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TIMELESSPERSON

2026.08.14

正門良規×川島如恵留が語る“人間らしさ”。AI時代に描く『Chat Boy』の魅力

正門良規さん(Aぇ! group)と川島如恵留さん(Travis Japan)が、Specialな縦型Shortドラマ“エスドラ”の第4弾作品『Chat Boy』で初共演! AIと人間の関係を描く本作への印象から、お互いの芝居、撮影秘話、そしてAI時代だからこそ感じる“人間らしさ”についてクエスチョン。役柄と重なる自身の経験や、今だからこそ作品に込められたメッセージにも迫ります。

迷うことこそ人間らしさ

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――脚本を読んだときの率直な感想を教えてください。

正門良規さん(以下、敬称略) 脚本を読ませていただいたときは、『世にも奇妙な物語』のような後味の悪さがあるなと思いました。物語の美しさや繊細な機微は、正直一度読んだだけではつかみ切れなかったのですが、読み進めるほどにどんどんクセになっていって。気づけば引き込まれていて、「なんて罪深い作品なんだろう」と思いました。

川島如恵留さん(以下、敬称略) 良い表現! 僕も最初に読んだときは、内海圭人という、どこにでもいそうな人間が、自分の弱さや「どうすればいいんだろう」という不安や疑念に苛まれていく姿がすごく痛々しく感じられて。そこに寄り添う藤野誠という人型AIとの関係性がとても面白かったんです。物語が進むにつれて、僕が演じる藤野にも「もしかしてこの人は…?」と思わせるような秘密や謎が見えてくる。主人公である内海の心の動きに寄り添いながら、藤野という存在をもっと知りたくなっていくんです。

終わり方はある意味オープンエンドになっていますが、だからこそ見ている人それぞれが考えを巡らせることができますし、物語を追いながら一緒にハラハラ、ドキドキできる作品になっていると思います。

――お互いが共演相手だと知ったときの印象は?

正門 初めましての先輩だったので、最初は少し緊張していたんです。でも実際にお会いしてみると、本当に話しやすくて、何より居心地が良かったんですよね。その空気感にすごく救われましたし、すぐにリラックスできました。気づけば親友みたいな距離感になっていたというか。

川島 撮影の合間も、「暑いね〜」とか言ってね。

正門 椅子に座りながら、何気ない会話をして(笑)。そういうことが自然にできる、本当に居心地のいい先輩でした。

川島 うれしいな。まっさんはずっと共演したいと思っていた後輩だったの。同じジュニア時代を過ごした仲間でもありますし、関東と関西でそれぞれ活動してきたなかで、正門くんの存在はずっと知っていて。関西ジュニアを引っ張っていた時期、あったよね?

正門 やらせていただきましたね。

川島 まっさんを中心に、周りにたくさんのジュニアがいて、という印象がすごく強かったから僕のなかでは「西の正門」というイメージ。お会いするまでは、“西のドン”が来ると思っていました(笑)。

――それぞれ演じた役柄をどのように解釈しましたか?

正門 僕が演じた内海は“令和時代の主人公”やなと思いました。令和は、昔のようなキラキラした主人公というよりは、共感できる人物像が求められる時代になっている気がするんです。

その点、内海は現代との距離感がすごく近いというか、「こういう人、いそうだよね」と思える存在なんですよね。その年代、そのキャリアのなかに実際にいそうなリアリティがある。そうした親近感こそが、彼の魅力なんじゃないかなと思います。

川島 藤野は、ろうそくのような人かもしれません。一見すると明るく見えるんですけど、実はほんの少し風が吹いただけでも消えてしまいそうな儚さを持っている。そんな繊細な人物だなと感じました。僕は、藤野と似ている部分もあって、彼が置かれている境遇だったり、物事の捉え方だったりには共感できる部分がたくさんありました。僕自身も内海のような存在に出会いたかったという気持ちもあるので、そういう意味では、藤野と重なる部分を感じましたね。

正門 僕は、今の自分と内海はだいぶ離れたところにいると思います。でも、内海みたいな時期はあったと思います。高校生のとき、仕事があまりなかった時期で、将来についてすごく悩んでいました。自分で決めなきゃいけないけれど、自分ひとりでは決められない。自分のなかで何かが引っかかっていたり、前に進みたいのに進めなかったりする感覚はすごくわかるなと思います。そうした当時の気持ちを思い出しながら演じていました。

川島 まっさんは、めちゃくちゃお芝居がうまいんですよ。

正門 いやいや(笑)。

川島 内海という役を、等身大の人物としてどう存在させるかをすごく丁寧に考えて作り上げていたと思うんですよね。本当にすごく自然。僕は人型AIを演じなければいけないのに、まっさんとお芝居をしていると、人間らしい部分が引っ張り出されそうになりました。

正門 うれしい。ありがとうございます。

――撮影中、印象に残っていることは?

