政治アイドルの町田彩夏さんが、読者アンケートで寄せられた、選挙にまつわる素朴な疑問に緊急回答。ぜひ投票の参考に!
Q. 政治のことはよくわからないし、忙しくてじっくり考える暇もありません。こんな私でも投票していいのでしょうか?
A. 後悔しに、投票へ行きましょう。
どっちみち捨てるくらいなら、誰かに投票したほうが絶対にいいと思います。
なぜなら、ただ棄権するよりもきっと後悔するから。「もう少しよく考えてから投票したかったな」と後悔が残るまま投票用紙に記入したり、自分の投票した候補者が自分自身と相入れない価値観や主張を持っていたことに後から気づいたり、いずれにせよ、悔しかったり残念だったり、そういうマイナスの感情が、自分を振り返るきっかけになると思います。
これは私の持論だけれど、後悔したとき、反省したときにこそ、人は変われると思うんですよね。「忙しくてじっくり考えられない」という課題を自分自身がすでに把握しているなら、きっと大丈夫。まずは一票を入れてみて、その結果を受け止めることが、じっくり考えることのスタートになるのではと感じています。
それに、忙しくてじっくり考えられない状況の自分が出す答え、というのも実は結構面白いとも思います。私自身、過去にこんな経験がありました。きっと知らない人はいないであろう、日本の超有名アニメーション作品『風の谷のナウシカ』。小さいころからこの映画が大好きで、ビデオテープのケースがボロボロになるぐらい(時代を感じますね)、何度も観てきました。あるとき『風の谷のナウシカ』には漫画版の原作があることを知り、早速購入して手元に置いて、気が向いたときに読み返していました。
そして、幾度目かの読み直しをしているとき、気づいたのです。実はこの作品ってめちゃくちゃフェミニズムなのでは?ということに。ちょうど私自身、大学院に進学して、ジェンダーやフェミニズムについて専門的に学び始めたころでした。今までは、何の気なしにスルーしてしまっていたセリフや登場人物たちの動き一つひとつが、こんなにもくっきりと鮮明に見えてくるのか!と心臓がドキドキしたことを覚えています。学ぶことが、物の見方や考え方にこんなにも影響を与えるのかと。そして、学ばなければ見えない世界がこんなにも広がっているのか!と。
だから、まずはそのときの自分から見えている世界を元に、投票先を選べばいいと思います。そして、きっとまた数年後にあるだろう選挙で候補者を選ぶときに(参議院議員選挙は2022年にあります、もう来年ですね)、あのときの自分よりももっとたくさんのことが見えるようになったなと感じることができれば、それもいい経験なのではないでしょうか。
きっと今の私にも、見えていないことはたくさんあるんだと思います。数年後に、過去を振り返ったとき、こんなにも私の視野って狭かったんだな〜と気づけるように、毎日ちょっとずつでも何かしらを考えるようにしています。
>>無力感を抱く人へ。あなたが知らない、あなたの一票の意味とは?
町田彩夏(まちだあやか)
1995年生まれ、千葉県出身。高校在学時に18歳選挙権の実現を目指す「Teen’s Rights Movement」を立ち上げ、「女子高校生未来会議」に発起人として携わる。「ミスiD2016」で安藤美冬賞を受賞。現在は都内の大学院でジェンダー論を専攻しながら、政治アイドルとして報道番組への出演やSNSでの発信、講演・執筆など精力的に活動している。若手女性の政治リーダーシップ養成を行う「パリテ・アカデミー」の中級トレーナー。
Twitter @Ayaka_m_y
Instagram @ayaka_m_y