自分の弱さを自覚できても、それを認めて、さらに表に出すのはハードルが高いもの。でも、それをするからこそ強くなれる、と言うのは松岡修造さん。
著書『弱さをさらけだす勇気』(講談社)で語った、一流アスリ ートや自身の経験に基づく“心の弱さとの向き合い方”を、GINGER読者のために改めてレクチャーしていただきました!
仕事のシーンで思わず弱さが露呈しがちなケース別、「さらけ出す」コツとは?
【CASE 1】難しい仕事があると、つい妥協
難しい仕事であればあるほど、慎重にもなるし、進めるのに時間がかかるもの。もうこれくらいでいいかな・・・と諦めそうになったり、そんな自分に嫌気がさしたり、悶々(もんもん)としている人も多いのでは?
松岡さん「妥協=弱さじゃない!自分が納得できれば◎」
「1から10まで、全部に全力投球は所詮無理な話。仕事はさまざまな要素で成り立っていて、努力ではどうにもならないこともありますよね。そんなとき僕は無理をしません。ただ、自分の選択には責任を持たなくちゃダメ。どこまでやるかを自分で考え、妥協で生じるマイナスまで受け止められるなら、それもアリだと思います」
【CASE 2】頑張っている姿を見せたくない
昭和型な働き方や人間関係を苦手とする、今どきの20代女子に多いのがこのタイプ。積極的に行動するのはなんだかクールじゃない・・・と思ってしまうこと、ありませんか?
松岡さん「アピールしようと思ってするのは╳だけど・・・」
「個人的には、クールな振る舞いも悪いことじゃないと思います。アスリートを応援したくなるのは、彼らが無我夢中で頑張っているからであって、“頑張ってるんです!!”とアピールしているからではないですよね。あなたも人の目を気にせず、ただ夢中で行動すればいい。頑張りは、見せようと思って見せるものではありません」
【CASE 3】失敗が怖くて、新しい提案ができない
与えられた仕事をこなすだけでなく、自ら気づいたことを提案する・・・それが大事だとわかっていても、失敗するかも、人に嫌がられるかもと思うとなかなか行動できないもの。
松岡さん「提案に失敗は付きもの。たくさん出してこそ!」
「僕はものすごくたくさんのアイデアを提案するほうで、なかには“意味がわからない!”と言われるようなものも(笑)。それでもいい。だってそもそも新しい提案って、通らない、あるいは失敗して当然ですから。99個はNOと言われても、ひとつ採用&成功があればいい。そう思って、怖がらずにどんどん出していきましょう」
妥協もOK! 失敗もOK! そこから学ぶことがあるというのが松岡さん流の考え方。似たシチュエーションの経験がある人は、少し気が楽になったのでは? ぜひ参考にしてくださいね。
『弱さをさらけだす勇気』
松岡修造 著/講談社
スポーツキャスターとしてさまざまなアスリートを取材したエピソードや、自身の経験を通し、“心の弱さといかに向かい合うか”を考え、分析した著作。悩み、つまずいたときに参考になるヒントが満載。