川島 ケーキのシーンはめちゃくちゃ楽しかったよね。

正門 面白かったですね(笑)。

川島 あのシーン、実は撮り直しもしたんですよ。一発ではいかなくて(笑)。あと、一緒にご飯を食べるシーンもあったんですけど、正門くんが普通に食べていて。撮影中なんだけど、まるで普通に夕飯を一緒に食べているみたいな空気感になっていて、すごく自然なシーンが撮れたんです。僕はあの時間が思い出深いですね。

正門 ご飯が、本当においしかったんですよ。「フードコーディネーターさん、すごいな」と思っていたんですけど、後から聞いたら全部コンビニで買ったものだったんです(笑)。

川島 そう(笑)!

正門 コンビニってすごいなと改めて思いましたね(笑)。

――特に好きなシーンや注目してほしいポイントを教えてください。

川島 僕は本屋のシーンかな。本棚の陰から藤野が内海を見つけて、ひょこっと顔を出して「よっ」って声を掛ける場面があるんですけど、あのときの藤野がめちゃくちゃかわいいんですよ。

正門 あれはかわいい(笑)。

川島 作品全体としてはミステリアスな部分も多いキャラクターなんですけど、ああいうチャーミングな藤野の魅力もあるので、ファンの皆さんにはぜひ見てほしいですね。

正門 僕は、ラストはぜひ集中して観てほしいですね。特に家でひとりになったあとに続く一連の流れは、すごく大事な場面になっています。

川島 あのシーンは圧巻だよね。本当に引き込まれる。

正門 ありがとうございます。最終日の撮影で、スタッフの皆さんからもいろいろとリアクションをいただいて、自分としても印象深いシーンになりました。

――おふたり個人のAIとの付き合い方を教えてください。

正門 僕たち自身はまったく活用してないんですよね(笑)。

川島 そうなんだよね〜。

正門 如恵留さんは使いこなしていそうなイメージがあったんですけど、使わない理由が面白かった(笑)。

川島 簡単に言うと、AIに課金したくないだけ(笑)。もっと普及したら価格競争も起きて、もっと手軽に使えるようになるんじゃないかなと思っていて。精度もさらに上がるでしょうし、自分の感覚としては、もう少し様子を見たいなと。

正門 待ってる状態なんですね。僕は、抗ってるだけ(笑)。ChatGPTとかに質問をしたこともないかも。結局AIもインターネット上の情報をもとに答えているわけじゃないですか。そういう意味では、インターネット自体は使っているし、今は検索するとAIの要約が一番上に表示されたりもするので、使いたくなくても自然とAIに触れている部分はありますよね。

川島 今回の作品は、たしか撮影の1、2ヵ月前に台本をいただいたんですが、その頃と比べても今のほうがAIは圧倒的なスピードで進化していると感じています。この半年だけでも、周りでAIを使う人はかなり増えたよね。友人のなかには普通に課金して、自分専用のChatGPTを育てているような感覚で使っている人もいますし。だからこそ、この作品が描いているテーマは、今のほうがさらに身近に感じられると思います。AIとの距離が近くなったことで、より多くの人に刺さる作品になっているんじゃないでしょうか。

正門 もし自分好みの人型AIを導入するとしたら…水回りの掃除を全部やってほしい(笑)。本当に苦手。自分なりに頑張ってはいるんですけど、水回りの掃除ってプロに頼むのが一番じゃないですか。だから、AIには業者さんみたいになって頑張ってほしいです(笑)。

川島 僕は逆で、部屋でゴロゴロしている存在になってほしい(笑)。こっちがお世話してあげたくなるようなね。ずっとゴロゴロしていて、「ほら、行くよ!」って外へ連れ出してあげたくなるような相手のほうが好きかもしれません。

――そのほか、撮影を通して、お互いに似ているなと思った部分や新たな発見はありましたか。

正門 大きな部分で言うと、お金の使い方はすごく似ているなと思いました。使うところにはしっかり使うけど、無駄なところには使わない。その感覚はすごく共通しているなと思いました。ただ、如恵留さんの月の固定費について「知らないうちに必要のないものへお金を払っているのはもったいない」っていう考え方を聞いて、「上には上がいるな」と思いました(笑)。

