性に関する悩みは昔に比べればオープンに話せるようになったとはいえ、なかなか気軽に相談しづらいもの。そんなセックスに関するモヤモヤやお悩みについて、小説家のLiLyさん、AV男優の一徹さん、産婦人科医の宋美玄さんがズバッと解決！ 前回に引き続き、全6つのお悩みのうち、今回は後半の3つをご紹介。
男性機能の低下は女性のせいではない。女としての魅力がないと傷つく必要なし by 宋美玄
●お悩み4
「レスではないのですが、彼がセックスの途中で離脱してしまいます…。中断後、そそくさと別室でひとりでしようとする彼の姿を見ると、女としてのプライドが傷付きます。いつも同じ場所で同じ手順で同じ感覚…マンネリって避けられないの？」（28歳未婚・メーカー勤務）
宋美玄さん この相談は、相談者さんのことを思うと聞いているだけで胸が痛むね…。これってマンネリというよりも、膣内射精障害や男性機能の低下が問題だと思う。彼女のせいではないから、傷つく必要はないと伝えてあげたい。
一徹さん 膣内射精障害の場合は、バイアグラとかじゃどうにもならないんだよね。彼は一度、病院を受診してほしいね。
LiLyさん 彼女は傷ついていると思うけど、「セックスの途中で萎えちゃう自分」に彼も同じくらい傷ついているかもしれない。
一徹さん 確かに。そそくさと別室に行って自慰しちゃうのって、そんな姿を見られたくないという思いもあるのかもね。
宋美玄さん 最後までできなかったとしても、会話やスキンシップでコミュニケーションをとってほしいよね。これは自論なんだけど、セックスには人格が出ると思っていて（笑）。離脱したとしても彼が優しく髪を撫でてくれたら、この彼女もこんなに悲しい気持ちにならなかったのかな。
LiLyさん 問題を逆手にとって、「自慰しているところを見せて♡」ってお願いしたりするエッチな歩み寄りも前進に繋がるかも。
タイミングはいつでもいい。期間や回数に囚われすぎないで by 一徹
●お悩み5
「いい感じの彼といつ体の関係になればいいか、タイミングが知りたいです。彼とは将来を見据えたお付き合いができたらと考えており、アラサーだからこそ慎重になってしまいます。一度限りの体の関係にならないようにするにはどうすれば良いでしょうか。自分の体やテクニックにも自信がありません」（29歳未婚・事務職）
一徹さん 魅力的な男性の場合、タイミングを探っている間にほかの女性と結ばれてしまう可能性もあると思うんです。僕の場合、そうなるくらいなら期間や回数に囚われず、体から始まる関係でもいいのでは？と思うタイプ。
宋美玄さん この彼女の場合、「失敗したくない」という気持ちが恐らく強すぎるんだよね。年齢的に慎重になってしまうのは理解できるし、プラトニックな時期を楽しみたい気持ちもわかる（笑）。
LiLyさん 私の小説『BAD SEX』のなかに、セックスの途中に付き合いの了承を取る話があって…（笑）。ぜひ、参考にしてみてください（笑）。本能のままに行動して、たとえ一度限りの関係になってしまったとしても、「自分も楽しんだし、お互い楽しんだ。でもご縁がなかった」と思えれば気持ちも楽だよね。
一徹さん 僕は迷っている間に何もないまま終わってしまい、幸せな時間を過ごせるチャンスを逃すほうが悲惨だと思っちゃうから、自分の気持ちに素直になって欲しいな。
自分のプレジャーを知ってこそ、「自分の気持ちいい」を相手にも伝えられるはず by LiLy
●お悩み6
「セックスが気持ち良くないと思うときがあります。彼のやり方がちょっと激しすぎたりして痛いことも…。ただ、正直には言えず、いつも演技をしてしまいます。どうすればお互い気持ち良くなれるでしょうか？」（32歳未婚・コンサル勤務）
一徹さん 僕も経験があるんだけど、痛みに身をよじっている姿が、相手からは快楽で身をよじっていると見えることもあるみたい…（笑）。
宋美玄さん その話、詳しく聞きたくなっちゃう（笑）。この人は演技までしているし、彼は彼でセックスに夢中で相談者さんの変化に気付く余裕がないのかもね。男性向けのAVの影響で「激しいのがいい」というファンタジーがある可能性もありそう。
LiLyさん 相談者さんは「痛い」と思っても「ムードをこわしてしまう」「彼が気を悪くするのでは」という理由で、「いいや、このままで」とかなり空気を読んでいるんだよね。
一徹さん 男側からすると、「自分が良かれと思ってやってきたことが相手にとってはストレスだった」ということが判明するのが後になればなるほど、ショックが大きいかもね。
宋美玄さん 「気持ち良くない」「痛い」のは自分の体がおかしいせいだと思ってしまう人もいるけど、人の体はそれぞれ違うし、サイズや相性の問題もあるから、自分が劣っていると思う必要はないということは伝えたい。
LiLyさん 自分の「気持ちいい」がわからないと、相手に対してのフィードバックが「これは気持ち良くない」「これは痛い」というネガティブなものだけになってしまうと思うの。セルフプレジャーを通じて「自分はこれが気持ちいい」がわかれば、どうしてほしいかを伝えられるので、パートナーとの関係も変わってくるはず。
一徹さん もっと自分が気持ち良くなってもいいし、それを相手に伝えてもいいんじゃないかな。ふたりで気持ち良くなることは素晴らしいことだと思うし、お互いが満足できるセックスができたら理想的だと思うから。
LiLy（りりー）
作家。25歳のときに『おとこのつうしんぼ 平成の東京、20代の男と女、恋愛とSEX』（講談社）でデビューし、女性の圧倒的支持を得る。ドラマ『30までにうるさくて』『恋仲』などの脚本協力も担当。最新刊は、『オトナ白書』（宝島社）。
Instagram @lilylilylilycom
一徹（いってつ）
女性向けAVレーベル「RINGTREE」主宰。大学卒業後、公認会計士の勉強中にAV男優として活動を開始し、イケメンAV男優として注目を集める。AVレーベル「RINGTREE」を設立し、女性向けアダルトサイト「GIRL’sCH」で配信中。
宋美玄（そんみひょん）
産婦人科専門医。2017年に開院した丸の内の森レディースクリニックの院長として周産期医療に従事する傍ら、メディアを通じて情報発信を行う。『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』（ブックマン社）など著書多数。
