俳優 岡田健史さんが今やってみたいことに挑戦する連載。今回は、初の陶芸体験。愛おしそうに土に触れる姿が印象的でした。陶芸は、穏やかな精神状態を維持することでストレスや邪念、迷いなどを発散し、リラックス効果があるともいわれています。健史さんの日本伝統工芸への挑戦が生み出したのは、世界唯一の作品と・・・思わぬ体への影響!?
完成度ではなく、想いや背景を大事にしたい
伝統工芸に限らず、もともと“ものづくり”が好きだという健史さん。
「自分好みに欲しいものが作れるからではなく、そのときの想いや背景に広がるストーリーが物にぐっと込められていく。作る過程で愛着がわき、世界に一つのかけがえのないものになる・・・。それが、理由なんじゃないかと思います」
今回は初めての陶芸体験。初心者には土を指先で伸ばしながら成形する「手びねり」という方法がおすすめだそうですが、せっかくの機会なので「電動ろくろ」をリクエスト。
野球をやっていた健史さんの手を見て「大きい手は陶芸に向いてますよ」と先生が言っていました。その言葉に背中を押されるように、健史さんが足元のペダルを踏み込み、ろくろを回します。
「通常のレッスンでは500gの土を使うところ、僕はできるだけ大きな皿を作りたかったので、先生にお願いをして2㎏の土を用意してもらいました(笑)」
両手に水をつけ、土の塊をほぐすように上げ下げする作業の繰り返し。これは土全体の質を均一にしていく「土殺し」という工程で、ここをしっかりやらないと成形に影響が出たり、焼くときに割れやすくなるのだそう。
撮影を忘れるくらい、心も体も集中しました
次に土台作り。指先で真ん中に穴を開けて外側にスライドしていくと、皿の大きさが徐々に広がっていきます。焦らずに、少しずつ・・・少しずつ・・・。
「底を平らに保つことや、外側の角度を等しくするのはとても難しかった。この最後の成形作業は自分でも驚くくらい集中していて、完全に撮影を忘れていましたね。カメラマンさん、ごめんなさい(笑)。でもとても気持ちのいい緊張感でした」
時間があったので同じ平皿をもう一枚。今度は釉薬も変えて、先生のサポートなしにすべて健史さんひとりの力と技術(?)だけで作り上げました。
「今回の体験を通して感じたのは、指先や腕だけでなく、全身の力が必要なんだということ。見た目ではわからないかもしれないけれど、陶芸は体幹が大事だっていうのが新しい発見でした。
余談ですが、普段使わない筋肉を使ったことが翌日の筋肉痛で実証されました(笑)」
完成した2枚のお皿がコチラ!
焼いている途中に割れてしまうこともあるのが陶芸の奥深さ。1ヵ月後、健史さんのお皿はどちらも美しく焼き上がりました。
「先生と一緒に作った皿(写真右)は、売り物みたいに美しい! でも僕の指の感触が残っているような、少しいびつな2枚目の皿(写真左)も気に入っています。しゃぶしゃぶのときに切った野菜をのせようかな。チャーハンも映えそう♪ 使うのが楽しみです」
陶庵 上野
陶芸家・吉岡正義氏がディレクターを務め、ブックカフェ「ルート ブックス」の2階スペースに工房を開設。電動ろくろ、手びねり、絵付け、金継ぎなどの1DAY LESSONを予約制で受付中。
東京都台東区東上野4-14-3 route books
https://to-an.jp/
大好評の出演ドラマ「ウチカレ」もCHECK
水曜22時から放送中のドラマ「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」では、恋愛に興味のない漫画オタクの水無瀬空(浜辺美波)と同じ大学に通う陽キャラ・入野光を熱演中。誠実なイメージの健史さん演じる“チャラ男”が、すでにひとつの見どころになっていますよね。
脚本家・北川悦吏子さんが描くラブストーリー。今後どんな展開を見せるのか、皆さんもぜひ見届けてください!
岡田健史(おかだけんし)
1999年5月12日生まれ、福岡県出身。2018年ドラマ「中学聖日記」でデビュー。映画『ドクター・デスの遺産—BLACK FILE—』『新解釈・三國志』が大ヒット公開中。現在は水曜ドラマ「ウチの娘は、彼氏が出来ない!!」(日本テレビ系)に出演中。2月14日(日)からはNHK大河ドラマ「青天を衝け」がスタート。3月19日(金)に映画『奥様は、取り扱い注意』が公開予定。