演技はもちろん、歌にダンス、さらに料理まで!? その多才ぶりを見事に発揮して、話題沸騰中の高橋文哉さん。今年は月9枠のドラマでスタートを切り、まさにエンジン全開! そんな彼へのインタビュー前編は、最近起きた変化について。
高橋文哉「周囲の期待を裏切って新しい自分を届けたい!」
2019年、『仮面ライダーゼロワン』にて21世紀生まれ初のライダーとして人気を集め、以降、数々の話題作に登場。SNS上でもその佇まいが「破壊的な透明感」と評され、今や最注目の人となった高橋文哉さん。
「デビューから丸3年、いろんな役との巡り合いがありました。特に2022年は、誠心誠意向き合った作品が大きな反響を呼んで、その手応えを感じることができた。仕事の輪が広がっていくことを、しっかり実感できた一年でした」
さらにこのところ、スタイリストやヘアメイクをはじめ、周囲のスタッフに“ある前向きな変化”について指摘されたそう。
「デビュー当時とはスタンスが変わったね、と言われたんです。確かに初めは右も左もわからず、プロの方々の提案をただ受け入れ、全力投球するばかりでした。でも今は、もっと違う自分を見せたい、だからこうしたい、と自分の意見を伝えるように。雑誌の撮影なら、モードなスタイリングを取り入れて変化をつけたいとか、ヘアの分け目を逆にして遊ばせるのはどうかとか……。みんなでイメージをやりとりして具現化していく、その過程がすごく楽しいんです」
今と昔ではスタンスが変わった、その理由を聞いてみると、「皆さんの期待をいい意味で裏切っていきたいから」と目を輝かせる。
「俳優という仕事の醍醐味は、作品ごとに違う自分を届けられるということ。この声色は前も使ったから変えようとか、次は笑顔でも深みを出そうとか、表現の幅を広げるのがすごく楽しい。作品と役柄、現場の雰囲気と共演者との間合い……それらを瞬時に理解し、過去最高の演技をして、見てくれる人をドキドキさせたい。もう完全に役者という沼にハマっています(笑)」
高橋文哉「仕事以外に自分が生きられる世界があるとは思えない」
そんな仕事への思いをさらに強いものにしたのが、昨年出演したドラマ『君の花になる』。劇中のボーイズグループが、期間限定で実際にデビューするという仕掛けも話題を呼んだ。
「あまり自分の努力を口にするのは好きではないのですが、この作品は本当によくやりきったと思います。自分の引き出しにはないキャラクターで、さらに初のラブストーリー。歌やダンスはもちろん、ギターやキーボードも約1年かけて手になじませてきました。課題と学びがあった分、反響も大きかった。役者熱をさらに上げる、そんな作品になりました」
とにかく今は、「この仕事以外に自分が生きられる世界があるとは思えない。そのぐらいやりがいを感じている」と語る。この世界に入る前は料理人を目指していたというが、今の自分をどう感じているのだろう。
「役者と料理人。一見違うように思うかもしれませんが、共通する魅力があると感じます。俳優は作品をつくって提供し、料理人の場合はそれが渾身のひと皿になる。どちらも創造し、表現しているのは一緒で、観る人、食べる人に喜んでもらいたいという気持ちも同じ。お芝居にゴールはないし、美味しさにもゴールはない。すべてが似ていると思いませんか? 違う道のように見えて、どこかで繋がっている気もします。とにかく今は、ここまで夢中になれる仕事に出合えて心から幸せ。これからも気合を入れて、作品づくりに取り組んでいきます」
高橋文哉(たかはしふみや)
2001年3月12日生まれ、埼玉県出身。2019年「仮面ライダーゼロワン」にて主演を務めたのち、ドラマ「着飾る恋には理由があって」「最愛」(共にTBS系)など、多くの話題作に出演。現在「女神の教室〜リーガル青春白書〜」(フジテレビ系)が放送中。