GINGER2023年5月号特別号の表紙を飾っている川口春奈さん。その美しさはもちろん、モードなデニムスタイルにマッチしたヘアメイクも話題。今回の表紙のヘアとメイクのポイントを徹底解説!
川口春奈らしさを生かしたメイク。眉毛は?前髪は?
ドキッとするカッティングが入ったクロエのデニムセットアップを、ヘルシーに着こなした川口春奈さん。ツヤのある髪、うるおいを感じさせるヌーディな肌、印象的なアイメイク、旬を感じさせるリップ…そのどれもが、目を奪う美しさ。今回の川口春奈の表紙を担当した、ヘア&メイクアップアーティスト笹本恭平さんに、カバーメイクにまつわる裏話、ヘアメイクのポイントを取材した。
川口春奈のカバーメイクのイメージは?
「今回の衣装は肌の露出があるデザインなので、メイクによっては色っぽく転んでしまうなと思って。そこが強くなりすぎると春奈さん本来の持ち味と違ってしまうので、彼女のラフさ、カジュアルさ、カッコよさをメイクで出せたらいいかなと思いました」
肌づくりのポイント解説
「カバーメイクの一番のポイントは、肌を作り込んでいないところ。春奈さんはもともと肌がめちゃくちゃキレイで、パーツもすごくはっきりしていて、すっぴんでも“まるでメイクしているような”メイク感があるほど。素でも十分に成り立つほどなんです。
普段のファッションページ撮影でも、極力ナチュラルに仕上げていて、肌のキレイさを活かすメイクをすることが多いですね。ファンデーションは、ほぼ塗っていません。
今回の表紙は少しだけ塗っていますけど、仕込み用の下地に光のあるものを使った程度で、全顔は塗っていないです。チークはコーラル系を混ぜて、けっこう広めに入れています。それで高揚感というか、柔らかさを出しています」
肌づくりのメイクポイント簡単まとめ
- 肌はできるだけナチュラルに。ファンデーションはほんの少し。
- 下地に光のあるものを仕込んでツヤ感を。全顔は塗らない。
- チークはコーラル系を混ぜて広めに。
アイメイクのポイント解説
「肌をつくり込まない代わりに、目元はしっかりつくり込んでいます。ペンシルを使って細いラインで上も下も囲み、目元をほどよくカッコよくしています。色はダークブラウン。ペンシルなので、まばたきをするたびにちょっとにじんでくるのですが、そのちょっとにじんだくらいがいいかもなと思いました。
アイカラーは、ゴールド系のシャドウを上下にパパッとつけたぐらいです。マスカラも上下に軽くなので、限りなくカラーレス。ほんのりとしたツヤと、彼女のまなざしの強さが印象に残るアイメイクを狙いました」
アイメイクのポイント簡単まとめ
- ナチュラル肌との対比で、目元メイクはしっかりと。
- ダークブラウンのペンシルを使用して、目の上下を細いラインで囲む。
- ゴールド系のアイシャドウを上下に軽くつける。
- マスカラも上まつ毛、下まつ毛に軽くつける。
眉メイクのポイント解説
「眉はちょっと太めに、でもそんなに濃くはしていないです。太めだけど柔らかいイメージに。彼女自身の眉毛に少しだけ描き足しました。前髪がかかってくるので、そんなに強く描かなくても十分に存在感を出せます」
眉メイクのポイント簡単まとめ
- 眉毛はやや太めにつくる。
- 少し描き足すぐらいで、濃くしない。
口元メイクのポイント解説
「唇にちょっと白っぽいピンクをポンポンとのせて、指先で伸ばして馴染ませました。そんな曖昧な感じのほうがデニムのラフさとも合うのかなと思って。リップ自体はマットなタイプを選んだのですが、リップクリームで唇にツヤを仕込んで、その上にリップカラーを重ねることで、ほんのりとしたツヤが出るようにしています」
口元メイクのポイント簡単まとめ
- リップリームで唇にツヤ感を仕込む。
- 白み系ピンクのリップカラーを唇にのせる。
- 指先でリップカラーを馴染ませる。
髪型づくりのポイント解説
「今回はあえて巻かずに、ちょっとだけ束感でパサパサッと見せたかったので、オイルをしっかりとつけてラフな感じを演出しました。春奈さんはもともと髪の量がしっかりとあるので、オイルで束間を出すくらいのほうがちょうど良いのです。オイルといってもウェットにならないオイル、さりげなく束感がでるくらいのつけ具合です。彼女の動きにそって髪にも動きが出る感じ、キレイにまとまりすぎないラフさがポイント。
