ふたりで共通の感性や趣味を持っているカップルは、そのライフスタイルや世界観をいかに空間に取り入れているのでしょうか? クリエイティブプロダクション「TETOTETO」共同代表取締役社長の井上豪希さん&桃子さんの自宅を覗かせてもらいました。
年にホムパ100回開いていたら料理ユニットになっていた!?
自宅というよりも、隠れ家レストランか料理教室サロンを思わせる、美しく整っていて、かつキッチン7割!の印象のこの家は、世田谷のマンションの一室をフルリノベした、豪希さんと桃子さんの自宅。ここに住み始めたのは2016年の終わりのことだそう。
それ以前は30平方メートルのコンパクトな暮らしをしていたというおふたり。その空間で頻繁にホームパーティーを開いていたのだとか。
「豪希さんの父が料理人ということもあって、付き合いだしてまもなく彼の料理の異常性(笑)に気付いて。ハンバーグに3つのソースが出てきたりとか」と桃子さん。豪希さん自身は、「みんなそのくらいやっているものだと思っていた」と笑います。これをひとりで味わうのはもったいない、と週末に同僚や旧友を招いてホームパーティーを開いているうち、噂が噂を呼び、気がつけば年間100回ほどホームパーティーを開いていたのだとか!
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エクステンション式の丸テーブルは便利! 広げたら8人座れる。
もっとゲストを招けるようにしよう、と物件を探して出合ったのがこの部屋。ところが豪希さんのこだわりは料理だけではなく、家づくりにも徹底的に反映されました。
「お互い好きなテイストをスクラップして素材集めをし、それから気になる空間デザイナーさんを30人くらいリストアップして。最終的に選んだデザイナーさんの奇抜な案を採用することにしました」
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ゲストの多いこの家では、食器も常に同じものか対で使えるものを8〜10組ずつ購入。旅行先の土産店で見つけた器が気に入れば、そのまま窯元まで足を延ばして買いに行ったりも。
オンもオフも常に一緒のおふたり。打ち合わせのあとにどこに行こう?と予定を入れるのが桃子さんの楽しみ。さらに、そのとき着る服も常にお揃い!
「ユニットで活動しているということもあるけれど、バランスが揃っているほうがいいから。朝“今日何着る”って一緒に服選びをするところから始まります」というのは、仲がいいだけでなく感性が合っているからこそなせること。
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〈左〉美大卒の桃子さんの友人にはアーティストが多く、ふたりと飼い猫のハナビを描いたこの絵も同級生からのプレゼント。 〈右〉草月流の華道を学んできた桃子さんと茶道を嗜む豪希さん。常に家にお花を絶やさないそう。
今は山梨に1600坪の土地を買い、食品加工場を造っているところ。このふたりだからこそ叶う夢が、また一歩大きく広がっています。
井上豪希&桃子
クリエイティブプロダクション「TETOTETO」共同代表取締役社長。クリエイティブディレクターの豪希さん、ライフスタイルデザイナーの桃子さんがブランディング支援、商品開発、レシピ提供など幅広く活動。こだわり派の豪希さんと、美大卒の桃子さんのセンスが光る。