美術を面白おかしく、わかりやすく解説する“アートテラー”として活躍するとに~さんによる連載。読者の皆さまからの質問も随時受け付けています! 今回は、アートの飾り方について。
こんばんは。アートテラーのとに~です。先日、講演のお仕事がありまして。おかげさまで満員御礼、自分でいうのもなんですが、トークも大いに盛り上がりました。その終了後、お客さんらが駆け寄ってくださり、「写真撮ってもいいですか?」と一言。「あ、どうぞどうぞ」と、ピースをしてポーズを決めたところ、僕が着ていたシャツだけ撮影されました。講演中、僕の伊藤若冲シャツがずっと気になっていたとのこと。前から後ろから、いろんな角度からシャツの写真を撮って、女性たちは帰っていかれました。僕はピースしていた右手をそっとおろしました。
さて、新年度が始まりましたね。新居での新しい生活が始まったという方も多くいらっしゃることでしょう。そんなおうちにアートを飾ってみるのはいかがでしょうか。アートを飾ると生活が楽しくなりますよ。そこで今回は僕の家にあるアートを、飾り方とともにご紹介! ご参考になりましたら幸いです。
壁に飾る高さで遊んでみる
絵や版画といった平面作品を壁に飾るのであれば、目線の位置より少し低めに合わせるのがベターです。実際、多くの美術館では平面作品を掛ける際、その中心を床から140~150cmの位置に合わせています。ただ、それはあくまで一般論。自分が飾りたい高さで飾るのが一番です。
我が家にもいくつか平面作品がありますが、メゾチント(※銅版画の技法の一つ)作家の山城有未さんの作品は、描かれているのが足元ゆえ、あえて低い位置に飾っています。
美術館ではまずやらない飾り方。おうちだからこそできる楽しみ方です。
壁に飾らなくても
賃貸物件で、壁に穴が開けられない。そういう方も少なくないでしょう。キャンバスではなく、版画や切り絵、ドローイングのような厚みのない作品であれば、写真立てに入れて飾るのがオススメ。気分次第で置き場所を変えられるというのもポイントです。
ちなみに、僕はどちらかといえば、おおざっぱな人間なので、そんなに大きくない作品であれば、単純に机の上や本棚にそっと立て掛けるように置いてしまっています。意外と気に入っている飾り方が、スツールの上に置いてみるというもの。壁に飾るよりも、部屋のアクセントになります。
ぐい呑みコレクション
コロナ禍以降、家飲みの機会がぐっと増えました。それならば、日本酒を飲む際は、作家物のぐい呑みで飲もう。そう思って、陶芸家の展覧会に行っては、気に入ったぐい呑みを購入するようになりました。気が付いたら、1年間で20個近くのぐい呑みを買っていました。ぐい呑みをディスプレイする専用の棚も売ってはいるのですが、どれも意外と値が張ります。そのお金があったら、もう1個ぐい呑みが買える。そこで、棚を自作することに。1から作るのは面倒なので、100円ショップで手ごろな木箱を見つけ、それらを木工用ボンドでくっつけて、それっぽい棚を完成させました。
コレクションが増えたら、増築(?)するだけ。ぐい呑みのコレクションはまだまだ増えそうです。
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