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TIMELESSPERSON

2021.11.24

「自分に飽きたら、終わり」田中みな実が語る現在地

自身をアップデートし続けながらも、心の奥深く芯の部分は決してぶれずに、自分の価値観で取捨選択をして潔く、柔らかく自らの道を切り拓き続ける。唯一無二な存在である、田中みな実さんのセクシーな生き方に迫ります。

田中みな実

レザージャケット¥517,000、ワンショルダーボディスーツ¥154,000、デニムパンツ¥89,100(すべて予定価格)/すべてセリーヌ バイ エディ・スリマン(セリーヌ ジャパン) イヤーカフ¥77,000、リング¥159,500/ともにリーフェジュエリー

新しい魅せ方を探求したら、生き方や仕事にも変化が現れた

魅せ方の“み”の部分が上手な人ってセクシー。近ごろは、「男の人のための」という視点が減ったように感じます。私が学生の頃、雑誌の特集は異性にモテるためのメイクやファッションであふれていましたが、今の時代、基準はあくまで自分主体。意図的に誰かに好かれようとする傾向はやや時代遅れな気さえする。それは、生き方にも通ずることかもしれなくて、海外は“sexy”や“gorgeous”は、その人の持つ魅力を称賛するワードとして度々耳にしますがそれは外見のみならず、オリジナリティのある生き方までも高く評価する言葉。

夏ごろ、ずっとロングだったヘアスタイルを、肩ぐらいまでバッサリ切りました。単にイメチェンということではなく、芝居をしている画面の中の自分を見たときに、体に対しての髪のボリュームが重すぎると感じて。切ってみたらバランスの悪さがいくらか解消されて心地よかった。

最近は新しいヘアに合わせて洋服もシンプルなものを好むようになり、生き方やマインドもシンプルに。年齢のせいもあるのかな。同じようにメイクもファッションも、客観性を持てるようになって大きく変化した。フリーになってしばらくは、局アナのころからお世話になっていた“いつもの自分”を作ってくれるスタッフとしか仕事をしなかったし仕事内容も「アナウンサー業に特化したい」という気持ちが強く、新しいものは自ら排除した。

でも、新しい景色に出会うには、超えなければならない壁があると気が付いたんです。自分に飽きたら終わり――飽きないように、日々新しい“魅せ方”を探求するようになったら、生き方がずっと“sexy”になりました。

田中みな実

オープンバックスウィムウェア¥36,300、デニムパンツ¥86,900/ともにアレキサンダー ワン(アレキサンダー ワン 青山店) サンダル 参考商品/セルジオ ロッシ(セルジオ ロッシ カスタマーサービス)

頑固で嘘がない性格こそが現在地へと導いた

30歳を機にトレーニングを始めました。今、理想のボディは、機能的で美しい体。あえてポージングをしなくても美しくしなやかに動く体を目指してトレーニングを続けています。美容にストイックに向き合っている印象があるかもしれませんが、それは私にとって当たり前の習慣なのです。

“向き合う”っていう言葉は好きじゃない。なんだかがんじがらめでほかのことが見えていないみたいだから。楽しくマイペースに続けています。一番の成果は、自分について知ることができたこと。そうしたら自ずと魅せ方がわかってきて、可能性が広がった。

30代に入って、じわじわとお尻のエイジングを実感し始めたんです。トレーニングではアプローチしきれない肉質や肌質の変化、脂肪のつき方など、お尻にはたくさんの避けようのない変化が訪れると知り…。PEACH JOHNでガードルをプロデュースしちゃいました! “習慣化することでお尻のエイジングを緩やかにする”をコンセプトに、はき続けたくなるような工夫を随所にちりばめて。はいたときにラインがキレイに見えるよう、アシンメトリーに縦に柄を入れ、マットで上質な柔らかな生地を採用し、パワーのかけかたを調整して締め付けを感じにくく、でもヒップトップがキュッと上がるような設計に。妥協をせず、とことんこだわり抜いた自信作です。

私、仕事においてはいっさいの妥協も許せない性格なんです。ときに衝突もしますが、いいモノを作り出すためには仕方がないとあきらめています。自分が納得していない商品を皆さまに買ってもらうなんて考えられない。そういうものをひとつでも世の中に残したくないのです。

妥協を知らない頑固なところは長所でもあり、時に短所にもなり得る。けど、面倒くさくて嘘がない自分が、とても好き。

タートルネックニット¥165,000、チュールスカート¥638,000、パンツ¥121,000、レースアップブーツ¥193,600/すべてディオール(クリスチャン ディオール)

挑戦した先に待っている充実感が“わたしらしさ”を作り上げる

世の中が求めている田中みな実のイメージと今、自身が取り組んでいることに乖離があった場合、世間の思い描く“田中みな実像”には合わせず、私が大切にしたいと思うことを優先するようになりました。

もしかしたら、それによって仕事が減るかもしれないし、離れていく人がいるかもしれない。けど、それ以上に、今、取り組んでいることで、もっともっと成果を出せれば、それは間違いなく新たな成長に繋がると知っているから。

大丈夫。痛みなくして得られるものなんてないんです。変化をするときに反発が起きるのは必然です。周囲の批判や心無い声に負けないように目の前にあるひとつひとつに丁寧に取り組んでいくほか、成長への近道はないと思っています。

得意な分野で戦ったほうが、勝算があることも確か。でも、どうやら私は、得意ではないものや未知のなかにしか成長や新しい発見ができない性質のようです。

見苦しいかもしれないけど、観たくもないかもしれないけれど35歳の新人の挑戦をお許しください。第一線で活躍されている方はみな新しい何かを模索し、挑戦し続けているように私には見えます。現状に甘んじている人はひとりもいないんです。ぬるま湯のなかでは生きられない――うん、私もそうありたい。

田中みな実(たなかみなみ)
1986年11月23日生まれ、埼玉県出身。「グータンヌーボ2」(フジテレビ系)、「あざとくて何が悪いの?」(テレビ朝日系)に加え、ドラマ「最愛」(TBS系 毎週金曜夜10時放送)に出演中。現代を生き抜く女性の抱える不安、寂しさ、希望を描いたおかざき真里の原作を映画化した『ずっと独身でいるつもり?』(公開中)では、初の主演を飾り話題に。

PHOTO=伊藤彰紀(aosora)

STYLING=竹岡千恵

HAIR & MAKE-UP=笹本恭平(illume)

MODEL=田中みな実

TEXT=山﨑尚子

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