね』ではなく、『え? ここまでできるの?』って思われたい。役としての料理人を極めたいです」
取材当時は、クランクインして2週間経っていたころ。座長としての立ち回りも気になるところ。
「親しみやすく、頼ってもらえるように、現場では柔軟でいたいとは思っています。だから僕から共演者さんやスタッフさんに話しかけるなど、普段よりは少し積極的かもしれません。主演を任せてもらったのだから、とにかく頑張らねば! 初主演のご褒美は…考えてなかったけど、主演をいただけたことがこれまでのご褒美になっています!」
初共演の志尊淳さんとは、現場で一緒になることが多いという。
「岳と海はキャラクターが対照的なので、現場ではより積極的にコミュニケーションを取ろうと思っていますが、志尊さんにリードしてもらうことが多いですね。ごはんに連れて行っていただいたりもして、お兄ちゃんみたいな存在です。まだそこまで現場でお会いしていないときに、一緒にこの作品のインタビューを受けたんですけど、志尊さんが『僕は仲よくなったらけっこうおちゃらけるタイプだし、うるさいと思う』と言っていて。まだそのときはわからなかったのですが、最近は待ち時間にワイワイふざけ合うことも増えて、ようやくその姿が見れたな、なんてうれしく思っています」
“数学”と“料理”が交わる、新たな料理ドラマとしても注目される今作について「家で普段から皆さんが作る料理も、実は数学としっかり関わっていると思います」と高橋さん。
「例えば、お肉の焼き加減を変えるために温度調整や火を通す時間を考えたり、卵を固茹でにするのか半熟にするのか計算するのも数学的思考。僕も皆さんも意識しないところで、実は数学と料理を結び付けているはず。そういう意味では、このドラマも難しく考えずに楽しんでいただけると思っています。それから、出てくる料理のレシピやポイントを細かく説明するので、もし美味しそうだと思ったら真似して作ってみても楽しいんじゃないかな。この作品は、乾孫六役の(板垣)李光人くんなどの若い世代から、渋谷克洋役の仲村トオルさんまで、幅広い年齢層の人たちがいろんな価値観の違いを感じながらも、同じ方向に向かっていく群像劇でもあります。料理人たちが描くスピード感や臨場感とともに、料理というものをより身近に感じてもらえたらうれしいですね」
高橋さんにとって、この新しい挑戦はどんな経験になるのだろうか。
「今はまだわからないですが、あとあと振り返ったときに、間違いなくターニングポイントになった作品だと言える気がします。岳がどんどん料理にのめり込み、腕を上げていく…そんな成長とともに、僕自身も成長していきたいと思っています」
ドラマ「フェルマーの料理」
「お前の数学的才能は料理のためにある」。数学者への道に挫折した天才数学少年・北田岳と、謎多きカリスマシェフ・朝倉海が出会い、数学的思考で料理という難題に立ち向かう。若きプロフェッショナルたちの真剣勝負(ガチンコ)エンタテインメント!
出演/高橋文哉、志尊淳、小芝風花、板垣李光人、白石聖、宮澤エマ、仲村トオルほか
原作/小林有吾『フェルマーの料理』講談社
※TBS系にて毎週金曜22:00~放送中
https://www.tbs.co.jp/fermat_tbs2023/
高橋文哉(たかはしふみや)
2001年3月12日生まれ、埼玉県出身。ラジオ「高橋文哉のオールナイトニッポンX(クロス)」(毎月最終木曜24時、ニッポン放送)、「ハングルッ!ナビ」(毎週木曜23時、NHK Eテレ)に出演中。10月クールは金曜ドラマ「フェルマーの料理」(TBS系)で志尊淳とW主演を務める。映画『劇場版 君と世界が終わる日に FINAL』が’24年1月26日(金)公開予定。