前髪の束間や透け感ってすごく重要なので、前髪とサイドの境目のバランスには気を配りました。重く見えてもいけないし、ほんの少しバランスが崩れるとイメージが大きく変わってしまい、前髪だけが目立ってしまったりするので。春奈さんは、わりとぱっつん前髪ですけど意外とレイヤーが顔まわりに入っていて短い毛もあるので、それを上手く生かしたほうがラフで素敵に仕上がります」
髪型づくりのポイント簡単まとめ
- ヘアオイルをしっかりとつける。さりげなく束感がでるぐらいの量を目安に。
- キレイにまとめすぎず、ラフに仕上げる。
- 前髪の束感と透け感を意識して、前髪だけが目立たないようにバランスを取る。
メイクのプロが語る「川口春奈フェイスの魅力とは?」
「春奈さんはどんなメイクも似合うし、そしてとにかく肌が本当にキレイ。だからヘアメイクする側としては、いろいろなメイクを試したくなってしまいます。ーーなんですけど、基本、すっぴんでも十分にできあがっているから、誰がメイクしても失敗することはまずないなと(笑)、毎回思っています。言い方が適切ではないかもしれませんが、春奈さんのメイクはラクさせてもらっている、という気持ちがありますね。だからこそメイクでは、わずかな足し引きが重要なポイントになってくるので、そのサジ加減を見極めてこちらの目指す方向にもっていくのが大事で、そこがメイクの難しさでもあり楽しさでもあり、ヘアメイクの醍醐味です。
そしていつも感動するのは、春奈さんは“表情が顔にちゃんとついてくる人”だなということ。それをメイクで壊さないように気をつけなければと思っています。
たとえばメイクが完成してこそ“その人の顔になる”という女優さんは、そのメイクありきの表情だなという印象を受けるし、それもその人の魅力と言えます。でも春奈さんの場合はもともとの表情が豊かで、それが彼女そのものの魅力だから、メイクは正直いらないくらいです。でもやっぱり、パーツもキレイだし、僕としてもいろいろとメイクしたくなってしまうので、そこには気持ちのせめぎ合いがありますね(笑)」
デニムスタイルのときのメイクまとめ
「カラーレスにして、あとは目元を盛る。これは今のトレンドメイクでもあるので、ぜひ読者の皆さんにもトライしてほしいです。ただ、ラインをいきなり黒でグッと引いてしまうと、結構怖くなってしまうので、透け感のあるアイライナーを使って遊んでみるのがおすすめ。
ゴールドのアイシャドウは、本当に肌馴染みがいいので、絶対にアリだなと思っています。目元は辛めで、リップやチークで少し甘く、というバランスは、今っぽさも出るし、誰でも取り入れやすいメイクだと思いますよ。
それから、メイクは全部を完璧にやろうとせずに、1ヵ所だけポイントを決めて、そこだけキレイにつくれば他はラフでいいと思います」
笹本さんに、メイク中は春奈さんとどんなことを話しているのかを尋ねると「最近どうしてる?とか、たわいもない話をして笑い合ってます。そういうときのラフな感じも含めて、やっぱり会うたびに『すごく魅力的な人だな』って思いますね」という言葉が。会うたびにとても進化していてすごいなと思う反面、彼女自身は出会ったころからずっと変わらず、やさしくて気取らない女性のままなのだそう。「ずっと芸能界のど真ん中にいながら、変わることなく、きちんと自分がある。芯があると感じさせてくれる」ーーそれが“川口春奈”の大きな魅力のひとつ。
そんな春奈さんのキャラクターを生かし、さらなる魅力を引き出したGINGER2023年5月号表紙のヘアメイク。本誌内の企画では、そのほかの着こなしとヘアメイクも掲載、そして今のマインドをたっぷりと語ったインタビューなど見どころ満載で話題。ぜひ手に取ってチェックして。
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笹本恭平(ささもときょうへい)
熊本県出身。ヘア&メイクアップアーティスト。&2013年よりilumini.incに所属。ビューティ誌、ファッション誌をはじめ、広告やCMなど幅広いフィールドで活躍。モデル、女優から絶大な信頼を寄せられ、指名も多い。個性を生かしつつ、旬を巧みに取り込んだおしゃれなヘアメイクに定評がある。笹本式メイクテクニックを紹介した書籍『コンサバメイク革命』(講談社)も人気。
ilumini.inc/KYOHEI SASAMOTO
Instagram @kyoheisasamoto