美術を面白おかしく、わかりやすく解説する“アートテラー”として活躍するとに~さんによる連載。読者の皆さまからの質問も随時受け付けています! 今回は、さまざまなミュージアムグッズをご紹介。
こんばんは。アートテラーのとに~です。
先日、三菱一号館美術館で開催中の『イスラエル博物館所蔵 印象派・光の系譜 ─ モネ、ルノワール、ゴッホ、ゴーガン』に行ってきました。サブタイトルにもあるように、モネやルノワール、ゴッホやゴーガンといった巨匠の名品が勢ぞろいしていたのですが、それらの巨匠に混じって、レッサー・ユリィなる聞きなれぬ画家の作品が4点も出展されていました。そして、その4点のどれもが素晴らしい。決して、モネらビッグネームの作品に負けていなかったのです。実際、そう感じた人は僕だけではなかったようで、なんと展覧会初日にレッサー・ユリィの《夜のポツダム広場》という作品のポストカードが完売してしまったのだとか! アートテラーを長年やっていますが、そんな話は過去に聞いたことがありません。レッサー・ユリィを知らない方は、今すぐチェックです。
というわけで本日は、今注目を集めている展覧会の、ミュージアムショップに注目! 話題の展覧会では、どんなグッズが話題なのでしょうか?(注:商品は一時的な欠品や完売の可能性があります。予めご了承ください)
シンプルすぎるTシャツ
今年2021年の芸術の秋の大本命展覧会といえば、東京都美術館で開催中の『ゴッホ展―響きあう魂 ヘレーネとフィンセント』。 ゴッホをフィーチャーした展覧会は、なんとなく毎年のように開催されている印象がありますが、今回のゴッホ展の主役はゴッホではなく、ヘレーネ・クレラー=ミュラーなる女性。ゴッホの評価がまだそれほど高くなかったころに、彼の天才性に目をつけ、世界最大のゴッホコレクターとなった人物です。そんな彼女が創設したクレラー=ミュラー美術館から、ゴッホの名品が多数来日しています。
展覧会そのものももちろん見ごたえがありますが、展覧会特設ショップも同じくらいに充実。サンリオの人気キャラクター“シナモロール”やビックリマンシールとのコラボアイテムなど、発売前から話題のグッズが多々ありますが、なかでもSNSで大きな反響を集めているがオリジナルTシャツ。
ゴッホの絵画がデザインされているわけではなく、胸に書かれているのは「ゴッホ」の文字だけ。そのシンプルさが、逆にインパクトがあると話題となっているようです。Tシャツだけでなく、パーカーもあるとのこと。どんな服にも合うことは確実なので、着回し用に1着いかがでしょうか?
『ゴッホ展―響きあう魂 ヘレーネとフィンセント』
会期/2021年9月18日(土)~12月12日(日)
会場/東京都美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園8-36)
https://gogh-2021.jp
※日時指定予約制。詳細は展覧会公式サイトをご確認ください。
BEAMS DESIGNがプロデュース
現在、箱根仙石原のポーラ美術館にて、大型企画展としては開館以来初となる現代アーティスト展『ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?』が開催されています。アメリカの現代美術を代表する女性アーティスト、ロニ・ホーン (1955~)の大々的な展覧会。デビューから一貫して、「自然」をテーマに制作してきたという彼女の初期の作品から近年の代表作までが、一堂に会しています。
そんなロニ・ホーン展のオリジナルグッズのプロデュースを務めているのは、あのBEAMS DESIGN。ロニ・ホーン展の出展作品をモチーフにしたTシャツやトートバッグなど、多数のアイテムが販売されています。個人的にオススメなのは、作家自身もお気に入りだというお箸。詩人エミリ・ディキンスンが書いた手紙の言葉を引用した作品《エミリのブーケ》をモチーフにしたユニークなセンスが光るグッズです。
美術館ではもちろん、オンラインショップでも購入が可能。どうしても箱根まで足を運べない人は、オンラインでロニ・ホーン展を感じてみては?
『ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?』
会期/2021年9月18日(土)~2022年3月30日(水)
会場/ポーラ美術館 展示室1、2 森の遊歩道(神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285)
https://www.polamuseum.or.jp/sp/roni-horn/
古代エジプトのロマンに想いをはせて
来年1月12日まで、国立科学博物館で開催されているのが、特別展『大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語』。世界最大級のエジプトコレクションを誇る大英博物館。その膨大なコレクションの中から、6体のミイラを含む希少な遺物がたくさん来日しています。
そんな大英博物館ミイラ展はオリジナルグッズもたくさん。そのなかから特にGINGERの読者さんにオススメなグッズを、この展覧会とも関わりのある美術界のインフルエンサー・タラ夫(@2017babel)が紹介してくれました。
▼メガネクロス ロゼッタストーン
「大英博物館から直輸入したロゼッタストーンのメガネクロス。よくみると、ヒエログリフ解読のきっかけになった3種類の文字があしらわれていて、かたちもそっくり。一風変わったクロスでみんなと差をつけてみタラ?」
▼ポーチ全4種
「本展で展示しているジェド柱の護符、猫の青銅製像などをイラストであしらった小型のポーチ。大英博物館のロゴ入りで、裏表はバイカラーの品のある配色デザインに。これからの乾燥シーズンに、のど飴やリップクリームを入れるのもグッド!」
グッズのクオリティにも驚きましたが、それ以上にタラ夫のセールストークの上手さに驚かされました。
『大英博物館ミイラ展 古代エジプト6つの物語』
会期/2021年10月14日(木)〜2022年1月12日(水)
会場/国立科学博物館(東京都台東区上野公園7–20)
https://daiei-miira.exhibit.jp/
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