まもなく最終回を迎えるドラマ「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール」(日本テレビ系・毎週水曜夜10時放送)で、盲学校に通う主人公の同級生役を好演している田辺桃子さんにインタビュー。
俳優同士、刺激しあえるいい関係
今年だけで6本のドラマに出演するなど、今、俳優として引っ張りだこの田辺さん。さまざまな作品を経験してきたなかでも、今回は同世代の仲間と切磋琢磨しあえる、充実した撮影現場だったようだ。
「同級生同士を演じた杉咲花さんと細田佳央太さんは、素敵な俳優さん。尊敬できる仲間とご一緒できて、ありがたかったです。撮影前日に『明日も頑張ろうね』とメッセージのやりとりをしたり、演技の相談に乗ってもらったり…毎回、二人に刺激をもらいながら、私もどんな演技でお返しできるか考えていました」
杉咲さんとは撮影初日から、いつでも相談できる仲でいよう、と話していたという。
「役者同士の関係性はさまざまなのですが、いい意味で切り替えのスイッチを持ちたいという方もいれば、逆にカメラの回ってないところでもいろいろな話をして関係性を深めたいという方もいて、私は後者のタイプ。花ちゃんもまったく同じ意見で、うれしかったです」
ギャップがあるね、は褒め言葉?
「恋です!」はクスりと笑えるラブコメディーでありながら、障害がある人々の生活が丁寧に描かれているのも見どころの一つ。登場人物の言葉にハッとさせられることも多いが、田辺さんがこの作品を通して伝えたかったのは、もっと普遍的なメッセージだ。
「実は私、以前から“普通”という言葉に違和感を感じていて。何を普通と感じるかどうかは人それぞれだし、自分にとって普通でも、相手からしたら違っていたり、その逆もよくありますよね。『恋です!』の登場人物たちは、“普通”という概念がない人たちばかりだと思います。目が見えようと見えなかろうと、人それぞれ好きなことや苦手なことがあるし、楽しいこともあればつらいこともある。“普通”という枠がなくても、何も困らないし、むしろないほうが人生は楽しい! そんなことが伝わったらいいなと思いながら演じていました」
“普通”という言葉に引っ掛かりを覚えるようになったのは、数年前からだという。
「きっかけの一つに、よく『ギャップがあるね』と言われていたことがあると思います。私はどちらかというと大人しくて真面目なタイプに見られるみたいで、私服でメンズ服を着たり、ノリツッコミしたりすると、そういう風に言われることがあって。たぶん褒め言葉なのですが、でもそれってつまり、見た目で判断されてしまっている?と思ったらなんだかちょっぴり悔しくて」
丁寧かつ柔らかい口調で、でもきっぱりと、田辺さんは言う。
「ギャップ、という言葉をみんないい意味で使っているのはわかっているし、私も、私のほかの一面を知ってもらえたらうれしい。でも、誰にだっていろいろな面がある、という感覚が強くなればなるほど、あえて“ギャップ”と言う必要はないように思えてきます」
日常にあるささやかな違和感をきっかけに、女の子らしさや男の子らしさといった、一面的な型に押し込めてしまう“普通”という言葉について、考えるようになった。
「私もいい意味で普通じゃないはず――特にこの仕事をしている以上、自分らしさが大事です。それならもはや誰かの考える“普通”って、要らないなと。そういう垣根みたいなものがなくなっていったとき、この社会にはもっと新しい、面白いものがたくさん生まれるのではないかと思っています」
そのために俳優として、“普通”を問い直すような役にどんどん挑戦していきたいと語る田辺さん。最後に、2022年の抱負について聞いてみた。
「この1年、タイプのかなり違う役を演じることができて楽しかったです。変わりっぷりに、見ていて驚いてくださった方もいらっしゃったと思います。また来年も、自分が想像しないようなキャラクターをもっともっとたくさん演じて、サプライズのように、みなさんに楽しんでもらえたらうれしいです」
田辺桃子(たなべももこ)
1999年8月21日生まれ、神奈川県出身。小学校3年生のときにスカウトされ、芸能活動をスタート。2013年にファッション誌『Seventeen』のモデルオーディション「ミスセブンティーン」に選ばれ、2019年3月まで同誌の専属モデルを務める。俳優として数々のドラマや映画に出演し、高い演技力が評価されている。現在は「恋です!~ヤンキー君と白杖ガール」(日本テレビ系列)、「准教授・高槻彰良の推察」(WOWOW)が放送中。
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