実は、占いやおみくじを信じないタイプだという神崎恵さん。さらに、元旦に初詣も行かないそう。そんな彼女は、お守りを受けることにも抵抗があるのだとか。その理由は…?【連載「Megumi’s Mirror」】
うさぎとお守りと年女
先日、うさぎのリングをつけていたら、「かわいいですね。そうか。神崎さん、年女ですもんね」と妙に納得した感じで言われて、そうだ年女だった、と思い出しました。
2023年の干支はうさぎ。卯年。確かに私は年女です。イエローゴールドの華奢なラインで描かれたそのうさぎのリングは、大好きな“ALIITA”のもので、ほかにもカニとかロボット、恐竜などユニークなデザインのものを持っていますが、きっと、かわいすぎるうさぎと私の組み合わせが意外だったのでしょう(笑)。わかります。私も、寅年とか、強いイメージの干支に憧れますし。
ともかく、そのリングはひと目惚れで、ニンジン形のネックレスと一緒に、大の大人があえてキュートなアイテムを身につけるのって面白い、と思って購入したのでした。
そもそも私は、占いを信じるタイプではなく、おみくじもひかないし、お守りも受けないし、元旦に初詣も行きません。唯一、箱根神社は大好きで、初詣などにこだわらず、清々しくて気持ちのいい日にドライブがてら行ってお参りをし、お礼を伝えてさっと帰ってきたりしますが、大安や仏滅、一粒万倍日も気にしないし、熊手も買ったことがない。
我ながらあまのじゃくだと思うんですが、なんだかこう、決められるのが怖いというか、ザワザワするんです。揺さぶられたくないんですよね。自分の人生や自分の選択に、自信と覚悟を持っていたいから。
と、そんな私に、ある日、衝撃的なお話が。お仕事をご一緒しているライターさんが、知る人ぞ知る某お寺で、ものすごくパワーのある有名なお守りを買ってきた、と言うんです。そこは、一年に一度だけ一般の方が入れる日があるそうで、彼女は日帰りで遠方まで足を運んだとか。実際、経営者の方やお店のオーナーなども多く訪れ、そのパワーにあずかった人がさらにまた人を呼び、毎年、大盛況だそう。お守りは扇子とセットで効力が発揮されるとのこと、さらには扇子を携帯するための専用ケースもあって…と、彼女は必要なものすべて購入してきたらしい。お値段もお安くはないびっくり価格で、かつ、翌年の同じ日、それをそのお寺にお返しするのがベストだとか。つまり、永遠に続くお守りループ。彼女はとてもうれしそうだったし、そのお守りの運気やパワーにのっかって今年も仕事がんばるぞ!と気持ちを新たにしていたし、支えのひとつになるなら、それでいい。
でも、またまた、あまのじゃくな私は思うのです。一度担いだら、下ろせなくなるんじゃないか、と。たとえば願いが叶ったとき、お守りのおかげだと感謝するのは素敵なこと。でも、それはお守りの効力だけではないはず。その人の日頃の努力や実力(チャンスをつかめたタイミングや運も含む)もあるということを忘れないでほしい。逆もまた、しかり。ご利益にあずかるのだとしたら、受け取る側もある種の覚悟が必要で、しかもそれが強力なご利益であればあるほど、そのパワーに負けない強さと、すべてを受け止められるだけの努力、最終的には何があっても何のせいにもしない心構えが必要なのではないかと思うのです。
ちょっと、考えすぎかなぁ。なんて思っていた夜、息子が新しく買ったお財布をずっと飾っているので「なんで使わないの?」と聞いたところ、「一粒万倍日におろす」とひと言。思わず「今すぐおろしなさい」と言ってしまいました(笑)。いずれにしても「信じるも信じないもあなたしだい」ということでしょうか。