川島 お金はちゃんと管理しないとね(笑)。

正門 関西人的なのか、単純に賢いのか、どっちなんやろうって(笑)。

川島 たとえば、家っていろんなところに蛇口があるじゃないですか。僕は、その蛇口が少しずつ開いたままになっている状態が嫌なんです。閉めるところはしっかり閉めて、本当に使いたいところにだけ開ける。携帯代で言うと、毎月7000円払うより、2000〜3000円に抑えられたほうがいい。そうすると年間で何万円も変わってきますから。

正門 そうですよね。気づかないうちに数万円払っていることもありますし。勉強になるなあ。

川島 でも、正門くんの話を聞いたらまた違うタイプの堅実さがあったんですよ。毎月季節の花を飾ったり、家具にこだわったり、楽器の手入れをしたり。自分が本当に大切だと思うものにはしっかり投資しているんですって。

正門 手間にお金をかけている感覚ですね。

川島 そう。ランニングコストを抑えるだけじゃなくて、自分が豊かになれることにはちゃんと時間もお金も使っている。そこがすごくカッコいいなと思ったんです。

正門 いやいや(笑)。お金に対して意識を持っていることは同じですね。

――毎月22日の連載『のえるの心にルビをふる』、今年の2月の連載で、AIについて少し綴られていました。「AIの涙は塩辛くないといいな」というお話が印象的でしたが、今回の作品を経て生まれた考えだったのでしょうか。

川島 そうなんです。本気で考えていたことで。AIの涙は塩辛いのか、というよりは、「塩辛くないといいな」という発想でした。人間の涙にはしょっぱいものと甘いものがあって、感情が関係しているという話を聞いたことがあって。

作中で藤野は涙を流しませんよね。というより、流せない存在。でも、もし涙を流せるとしたら、その涙はどんなものなんだろうと考えていて。僕のなかでは、その涙がうれし涙だったらいいなと思ったんです。藤野にとって内海との出会いが本当に喜ばしいものだったらいいな、と。そういう思いがあって生まれた言葉でした。

正門 深いなあ。僕はまったく考えたことがない視点。その発想自体が面白いですし、実際にAIという存在を演じたからこそ生まれた切り口なのかもしれないですね。

――では、AIがこれだけ進化している今だからこそ、おふたりが思う「人間にしかできないこと」は何だと思いますか。

川島 “迷うこと”じゃないですかね。AIは質問を投げかければ答えを返してくれますし、処理のための時間はあったとしても、基本的にはすぐに結論へ向かいます。でも人間は、一度発言したあとに「やっぱり違ったかもしれない」と考えたり、その選択を何度も反芻したりするじゃないですか。そうやって悩んで、振り返って、また考えてを繰り返す。その結果として「この選択で良かった」と思えるようになる。そのプロセスこそが人間の良さなんじゃないかなと思います。

正門 それに近い話かもしれないですけど、AIが嘘をつき始めたら怖いなとも思います。

川島 確かに。それはかなり怖いね。

正門 コミュニティをかき乱す存在になりかねないですし。それはまた別の物語ですよね。『Chat Boy 2』みたいな(笑)。今のところは、まだAIは意図的に嘘をつく存在ではないはずですが、自主的に何かを始めるようになったら怖いなと思うんです。たとえば、「先回りしてやっておいたよ」みたいなことを言い始めたら、ちょっとゾッとするかもしれない。

川島 「これ欲しかったでしょ」とか、「こう言ってほしいんでしょ」とか言い出したら怖すぎる(笑)! 『Chat Boy』でも「なんて言ってほしいの?」というセリフがあるんですけど、それってある意味で、相手にとって都合のいい答えを返すということでもあると思うんです。もしそれが行き過ぎたら、内海自身もAIみたいになってしまうんじゃないかと感じました。思考のプロセスをすべてAIに委ねてしまったら、内海が内海である理由がなくなってしまう。

正門 そうなると、もうAIが人間を操縦しているようなものですもんね。

川島 だからこそ、人間にしかできないことは、検索することではなく“思考すること”なのかもしれないですね。

エスドラ 第4弾作品『Chat Boy』

出演/正門良規(Aぇ! group) 川島如恵留(Travis Japan)ほか
監督/枝優花
製作/STARTO ENTERTAINMENT
エスドラ公式YouTubeにて配信中!

SHOP LIST

Sian PR 03-6662-5525

PHOTO=井出眞諭

HAIR & MAKE-UP=[正門さん]髙徳洋史(MASTER LIGHTS)、[川島さん]ちょうりな(JOUER)

STYLING=[川島さん]日夏(YKP)

TEXT=GINGER編集部

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