週末の過ごし方で、来週の気分はきっと変わる。だからこそ、観る映画にはちょっとこだわりたい。気分転換にも、インスピレーションにもなる一本をピックアップ。今回は、4月24日(金)公開の『ツイッギー』をお届け!
世界的スターの裏側にあった、ひとりの女性の現実

スレンダーな体型に大きな瞳、ピクシーカット。16歳で世界的スターとなったツイッギーは、60年代カルチャーを象徴する存在として知られてきた。ただ、本作『ツイッギー』が描くのは、単なるファッションアイコンの神話ではない。その輝きの裏側で、女性であるがゆえに注がれてきた過酷な視線と、そこから自分を守り続けた一人の人生である。
痩せすぎだ、幼すぎる、理想の女性像ではない——。成功してもなお体ばかりを評価される現実は、当時のファッション界がいかに男性中心の価値観で動いていたかを映し出す。ツイッギーは、そうした規範に迎合することなく、短い髪と中性的な装いで「このままの自分」を貫いた。体型や年齢で評価され、消費される視線とどう向き合ってきたのか。その問いは、過去の出来事でありながら、いまを生きる私たちにも鋭く突き刺さる。

監督を務めたサディ・フロストは、華やかなアーカイブと率直なツイッギー本人の語りを行き来しながら、成功の裏にあった違和感や葛藤を浮かび上がらせる。また、ブルック・シールズ、ジョアンナ・ラムレイ、シエナ・ミラーといった女性たちも登場し、世代を超えて共有されてきた「外見で判断される構造」を証言する。彼女たちの言葉は、ツイッギーの経験が特別な例ではなく、いまも続く問題であることを私たちに気づかせる。一方で、ダスティン・ホフマンやポール・マッカートニーらは、彼女の誠実さやプロフェッショナリズムを語り、ツイッギーが単なる「見られる存在」ではなかったことを補強する。

モデル引退後、女優や歌手へと舵を切り、家庭と仕事を両立させてきたツイッギーの姿は、成功の形が一つではないことを静かに証明する。スクリーンに映るのは、流行を作った伝説ではなく、年齢を重ねることを肯定し続ける現在進行形の生き様。それは、彼女の愛娘・カーリーの「女性の素晴らしさを示してくれました」という言葉にも重なる。人生はいつからでも更新できる——本作は優しく背中を押してくれるドキュメンタリーだ。
【4月24日(金)公開】『ツイッギー』

出演/ツイッギー ダスティン・ホフマン ポール・マッカートニー ステラ・マッカートニー ブルック・シールズ
監督/サディ・フロスト(Sadie Frost)
※新宿武蔵野館ほか全国順次公開!
unpfilm.com/twiggy

