ステイホームを経験し、改めて気付かされた、居心地のよい家づくりの大切さ。そこでセンスがいい人のこだわりの家を大解剖。その人らしいセオリーが隠された三者三様の暮らし方から、理想の家づくりのヒントをリサーチ!
物事の背景に目を配った上質な住まいづくり
都立公園が隣接する閑静な住宅地にあるマンション。ここにホテルや商業施設などのブランディングや、不動産事業を行う、株式会社ハーケン代表・木本梨絵さんが暮らす。部屋数よりも広さで選んだ家のリビングからは、絵画を眺めるように四季折々のパノラマを得られる。
「外の景色が家の中に彩りを与えてくれるので、色数を抑えて落ち着いた雰囲気を意識しています」
仕事柄、全国各地への出張や旅行に出かける機会が多いという木本さん。その体験は家づくりにも反映されている。
「住み始めて1年。暮らしのベースが整い、旅先で良いホテルに宿泊して帰ってきてもがっかりしない住み心地のよい家になりました。今後はアートや写真など、機能的に必ずしも必要ではないけれど、心を豊かにするものを足すのが楽しみです」
洗練から上質な空間へ。木本さんの住まいへの探究は続く。
【間取り】部屋数よりも広さ重視
間取りは1SLDK。自然に近く、広々とした空間を求めていた木本さんの条件にぴったりの部屋。
「ゆとりある空間は生活動線の確保がしやすく快適です」
【エントランス】ホテルのロビーを意識
〈左〉7.4畳の開放的なエントランス。カリモク家具で購入したハイスツールはディスプレイ台として活用。
「ホテルのロビーのように大きな木や枝物を飾るのが小さな野望。広い空間でないとできないことをしてみたいです」
〈右〉日本草木研究所で手がけたお酒がお出迎え♪
【リビング】物は最小限に
〈左〉家具選びはその物の文脈を知ることから。円卓は友人がデザインした特注品。
〈右〉ホテルのような心地よさを目指し、物を最低限に絞ったリビング。ソファに座って読書をしたり、ラグの上でエクササイズをするのが習慣。
【寝室】色数を抑えたインテリア
1. キングサイズのベッドは高さを出すと空間が狭く見えてしまうので、簀の子を敷いて最低限の高さに抑える工夫を。
2. 部屋の凹みスペースに収まるサイズを、ネットで3ヵ月かけて探した末に出合った奇跡の(!)本棚。
3. 水が容れられる耐水性、防湿性に優れたコクヨのハイスペックなダンボール箱。サイドテーブルとして重宝しているそう。
株式会社ハーケン代表・木本梨絵さん
2020年、株式会社ハーケンを設立。業態開発やイベント、ブランドの企画、アートディレクション、デザインを行う。日本草木研究所共同代表。武蔵野美術大学非常勤講師。