キレイになるためには外側からのケアだけではなく、気持ちのメンテナンス、意識革命も重要です。
美容業界でも絶大な信頼を集める美容ジャーナリスト齋藤 薫さんが、独自の視点で「いい女」に近づくためのヒントをお届けします。
マスクだらけの街で改めて気付かされた
それでも美人って誰なのか?
街中も駅も、ともかくマスクだらけの世の中を見て思った。少々不謹慎ながら、これではどんなメイクをしていても、どんなオシャレをしていても、なんだか虚しい。皆大なり小なり、同じ虚しさを感じたはずなのだ。
もうこういう事態になったら、正直美容も何もない。美容メディアは早速、マスクをつけていてもキレイに見えるアイメイクなどを提案しているけれど、何かもうそういうことではない。もちろん、ピンクだのアースカラーだのと、どんな色のマスクをするかでもない。こういう特殊な状況になると、美しさの定義も変えざるを得ないのではないかと思うほど。
じゃあ、マスクをしていても存在が光る人とは、一体何が違うのか。そう、マスクだらけの街中でもちゃんと目を引く人っているものなのだ。口元を隠すと皆当然のように暗く覇気のない印象になるものだが、それでもはつらつとした印象の人がいる。
どうしても淀んだ印象になりがちなのに、体の中がキレイそうな人っている。姿勢が良いのに加え、体の中から生き生きとした生命感が溢れ出てくるのが目に見えるからだろう。キビキビした身のこなし、周囲への気遣い、そして気持ちの前向きさ、そういうものがあれば、マスク付きでも素敵な人に見えるのだ。ナースのマスク姿は必ず美しく見えるように。
それにしても口元を隠しただけで人間いかに個性が失われるのか、口元の大切さに改めて気付かされるのと同時に、その個性の肝を隠しても、溢れ出る魅力というものがあることを思い知らされた。