日々頑張って働くことのモチベーションは「旅」という読者の皆さんに、おすすめしたい旅先があります。カナダ・オンタリオ州にある街、ナイアガラ・オン・ザ・レイク(Niagara-on-the-Lake)。ワイン、グルメ、観光まで、女子旅にぴったりのトピックスが満載のこの場所の魅力をGINGER Girls 山岡葵さんがナビ!
ナイアガラ・オン・ザ・レイクって、どこ?
カナダの中東部に広がるオンタリオ州は、カナダ最大の都市トロントや首都オタワを有する政治・経済の中心地。その一方で、五大湖のうち四湖に接していて、国立公園や州立公園も多く自然に恵まれた場所でもある。
ナイアガラ・オン・ザ・レイクは州の南西部に位置し、ナイアガラの滝から車で約25分ほど。賑やかなナイアガラフォールズ周辺に比べて、落ち着いた雰囲気が漂う大人旅にぴったりの素敵な街。たくさんの推しポイントのなかから、3つに絞ってご紹介。
1:カナダワインの魅力を味わうワイナリー巡り
州最大のワインの産地であり、約80%ものブドウ畑を有するオンタリオ湖沿いのナイアガラペニンシュラ地域。そのなかでも湖に近いナイアガラ・オン・ザ・レイクは、湖の恩恵を受けて他エリアより比較的温暖。夜間の急激な気温変化が緩やか、かつ秋も暖かい期間が長いおかげで、長い生育期間を確保できることがワインづくりのプラス要素に。カナダを代表するワインの味、試さないわけにはいきません。
周辺に点在するワイナリー訪問におすすめなのが、自転車で巡るツアー。ワイナリーでは試飲もできるので車の運転はNG。ガイドさん付きのツアーなら、道に迷うことなく安心。
自転車ツアーを主催するズーム・レジャー・バイクス(Zoom Leisure Bikes)で自転車を選び、ヘルメットをかぶって出発。今回、サイクリングを楽しみながら2軒のワイナリーを巡るツアーに参加してみた。
両脇にブドウ畑が広がる道を、風を切りながらスイスイ…途中のアップダウンではそれなりにフゥーフゥーと息を上げつつ、ペダルをこいで進んでいく。行き交う車も少なく、のどかな光景に癒やされる。
最初の目的地、リーフ・エステート・ワイナリー(Reif Estate Winery)に到着。ここでチーズペアリング付きのワインテイスティングを体験。
州で最も温暖な地に125エーカーのブドウ園を持ち、濃厚でコクのあるワインを生産し続けているワイナリー。オンタリオ州のような冷涼な気候をメリットにするカナダ最古のヴィニフェラの木が植えられていて、州のワイン産業の先駆者的存在なのだそう。ボトルに表記された「VQA」は、すべてオンタリオで栽培されたブドウからつくられていることの証し。
そしてカナダといえば、アイスワイン! 寒い地域ならではの製法でつくられるこの極甘なワインは、収穫をあえて寒い時期まで遅らせて、ブドウの樹になったままシャーベット状に凍ったブドウを手摘みで収穫。ブドウの中の水分が凍ったままの氷結状態で圧搾することで、氷り切らなかった糖分や凝縮した果汁だけを抽出でき、それを発酵させて甘味も酸味も濃縮されたアイスワインに。手間も時間もかかるということもあって、生産量も少なめの貴重なワインだ。
ピュアな果実味と甘味はワインが苦手な人もデザート感覚で楽しめ、アイスクリームにかけたり、なんて贅沢な味わい方も。
ツアーガイドのジョンさんによる、ブドウ畑でのレクチャーも野外授業のような楽しさが。ちなみにカナダワインは地産地消で、ほぼ国内で消費されてしまうのだそう。日本国内でもなかなか味わう機会の少ないカナダのワイン、お土産にも喜ばれること確実。
2軒目のワイナリーはこちら、ベラ・テラ・ヴィンヤード(Bella Terra Vinyards)。50 エーカーのブドウ農園をもつ家族経営のワイナリーでは、4種類のワインテイスティングを体験。
ビン内発酵で泡が強めのスパークリングブリュット、ナイアガラといえばのソーヴィニヨンブラン、4つのブドウ種を混ぜたメリタージュ、黒ブドウのカベルネフランでつくったアイスワイン。
順番に味わいながら、感想をメモメモ!
「本来、黒ブドウでアイスワインをつくるのは難しくて、でもカベルネフランは寒冷地に強い品種なので、寒くなっても皮が破れないのだそう。ここのアイスワインは、ストロベリーのような、チェリーのような味わいです♡」
自然の産物を味わうワインと、自然を感じながらのサイクリング。約3時間のサイクリングツアー、カナダ滞在の思い出深い時間になるはず!
2:ワイナリーレストランで地産の料理を堪能
ワインが美味しい場所には、美味しい食があり。ナイアガラ・オン・ザ・レイクには、レストランを併設したワイナリーもたくさん。地産のワインと地産の食材を使ったグルメ。間違いナシの美味しい体験が待っている!
