同じメニューでも「どんなふうに」食べるかによって食事の時間がぐっと豊かに。料理がより美味しく見えて様々なシーンで万能に使える器を、フードコーディネーターの黒田祐佳さんがピックアップ。
主役はあくまで料理。食材が引き立つ器を選んで
「料理教室でも家族に出す毎日の食事でも、やっぱり基本は料理が主役。まずは料理をいちばん美味しそうに見せてくれる器、という基準で選びます。グレーはシックだけど食べ物とは合わないのでは?と思うかもしれませんが、実は黒ほど強すぎず、お肉の赤も野菜の緑もくっきり引き立ててくれる働き者です。また深さのないフラットなお皿やリムが狭いお皿は、単品で見るとスタイリッシュでも、汁気のある料理を盛りづらかったり、「額縁」としての役割が果たせなかったりと、難易度が上がります。
器は毎日いろんな料理に使うことでどんどん使いこなせるようになるので、器初心者の方にすすめるときは食洗機OKなど、あまり繊細すぎず扱いやすいことも重視しています。また忙しい朝は、洋食か和食かその方の朝食ライフに合わせて『パン皿+サラダボウル+ヨーグルトカップ』などの朝食セットをおしゃれな器で一式揃えておくと、スピーディにテーブルが決まります」(黒田さん)
まずはこれ!はじめに揃えたい万能選手な器たち
様々なシーンに対応。オールマイティーな一皿
蔵前の「SyuRo」の定番せっ器の皿はあらゆる料理に使える! ディナー皿としてはもちろん、カフェふうにたっぷり盛っても、下皿にしても。実際に盛り付けてみると…
料理によって雰囲気がガラッと変わる。
のせる料理次第で表情が変わる。楽しみが広がる器たち
1. 金沢の九谷焼の小ぶりな長皿は料理の表情を変えてくれる。細長い皿に盛るだけで、いつものメニューがちょっと新鮮に。
2. 二階堂明弘さんの焼締めの深鉢はパスタや取り分け料理に。表情のある鉢はそれだけで存在感があり、使い込むほどに味わいが生まれる。
3. 境知子さんの花形の白皿は副菜やデザートに。立ち上がりがあるので汁気のあるものも盛りやすい。立体感も魅力。
テーブルが一気におしゃれになるこんなアイデアも!
高さ・色・形でバリエーションをプラス
1. 片口の器は、アクセントに。「注ぐもの」にこだわらず小鉢として使って。
2. 岡山の花岡央さんのグラス。色ガラスはテーブルが華やかになる。
3. 二階堂明弘さんの高杯。お菓子や果物を載せて。スペース拡大にも◎。
取り皿には空っぽでも楽しい絵皿がおすすめ
比留間郁美さんの絵皿は、ティータイムやパーティーの会話の種にも。
黒田さんおすすめの器店
1. LIVING MOTIF
東京都港区六本木5-17-1 AXISビル B1F、1F、2F
1F:03-3587-2784 2F:03-3587-2463 B1F:03-5575-8980
https://www.livingmotif.com/
洗練された器を探すならここへ。「デザイン性のある、センスの良い器が揃います」(黒田さん)
2. うつわ祥見 KAMAKURA
神奈川県鎌倉市小町1-6-13 コトブキハウス2F
0467-23-1395
https://utsuwa-shoken.com/
日本の器の美を世界に発信しているお店。「境知子さんの器はこちらで購入。作家との出会いが楽しい」(黒田さん)
黒田祐佳(くろだゆか)
フードコーディネーター。料理教室「fou de FOOD studio」、ガトーショコラオンラインショップ「yucca」主宰。カフェ・レストランの立ち上げやメニュー提案なども手がける。Instagram @yukakrd