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TIMELESSPERSON

2026.03.22

西野七瀬が寄り添った“親子の距離”。映画『90メートル』が映す愛の証

将来に向き合おうとする息子と、病を抱えながらも変わらず我が子を想い続ける母。人生の大きな節目に立つふたりが抱えるのは、愛しているからこそ生まれる、すれ違いと葛藤。そんな“親子の距離”にそっと光を当てる映画『90メートル』が、3月27日(金)より公開される。揺れる親子の間で、静かに、そして確かに寄り添うケアマネジャーを演じたのが西野七瀬さん。ここでは、その役に込めた想いや撮影の裏側を聞いた。

親子の岐路を支える人

©2026 映画『90メートル』製作委員会

――出演に至るまでの経緯を教えてください。

以前、映画『少年と犬』でご一緒したプロデューサーさんから「この役を絶対にやってほしい」と声をかけていただいたんです。まずその言葉がすごく嬉しくて、脚本をいただいて読んでみたら、これまでの自分の人生では触れたことのないテーマで。「知りたい」「もっと理解したい」という純粋な興味が湧きました。

――西野さんが今回演じたのは、シングルマザーで難病を患っている美咲(役/菅野美穂さん)を支えるケアマネジャー・下村香織です。ケアマネジャーというお仕事をどのように自分のなかに落とし込んでいきましたか?

恥ずかしながら、私は最初、利用者さんとヘルパーさんをつなぐ“ケアマネジャー”という仕事をよく知らなかったんです。だから映像や資料をいただいて、まずは基礎から勉強しました。YouTubeで調べてみると、「ケアマネジャーの一日」という動画などがたくさん出てきて、とにかく片っ端から見ました。試験対策の動画には「今度こういう試験を受けます」というコメントがあって、どんなきっかけでこの仕事を目指したんだろう、と興味がどんどん湧いていきました。

知れば知るほど、ケアマネジャーさんの仕事は本当に幅広いんですよね。訪問だけじゃなく、事務作業も多いし、ひとりの方が複数の利用者さんを担当していたり。利用者さんの生活を支えるために、いろんな職種の人と連携しながら動いていることも知りました。

そうした背景を理解していくうちに、「これは本当に尊敬すべき仕事だな」と強く感じるようになりました。目の前の人の生活に寄り添いながら、時には家族のように、時には専門職として冷静に判断する。そのバランスを保ちながら働く姿に、心から尊敬の念を抱きました。

――日に日に身体の自由を失っていく母、その看病のために自身の夢や希望を諦めかける息子。揺れ動く親子の間にいるのが香織という存在です。どんな部分に魅力を感じましたか?

ケアマネジャーさんは、自分の本音がどうであっても、それを利用者さんの前に出さないようにしている気がするんです。それは、ある種の“暗黙のルール”みたいなものなのかな、と感じていて。

香織も、本当は「こうしてほしい」と思うことがあったかもしれないけれど、それを表に出さずに接していたんだろうなと思うんです。美咲さん(役/菅野美穂さん)との関係が軸にありつつ、その家族である佑(たすく 役/山時聡真さん)くんとの距離感や接し方も、本当に絶妙で。ケアマネジャーさんって、踏み込みすぎてもいけないし、離れすぎても信頼関係が築けない。

だから、訪問するときは毎回、その距離感をすごく丁寧に考えていたんじゃないかな、と想像していました。相手の気持ちを尊重しながら寄り添う。そのバランスを大切にしていたように感じます。

――美咲に対する接し方、佑に対する接し方…ある意味ふたつの顔があるともいえますよね。

関わり方には少しずつ違いがあったかもしれないけれど、ケアマネジャーとして大切にしていたのは、家族にできるだけ負担がかからないようにすること。どうしたらその家庭が少しでも楽になるのか、いつも様子を見ながら考えていました。

特に高校生の佑くんにとって、介護の時間をどれだけ担うべきなのかは、とても繊細な問題だと思うんです。本人の意思もあるし、でも同時に“自分の時間を大切にしてほしい年齢”でもある。だからこそ、どうにか彼が自分の時間を持てるように、裏側で調整したり、動いたりしているキャラクターでした。

――お仕事としての側面もあるけれど、やっぱり情もある。その“出し加減”が、さっきおっしゃっていた距離感につながるんでしょうか。

そうですね。情は絶対にあると思います。たくさんの利用者さんを担当しているとはいえ、一つひとつの家庭と向き合っていると、「この子にはもっと自分の時間を持ってほしいな」と思ってしまうこともあるはずなんです。でも、その気持ちをどう扱うかが、ケアマネジャーとしての距離感なのかなと思いました。

©2026 映画『90メートル』製作委員会

――美咲を演じた菅野美穂さんの印象や、一緒にお芝居をして感じたことがあれば教えてください。

まず、病気の症状の表現が本当に素晴らしくて、“患者さんそのもの”にしか見えなかったです。シーンによっては、目の前の美咲さんに引き込まれすぎて、自分が演じていることを忘れそうになる瞬間もありました。でも、空き時間になるとすごく明るくて、気さくに雑談してくださるんです。そのギャップがまた魅力的で。

――どんなお話をされていたのでしょうか?

