日々の生活の中で欠かせない家事。男子3人の母でもある神崎恵さんは、目まぐるしいほどに家事に追われる日々。そんな中でも、達成感を感じるほど好きな家事は?【連載「Megumi’s Mirror」】
洗濯物を干すのは好きだが、しまうのは嫌い
突然ですが、皆さん、好きな家事は何ですか? 逆に、嫌いな家事は何でしょう。
私の場合、洗濯、料理、アイロンがけ。この3つが好きな家事です。
まず、洗濯。これは、「干す」ことが好きなんです。ご存知のとおり、男子3人ともなると毎日の洗濯物の量は想像を絶します。夏場になるとさらに…。それらは洗濯機がしっかり洗ってくれるのでいいのですが、脱水が終わった大量の洗濯物をカゴに入れ、「さぁ、干すぞー!」という瞬間に、やる気スイッチが入るんです。Tシャツ、パンツ、靴下と、それぞれざっと仕分けして、洗濯ハンガーにバランス良く、どう干していくか。風がきちんと通るのか、見た目は気持ちいいかどうか、シワはピンと伸ばせているのか…etc。
あれこれと考えながら、でも考えすぎずに、手際良くササッと干していく。意外と頭を使うんですよね、洗濯物を干す作業って。そして、大量の洗濯物が気持ち良さそうに、ふわふわと風に揺れる姿を見ると、妙な達成感が…(笑)! たまらなく好きな瞬間です。
次に、料理。これはもう、ただ、無心になれる。黙々とキャベツを千切りするとき、餃子の皮に具を包むとき…。いかに手早く、かつ美しく(千切りなら細く)できるか、全神経を集中させる時間、嫌いじゃありません。
余計なことは考えず、目の前のキャベツや皮と向き合い、手を動かす時間は、私にとってある種のデトックス作用があるのかもしれません。同時に、そんなふうに頼まれてもいないのに意味なく自分に負荷をかけ(笑)、それが達成できたときの喜びに酔う…というものがあります。
それから、私は作り置きはしない派なので(ハンバーグやミートソースなどは多く作って冷凍します)、その日冷蔵庫にある食材を見て、気分とアイデアで組み合わせ、パパッと作るという工程も好き。パズルのピースがカチッとハマるような快感があります。
最後に、アイロンがけ。シワがすーっと消えていく瞬間、たまりません。気持ちも心も平らに、透き通っていくような気がします。
こう考えると、洗濯物を干すにせよ、料理にせよ、私は、頭を使って「考える」家事が好きなようです。それと、達成感を感じたり、気持ちが整うようなことも好き。そう考えれば、片付けや掃除も好きな家事です。
逆に、私が嫌いな家事は、洗った食器をもとに戻すことと、洗濯物を畳んでしまうこと。つまり、「ただただ、もとにあった場所へ戻す」という作業が苦手なんです。
ただし、たとえば、買ってきた大量の食材を冷蔵庫へしまうのは好きだったりします。食材それぞれの形や日持ち、保存方法、使う際に便利なようになど、考えながら冷蔵庫にしまい、うまくおさまっていくのは楽しい時間です。
…ふむふむ、なるほど。考えること、先を見据えて段取りすること、生み出すことは好きな反面、単純な作業は苦手。自分の性格が手に取るようにわかります。「家事占い」があれば、案外、当たっているのかもしれません(笑)。
そうそう、私の場合、「あぁ、新しいトイレットペーパーに替えるの、面倒くさいなぁ…」と漠然と感じたら、危険なサイン。想像以上に疲れている証拠です。こういうときは、忙しすぎてクタクタになっている自分を素直に認めてあげて、ゆっくりと温かいお風呂に浸かり、しっかり睡眠をとって、心身を休めます。
たかが家事、されど家事。
皆さんも一度、自分と家事について考えてみてはいかがでしょう?