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LIVING趣味

2026.07.10

在日コリアン、14歳少女のまなざし。映画『トロフィー』が描く青春の揺らぎ

週末の過ごし方で、来週の気分はきっと変わる。だからこそ、観る映画にはちょっとこだわりたい。気分転換にも、インスピレーションにもなる一本をピックアップ。今回は、7月10日(金)公開の映画『トロフィー』をお届け!

少女の視線から見える景色とは

©2026 K2 Pictures

映画『トロフィー』は、在日コリアン3世の監督・孫明雅による長編デビュー作。物語の主人公は、朝鮮学校に通う14歳の少女ソヒ。K-POPアイドルのライブに行くため、父が大切にしていた祖国・北朝鮮の勲章を売ってしまったことをきっかけに、家族や友人、自身のルーツとの間で揺れ動いていく。

本作が印象的なのは「在日コリアンとは何か」を説明することではなく、体感させること。朝鮮学校での生活、家族との距離感、周囲とのささやかな違い。そのひとつひとつは特別な出来事ではなく、ソヒにとって当たり前の日常として描かれる。彼女の目線を通して日常を追いかけるうちに、私たち観客が彼女の世界に足を踏み入れ、その背景にある複雑な感情や葛藤を受け取ることができる。

©2026 K2 Pictures

また、劇中でたびたび登場する朝鮮舞踊も魅力。ソヒにとってそれは単なる習い事ではなく、自分の居場所やルーツとつながる大切な表現のひとつ。華やかな衣装をまとい、しなやかに舞う姿には言葉では表現しきれない感情が宿り、少女の葛藤や成長までも映し出しているように見える。

近年、多様なルーツやアイデンティティを描く作品は増えているが、映画『トロフィー』は声高に主張するのではなく、少女の青春のきらめきのなかにそのテーマを織り込んでいく。近くにいるようで知らなかった誰かの日常に触れ、自分自身の「当たり前」を見つめ直すきっかけを与えてくれる一本。

【7月10日公開】映画『トロフィー』

©2026 K2 Pictures

監督・脚本/孫明雅
出演/恒那 / ちすん 笠松将 / 市川実和子 / 井浦新
製作・配給/K2 Pictures
k2pic.com/film/trophy
※テアトル新宿ほか順次公開。

TEXT=南雲凛子

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