「よくその年齢で結婚を決断したね」みたいな(笑)。結婚のタイミングって、世代によって早い・遅いの感覚が違うじゃないですか。そういう話題で盛り上がったり。あと、「菅野さんのときはどうだったんですか?」みたいな話を聞かせてもらったりもして…すごく温かい時間でした。

――親子愛にフォーカスを当てた作品ですが、西野さんのご両親はどんな方ですか?

母は、とにかく心配性でした。「何でも報告してほしい」みたいな雰囲気があって、どんな友達がいるのかとか、細かいことまで全部知りたがるタイプでしたね(笑)。当時の私は「なんで言わなきゃいけないの、関係ないじゃん」と思っていたんですけど、今振り返ると全部“親心”だったんだなって思います。

父は…めっちゃ変なんですよ(笑)。ある年齢になってから、親を“絶対的な存在”じゃなくて、“ひとりの人間”として見られるようになった瞬間があって。そのときに父の顔をちゃんと見たら、なんかもう面白くて。親の顔をまじまじ見ることってあんまりないじゃないですか。最近も、一緒にご飯を食べに行ったときにふと父の顔を見たら、「この人、めっちゃ面白い人間だな」って思ってしまって。父のことはつい動画とか写真をこっそり撮っちゃうくらいツボなんです、私のなかで(笑)。

――そんなご両親と喧嘩したことはありますか?

ほとんどないです。私、口喧嘩が本当に苦手で、言い合いになることがほぼなくて。怒られていても私は一言も返さず、ずっと“だんまり”を続けます(笑)。終わるのを待つタイプでした(笑)。

©2026 映画『90メートル』製作委員会

――これまでの俳優活動を振り返って、特に印象に残っている作品はなんですか?

『みんな我が子』という舞台は、すごく印象に残っています。舞台経験が多くないなかで、まず“声の大きさ”に苦戦しました。マイクをつけず、足元のフットマイクだけで拾う形式だったので、舞台ならではの発声が全然わからなくて。背中を向けてセリフを言う場面もあって、「どうやって声を届ければいいんだ…」と(笑)。

でも、ボイストレーナーの方に指導していただいて、なんとか乗り越えられたんです。その経験で、声のボリュームの調整ができるようになったり、発声の仕方が変わったり、自分のなかで“開けた”感覚がありました。映像だとマイクが近くにあるので、芝居の大きさ自体全然違うんですが、舞台を経験したことで、表現の幅を知れたのは大きかったと思います。

――前のお仕事のご縁が今回につながったというお話でしたが、俳優としてステップアップしている実感はありますか?

やっぱり、一度ご一緒した方から「またお願いしたい」と声をかけていただけるのが、いちばん幸せなことですね。これは夫ともよく話すんですけど、その喜びは超えられないです。最初は“はじめまして”でご一緒した方に、その作品や役柄を記憶していただけて、次の企画で「あの人」と思いだしてもらえることは、本当に嬉しいことだなと思います。

【3月27日(金)公開!】映画『90メートル』

©2026 映画『90メートル』製作委員会

出演/山時聡真、菅野美穂、西野七瀬、南琴奈、田中偉登
監督・脚本/中川駿
主題歌/大森元貴「0.2mm」(ユニバーサル ミュージック / EMI Records)
配給/クロックワークス
movie90m.com
X @movie90m
TikTok @movie90m

西野七瀬(にしのななせ)
1994年5月25日生まれ、大阪府出身。2011年に乃木坂46の第1期生オーディションに合格し、デビュー。中心メンバーとして活躍し、2018年末に同グループを卒業。以降、俳優として数々の作品に出演。映画『孤狼の血 LEVEL2』(21)では、日本アカデミー賞優秀助演女優賞および新人俳優賞を受賞し、『恋は光』(22)でヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。近年の主な出演作にドラマ「ケンシロウによろしく」(23)、「1122 いいふうふ」(24)、「未来のムスコ」(26)、映画『シン・仮面ライダー』(23)、『帰ってきた あぶない刑事』(24)、W主演を務めた『少年と犬』(25)などがある。待機作に映画『免許返納!?』(26)がある。
X @nanase_andstaff
Instagram @nishino.nanase.official

TEXT=GINGER編集部

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