トリウス・ワイナリー
この地で40年にわたりワインづくりを行っているトリウス・ワイナリー内にあるトリウス・ワイナリー・レストランでは、エグゼクティブシェフのフランク・ドッド氏によるモダンな料理をいただける。地元の農場から直送される食材を活かして作られる季節ごとにアップデートされたメニューは、見た目も味もスペシャル。
目の前に広がるブドウ畑の散策、ワインストアでのお買い物、カナダ最大の地下スパークリングワインセラーや樽貯蔵庫でワインの醸造工程を見学&試飲できるワイナリーツアーも。まるっと楽しめるので、しっかりと時間をキープして旅の予定に組み込みたい。
Trius Winery & Restaurant(トリウス・ワイナリー&レストラン)
https://www.triuswines.com/
ラヴィン・ヴィンヤード・エステート・ワイナリー
晴れた日のディナーで訪れた先は、ロマンティックな佇まいのおしゃれなワイナリーレストラン。ここは1867年に開拓された農園を5世代にわたり維持し、農家としてのルーツを大切に守り続けている家族経営のワイナリー。
世界でもトップ20に入るワイナリーレストランとして知られ、少量生産のオーガニックVQAワインの醸造、自家製パンの提供、鶏やヤギ、ミツバチの飼育、バイオダイナミック農法とオーガニック農法を採用した自家栽培の認定オーガニック野菜や地元の素材を活用したメニューなど、こだわりが随所に感じられる。
オーナーシェフ兼ブランドマネージャーのポール・ハーバー氏やシェフのロス・ミッジリー氏のサステナブルな想いが伝わってくる料理に舌鼓。「ワインとのペアリングを楽しみながら、どっぷりと幸せに浸れます」と山岡さんも大絶賛。
Ravine Vineyard Estate Winery(ラヴィン・ヴィンヤード・エステート・ワイナリー)https://www.ravinevineyard.com/
3:おしゃれな街の散策が楽しい
オンタリオ州屈指の美しい街として知られるナイアガラ・オン・ザ・レイクは、19世紀のクラシックな建物が数多く残されていて、美しく可愛い街並みがとってもフォトジェニック。
なんと、街中に馬車が! 観光だけでなく、ウエディングセレモニーにも利用されている模様。素敵! さっそく馬車に乗って、街を一周してみることに。
馬車での観光を終え、乗り場のすぐ目の前に建つヴィクトリアン様式のクラシックなホテル、プリンス・オブ・ウェールズ・ホテル(Prince of Wales Hotel)へ。レンガ造りの建物が多いクイーン通りにあって、ひと際目を惹く存在感。
1階にあるThe Drawing Roomで、午後5時からいただける大人気のキャンドルライトハイランドティーをいただくことに。メニューにズラリと並んだ紅茶のなかから、好きな茶葉を選んで待っていると…。
美味しそうなセイボリーやスイーツ、フルーツにあふれたティースタンドが登場! しかもこのティースタンドが歴史を感じさせるアンティークっぽさで、ティーポットもカップ&ソーサーも乙女ゴコロをくすぐるクラシックデザイン。まるでヴィクトリア王朝時代にタイムスリップしたかのようなテーブルに!
「休憩のつもりが、さすがにハイティーはボリュームがあるので、すっかりディナー代わりになりました(笑)。スタッフさんのユニフォームもクラシックで、どこもかしこも映えなスポットです」
※キャンドルライトハイランドティーは1人65CAドル(税・サービス料別)。金曜から土曜日の17時~20時まで。要予約。
Prince of Wales Hotel(プリンス・オブ・ウェールズ・ホテル)
https://www.vintage-hotels.com/prince-of-wales/the-drawing-room/
翌日は、街のメインストリートをそぞろ歩いてお土産探し。クイーン通りの両サイドにはブティックや雑貨屋、カフェが並び、いずれもおしゃれで一軒ずつ覗きたくなってしまう。
クイーン通りはもちろん、この中心地からオンタリオ湖畔までも徒歩圏内。こんなふうに歩いてのんびり散策できることも、この街の大きな魅力だ。
ナイアガラ・オン・ザ・レイクを存分に楽しむなら、滞在するホテルはこの街のトップホテルにランクされている124 クイーン ホテル & スパ(124Queen Hotel & Spa)がイチ押し。クイーン通りに面した好立地に2011年にオープンして以来、モダンなインテリアとスタイリッシュなおもてなしで高評価を得てきた人気ホテル。
ホテル内の2つのレストラン、トレッドウェル・キュイジーヌ(Treadwell Cuisine) と NOTL Bar & Restaurant(ノーテル バー & レストラン)はいつも大賑わいで、予約必須。
トレッドウェル・キュイジーヌでは、料理に合わせて選んでいただいたワインがどれも素晴らしく、そして料理の味にもいちいち感動してしまう。『WineMaker Magazine』では国内トップ10のワインレストランの1つに選出され、レストランのオンライン予約サイト「OpenTable」では国内トップ100レストランの1つに選ばれたというのも納得。
「野菜の味が濃くて力強い。ソースまで完璧に美味しい! デザートも最高! プレートが運ばれてくるたびに写真を撮りたくなる、彩りも美しい料理に感動しました」
124Queen Hotel & Spa (124 クイーン ホテル & スパ)
https://124queen.com/
ワインとグルメを存分に楽しめるナイアガラ・オン・ザ・レイクの旅。“地産地消”と“食”を楽しむカリナリーツーズムがトレンドとなっている昨今、オンタリオ州はまさにその両方が味わえる旅先。ワイン好きの、食好きの友人を誘って、次の女子旅はカナダに飛んでみては?
オンタリオ州観光局
https://www.destinationontario.com/ja-jp/japan
※掲載した料金は取材時のものです。
※1CAドルは約104円(2024年9月14日現在)。