多くの人の心を惹きつける理由は、嘘も無理もない、心から生まれたものをまっすぐに表現しているから。そんな川口春奈さんの笑顔の源に迫る。また記事後半では、2023年8月4日(金)に公開を控える映画『マイ・エレメント』で初声優を務めた心のうちも告白。
心地いい陽気な人たちが私に幸せを感じさせてくれる
どんな撮影の日も笑顔があふれていて、その真ん中に春奈がいる。カラッとした笑い声とコロコロ変化する豊かな表情は心が生き生きと動いている証拠で、その場にいるだけでパッと光が差すような印象。
「いやいや、私、仲のいい人からは“根暗”というか、パブリックイメージとは違うねと言われがちなんです(笑)。外から見ると、明るくて、元気ハツラツ、いつも笑顔!みたいなイメージを持たれるみたいで、そのイメージでお仕事のオファーをいただくこともあります。人間的に本当に好きで信頼している方たちと仕事ができると、やっぱり心地いいし、本当に幸せだなって思えます」
仕事柄、常に明るいムードや笑顔を求められがちではあっても、「自分の心に抗ってまで無理に笑うことはないかな」と言う。
「笑顔を取り繕う必要はないとは思っているけど、以前はメンタルの浮き沈みみたいなものがもっと激しくて、良くも悪くも感情がわかりやすかったと思います。ただ、作品を通して誰かを少しでも笑顔にできる仕事に携わっている自負があるし、私自身も健やかなマインドでいることがすごく大事。もし私が鬱々としていたら、やっぱり笑顔にはなれないですから」
気持ちに折り合いをつけたり、言葉を飲み込むのも、生きていればままあること。バランスを取るように、仕事の場を離れたときは“心のまま”でいることを大切にしている。
「プライベートでは極力ガマンをしない。着たいものを着る、欲しいものを買う、食べたいものを食べるとか、自分の欲求に素直に。誰かと約束をしていても、『やっぱり、今日ごめんなさい』と断る日もあります。もちろん節度もあるし、周りの人を大切にしたうえで甘えちゃうことも。プライベートでは、それを理解してくれる人たちがいるから自分らしくいられる。私の笑顔は、改めて周りの人たちによって作られているなと痛感するんです」
怖くても、不安でも新しい挑戦からは逃げない
仕事でも新たな挑戦が舞い込んだ。ディズニー&ピクサーの最新映画『マイ・エレメント』で主人公のひとりである火の女の子、エンバーの声を務める。
「『トイ・ストーリー』や『リメンバー・ミー』など私自身が笑顔をたくさんもらってきたピクサー作品に携われることになって、オファーをいただいたときは楽しみでいっぱいでした。声を演じたエンバーという女の子は、火のエレメントなのでメラメラと情熱的で、すぐアツくなってしまいます。脚本を読んだときに、『あ、私にも似た要素があるなぁ』と(笑)。キャラクターを理解しやすかった部分はあるけれど、いざアフレコが始まってみると何もかもが初めてのことで戸惑いばかりで。普段は自分の声のほかに、体と表情を使ってお芝居をするので、声ですべてを表現することや、決まった尺のなかでアニメーションに合わせてセリフを言うのはとても難しかった。ほかの登場人物との掛け合いのシーンも、ひとりでのお芝居になるのでずっと手探り状態でした。普段、私が見ていた世界よりも、もっと難しくて、挑戦してみないと知り得なかった世界でした」
正反対の性質や個性、価値観に触れること、新しい世界に踏み出すこと、そして世界の広さを知る。作中に描かれた数々のテーマのなかで特に心に響いたものを聞いてみた。
「私たちの世界でも、一歩踏み出したときに新しい発見があって、出会いがあって、見える景色が変わる。私自身は挑戦に対して苦手意識が先に出てしまうのですが、なじみのいい環境にいるだけでは面白くなくなっちゃう。ありがたいことに15年この仕事をしていても、次々と新しいことは訪れています。常に新鮮味を持ち続けて、自分が生き生きといられる選択をしてきたい。それが笑顔に満ちた日々にも繋がっていくはずです」
映画『マイ・エレメント』は8月4日(金)より全国ロードショー!
ディズニー&ピクサー劇場最新作。火・水・土・風のエレメント(元素)たちが暮らす街で、火の女の子〈エンバー〉は正反対の水の青年〈ウェイド〉と出会い、新しい世界を見てみたいという思いを抱き始める。だがこの街のルールは、“違うエレメントと関わらない”ことだった…。
https://www.disney.co.jp/movie/my-element