キレイになるためには気持ちのメンテナンス、意識革命も重要。業界で絶大な信頼を集める美容ジャーナリスト齋藤薫さんが、独自の視点で「いい女」に近づくためのヒントをお届け。
謙虚な心で観るべき“歴史上最も美しい女たちを見る映画”
歴史上、女性が最も美しかった時代はいつか?と言うならズバリ1950年代1960年代。そんな昔の人たちに、現代の女が負けちゃうってどういうこと? 確かに肌の若さ、見た目印象の若さなら、今にかなう時代なんてない。でも女性らしい優雅な美しさから言ったら、この時代には到底かなわない。オードリー・ヘプバーンやマリリン・モンロー、ブリジット・バルドー……いや当時、美しさで名を馳せた女優をあげたらキリがないほど。
モードでもディオールが一世を風靡、シャネルスーツが生まれていて、要はこの頃、現在につながるモードも女性美も一気に完成を見たと考えていい。クラシック音楽も100年前に完全に成熟してから先は、崩していくしかなく、「現代音楽」が作られるも、結局今もみんな200年300年前の音楽こそ最も美しいと繰り返し聴いている。多くのものは完成した時が1番美しいとも言えるのだ。
その証として観て欲しい映画がある。『ロシュフォールの恋人たち』。フランスのミュージカルでラ・ラ・ランドのヒントとなった1本。当時世界一の美女と謳われたカトリーヌ・ドヌーヴと実姉(その後事故死)が双子のヒロインを演じ、それぞれの運命の人との出会いを描いているが、2人の美しさに目を見張り、ファッションの素晴らしさに息を呑むだろう。音楽も背景も奇跡的な美しさ。過去の女性を謙虚に讃えることで、美しいってどういうことなのか、自らの美意識を磨き込み純化できるはず。キレイもまさに温故知新。見るだけであなたのステージが1段上がるはずだから。
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