“推しゴト”=好きなもの、夢中になれるもの、一番幸せな時間、そして人生そのもの! 人によって熱量はさまざまだけど、誰でも何かしらひとつは“推し”を持っているはず。
かつては、そんな強い“推し”を持つ人は“オタク”と呼ばれていましたが、今はそれが個性として輝き、強みにもなる時代。何より、熱中できるものがあるってすごく楽しい!
そんな“〇〇〇オタク”を自負する著名人の方々に、自分の“推し”について熱く語ってもらいました。
今回は、「どこに行くにも一緒!」という、自他共に認めるマンガホリック、俳優の高杉真宙さん。小学生時代に父親のコレクションでマンガに目覚め、今や部屋に並ぶマンガの数は、なんと1500冊以上。俳優としての自分の礎はマンガにあると言っても過言ではないと語る、そのマンガ愛に迫ります。
経験、感情、写真の撮られ方まで・・・!?マンガは僕の人生の教科書です
「学校や仕事など、生活ってルーティーン化してしまうもので、だからこそみんな、ストレス発散法や癒やされたりする何かを持っていると思うんですが、僕にとってはそれがマンガなんです」
父親がマンガ好きで、家には『週刊少年ジャンプ』系の単行本がどっさり! それを弟たちと夜な夜な読みふけっていたそう。その後の東京暮らしを支えてくれたのも、マンガだったとか。
「学校が終わると速攻家に帰って、すぐにマンガを読む。その生活パターンは、正直今でも変わってません。俳優になってからも、大変な仕事に入っているときほど、“これが終わったらあのマンガが読めるから、頑張ろう!”と自分を鼓舞する毎日です(笑)。映画『糸』の撮影でシンガポールに滞在していたときも、息抜きはマンガでした。基本は紙のコミックス派ですが、ロケ先ではアプリや電子書籍で読んでいます」
高杉さんにとって、マンガを読むこと、その意味とはいったい何なのか。
「マンガのなかに、僕の世界があるというか・・・。マンガを読むことでその世界に潜り込み、普段の生活では出合えない経験をしたり、知らない感情を学んだり・・・。あと、キャラクターのことを想像しながら読むのが好きで、例えばちょっとしたセリフや仕草に、“そのキャラっぽさ“を発見することが楽しい(笑)。そこは、俳優として自分が演じるキャラクターを理解する際、大きな助けになってると思います。
あと、この仕事を始めた頃、取材のとき、カメラの前にどう立ったらいいのかわからなかったんですが、マンガの表紙のキャラのポーズを真似たりしてたんです(笑)。マンガ家の人がカッコいいって思って描いてるポーズなんだから、カッコいいに違いないって思って(笑)。かなり勉強になりました」
いつか自分のコレクションを使い、叶えたい夢があります
最近のお気に入りのなかで、GINGER読者におすすめを挙げてもらった。
「『ピアノの森』! 僕、何か一芸を極めるために頑張る熱いストーリーが好きなんですが、これはまさにそういうマンガです。貧しい男の子が、森に捨てられたピアノとともに成長する物語で、まるで音が聞こえてくるようなコマ割りが素晴らしい。熱いですが重いストーリーではないので、読んでくれたらきっと癒やされると思います」
現在家には1500冊以上の単行本が並んでお り、毎月20冊は新作を購入しているそう。そんな高杉さんには夢があるそうで・・・。
「いつか部屋を、“自分のためだけのマンガ喫茶”にしたくて、そのために好きなマンガを単行本で揃えてるんです。でももはや棚に入り切らないので、ちょっとどうにかしないと・・・。“整理しなきゃ”と思って片付けたりするんですが、探していたマンガを発見したりすると、結局読みふけって1日が終わる・・・みたいなことがよく起こる(笑)。困ったもんだと思いながら、実は至福の時間です」
高杉真宙(たかすぎまひろ)
1996年7月4日生まれ、福岡県出身。ドラマや映画などを中心に活躍中。中島みゆきさんの名曲をモチーフにした映画『糸』に出演(東宝系、近日公開)。