脚本家 岸本鮎佳さんがサウナへの愛を語り尽くす連載「サウナヴィッチ」。あなたもサウナの魅力を知って、ぜひ愛好者の仲間入りを!(編集部)
vol.07 サウナBBAとは、うまくやれ
サウナに通い始めて、地元の銭湯に行き始めると必ずぶち当たる壁・・・それが『サウナババァ(SAUNABBA)』だ。
SAUNABBAは、まるで地縛霊のように(失礼)地元のサウナに張りついている。
そして、まるで自分の風呂!と言わんばかりに縄張り意識を剥き出しにし、強制的に自分ルールを押し付けてくるのだ。
サウナ室の場所取りから、洗面台の髪の毛の処理、脱衣所の掃除までその活動は幅広い。
SAUNABBAは、若い女の子が入ってくると、牽制する。
いや、若くなくても一回は牽制する。
SAUNABBA「最近の若い子は、銭湯のマナーがなってないわよねぇ~!」などと、でかい声で、こちらに落ち度が全くなくても、牽制する。
まるで、自分がここのリーダーだから、あたしのルールに従ってよ?と言わんばかりに。
それが嫌で、地元の銭湯に行かなくなるという人は少なくない。
私の街のSAUNABBAは、勝手にサウナの換気を始め、大声でサウナ友達と喋り始める。
そのため、サウナ室の温度が下がるうえに、リラックス出来ない。最悪だ。
でも、ちゃんとルールを守っていれば、SAUNABBAも「あら、意外とわかってんのね」と、危害を加えて来ない。
それどころか、きっかけを見つけて話しかけてくる場合もある。
でも、私は仲良くならないことをおすすめする。
なぜなら、お裾分けなどと言って果物やお菓子を握らせてくるなどのありがた迷惑行為をしてくるから。
SAUNABBAは、だいたい同じ時間に来るという特徴もある。
理由は、サウナ友達とおしゃべりしたいから。
だから、私はSAUNABBAとは仲良くならないし、彼女たちが来ない時間帯に行くことにしてる。
さりげなく時間をずらすことで、遭遇するのを回避出来るから。
そして、耳栓をすることは、おすすめだ。サウナで少しでもリラックスするには、他人のおしゃべりは邪魔でしかない。
ただ、くれぐれも直接対決は避けること。
サウナ友達に悪口を言いまくって、半強制的にサウナに行きづらい気持ちに追い込まれるから。
サウナという神聖な場所で、ストレスなんて、1グラムも持ち込んではいけない。
かといって、せっかく見つけたお気に入りサウナに行きづらくなるのは、勿体無い。
なので、どうしても避けて通れないSAUNABBAとは、「うまくやる」のが、一番なのだ。
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