ただひたむきに役を生きる俳優として、28歳になったひとりの女性としても恋によって彩られてきた日々がある。酸いも甘いも噛み分けたうえで、「恋は不可欠なもの」とまっすぐ言い切った川口春奈さん。恋にまつわるストーリーをインタビュー。
「初恋」は?
同じ保育園にシュウトくんっていう男の子がいて、よくあるパターンですが、足が速くてカッコ良かったんです。不思議なんだけど子供のころって、足が速いとか背が高いという理由で人を好きになりがちですよね(笑)。だからシュウトくんのことも、取り合いとまではいかないけど、女の子たちはみんな彼のことが好きだったと思います。私も七夕の短冊に、「一緒になれますように…」みたいな、今思えば重ためな願いを書いていたらしく(笑)。そんなことを書きつつも、もちろん当時は付き合いたいという発想はまったくなくて、ただただ好き、というピュアなもの。小学校で離れ離れになってしまったけど、あれがまさしく私の“初恋”だったと思います。
小学校時代は、3年生から6年生までひとりの子に一途に恋をしていて、それから中学生のときは初めて先輩に憧れるという経験もしました。2歳上のバスケ部の先輩だったんですが、通算3回も告白したんです。彼女がいて3回とも玉砕でしたが。
びっくりしたのは小学校のときに好きだった人が、私の保育園からの幼なじみと結婚したこと! 中学生になって付き合い始めて、10年以上も愛を貫いたらしいです。「こんなすごいことが起こるんだ!」と感動したし、とってもうれしいんだけど、ちょっと複雑な気持ちも入り交じってます。
「恋をすると」どうなる?
好きも嫌いもすべて顔に出てしまうので、すごくわかりやすいと言われます。
気持ちがバレるのが恥ずかしくて、好きな人の前ではもじもじしちゃうか、ふざけるかの二択(笑)。小学生のときは、好きな人の前ほど全力でギャグをやって、全力でふざけてましたから。
大人になってからのほうが、もじもじしがちかもしれないです。恋愛だけじゃなく興味があって会ってみたい人がいたとして、共通の友人に「紹介してほしい!」とそこまでは積極的にいけるんです。でもいざその人を目の前にすると、聞きたいことや話したいことはたくさんあるのに、お地蔵さんみたいに固まってしまう。28歳になった今でも、恋愛下手なのは変わりません。
「子供のころのヒーロー」は?
小学生のころから、お笑い芸人のロバート・秋山さんが大好き。俳優やアイドルに憧れた経験はなくて、でも秋山さんが出るテレビは必ず観ていました。当時、小学校3年生くらいだったと思いますが、パソコンで秋山さんの画像を検索して、それをプリントアウトして、切り抜いた画像を自分のプリ帳にせっせと貼り付けていました。今考えると変な遊びというか…、謎ですよね(笑)。秋山さんが福岡県のご出身なので、同じ九州人として親近感もあったし、大好きだった。そのころは、「面白い」が「好き」に直結していたんですね。
ほかにも、一番上の姉がGLAYのTERUさんのファンだったので、家では常に音楽が流れ、壁にはポスターが貼ってあったから、私にも染み込んでいて。生でTERUさんを拝見したときは体が震えました。
不思議なもので、秋山さんに実際にお会いできたときは、「おはようございまーす」と平常心だったんです。あんなに好きだったのに(笑)、むしろ冷静で、「おっきいな~」なんて思ったり。
「初めてのデート」は?
地元・五島ではデートをしたことがなくて、学校帰りに公園に寄って、みんなで鬼ごっこするみたいな。そういうレベル。自分のなかでは、ずっと仕事ばかりでプライベートの思い出が少なくて、デートらしいデートができるようになったのはすっかり大人になってからですね。今思えば、制服デートしてみたかったな(笑)。
テーマパークや映画は定番として、時季によってはお花見をしたり、イルミネーションを見たり…、四季を満喫できるデートが好き。デートにおいての予約や準備は、楽しみのひとつとして頑張れるほうだと思います。
あの人と一緒に行ってみたいとか、一緒にやってみたいとか…そんな気持ちで日常が彩られていくのが、恋の醍醐味ですよね。