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LIVING趣味

2020.01.10

スウェーデンのヤーナ地方へ。今こそ行きたい、心が動く大人旅のすすめ

今もし自由に旅するならば、どこへ行きたいですか? 疲れたカラダのデトックスをする旅、縮こまったココロをリラックスさせる旅・・・旅する目的は人それぞれで、そのタイミング、季節、興味、気分などによっていろいろ。
もしあなたが、もっと自分の視野を広げたり、新しいコトに出合いたいと思ったならば、スウェーデンに行ってみませんか? 北欧デザイン、建築、アート、美食…それだけでは終わらない、この国には“心が動く”モノゴトが満載。前回のストックホルムに続き、今回はヤーナ地方の魅力をGINGER取材班がナビゲートします。

目の前に見えていることの、その先へ

スウェーデン
美しい景色を観て、美味しいものを食べて、旅の想い出となるお土産を物色して・・・。そんな旅の醍醐味を楽しみながら、あと一歩、その先の面白さを知ること、深さを覗くこと。私たちにとって、旅は大切な何かを学ぶチャンス。
たとえばスウェーデン、ストックホルムから車で1時間ほどの郊外、ヤーナ地方を旅してみると——。

美味しいごはんの舞台裏

スウェーデン
平日10~15時までオープンしている「Restaurang Varma Skillebyholm(レストラン ヴァルマ シッレビーホルム)」は、地元ヤーナでも知られる人気のオーガニックレストラン。
11:30からスタートするランチタイムになると瞬く間に、ローカルの人々、旅行者で席が埋まってしまいます。月曜日は、焼きたての自家製パンやピザとベジタリアンスープが用意されるスープランチの日。火~金曜日は、たくさんの野菜料理が並ぶベジタリアンビュッフェ。
スウェーデン
4年前にオープンしたこのレストランが守り続けているこだわりは、自分たちで作る野菜を使うこと(自家菜園があるのです)、そのほかの食材もヤーナのローカルなものを使うこと、そしてできるだけシンプルな料理を作ること。
スウェーデン
「食材を遠くから運ぶことも、サステナブルではないからね」と、トップシェフのシモン・ヴィドマルクさん。物を運搬するには、何かしらの乗り物が必要なわけで、そうなると無駄に燃料が使われ、結果的に空気などの汚染にもつながる・・・という悪循環が生まれてしまいます。

サステナブル、持続可能な社会のために何ができるか・・・に真摯に取り組んでいることも、この店が注目されている理由なのです。

スウェーデン

「ヤーナはパラダイスだよ」と、この土地への愛を熱く語るシモンさん。

オーガニックへのこだわりだけでなく、レストラン事業をとおして社会参加すること、成長した企業としてこれから成長する小さな会社を支援するなどのエコノミカルな活動にも積極的。

シモンさんは、このレストランを含め、食を取り巻くいろいろな取り組みを行っている企業、ヴァルマ・スウェーデンのオーナーのひとり。さらにキッチンコンサルタントとして、レストランを営む同業者に食材や経営面のアドバイスも行っています。

「サステナビリティは、“今”だけではなく、“将来”を考えること。食、そのクオリティ、人材、知識を高めていくこと、そのすべてを持続可能にするためには・・・と考えたことが、この会社を作ったきっかけ。
ADHDなどの学習障害がある若者たちの学びの場として、インターンの受け入れ、雇用も積極的に行っているんだ。彼らが成長していく過程をみることが、私たちのチカラにもなっているし、やりがいを感じているよ」

スウェーデン

このレストランで作られるプロダクツは、ストックホルムのオーガニックスーパーでも扱われています。

ストックホルムのレストランから頻繁にコンタクトがあるほど、この土地が育む野菜には特別な魅力があるのだそう。シモンさん自身もかつてストックホルムでシェフとしてキャリアを積んでいたものの、ヤーナでビオ(有機栽培)の野菜に出合って開眼。この地に移り住み、「ここで一生を終えたいと思っているんだ」と思うまでに。

ビュッフェに並んだ野菜料理を味わえば、彼の言葉を理解できるはず。野菜たちの色、食感、香りが生み出す、美味しさ、深さ、力強さ。素材のチカラを活かしたシンプルな調理のおかげて、それが真っすぐに伝わってきます。
スウェーデン
“これから”を見据えてコツコツと、真面目に。訪れるゲスト、そして働くスタッフに、やさしく、安全で、心地よさを循環させていくレストラン。皆さんにもぜひ訪れてほしい、幸せな空気に包まれた場所でした。

Restaurang Varma Skillebyholm
https://www.skillebyholm.com/

とことんオーガニックにこだわることで、届けられるもの

スウェーデン
スウェーデン人なら誰もが知っているこの可愛いパッケージ。1964年に創業したオーガニック食品メーカー「Saltå Kvarn(サルト・クヴァン)」のメインプロダクツ、小麦粉です。

創業当時は、オーガニックの小麦を見つけることがとても困難だったので、自分たちの手で作ることを決意。有機栽培した小麦を、近くを流れる川の水力を利用して挽いていたそう。現在は小麦の外皮を燃料にとして利用、小麦を挽くだけでなく、なんと近隣の暖房までまかなっているのだとか!

スウェーデン

小麦類は、全国のオーガニック系のレストランやベーカリーなどにも卸しているそう。

小麦作りからスタートし、今では豆類、パスタ、米、オリーブオイル、ドライフルーツ、ジュース、ナッツ・・・など、約150のプロダクツを生産。そのすべてが、人工肥料や化学農薬を排除した栽培方法で育てられた材料が使われ、人工香料や栄養添加物、防腐剤、色素を一切使わずに製品化されたものなのです。

スウェーデン
ヤーナにある工房にはショップやカフェが併設されていて、いつも焼きたてのパンのいい香りが漂っています。

スウェーデン
自然の美味しさが詰まったパンを求めて、ローカルの人々が足繁く訪れています。それにしても、本当に美味しそう!

スウェーデン
ショップで購入したパンや飲み物を、カフェスペースでいただくことも可能です。

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「Saltå Kvarn は、世界中のオーガニックを作る仲間たちをサポートしているんですよ。地球を守るためにも、今まさにオーガニックの意識を高めていかないと! 私たちは大量生産には賛成できないので、小さな生産拠点を応援しています」と、ショップスタッフのヨハンナさんが教えてくれました。

スウェーデン
原料を作ってもらう生産者には150もの達成項目を提示して、より多くを達成している農家の作物に対して多めの支払いを行うなど、その取り組みは徹底しています。

本当に安全で、心から安心して食べられるものを届けたい。とことんオーガニックにこだわって作り出される、味と環境に配慮したプロダクトたち。口にするたびに、その美味しさに秘められた奥深さをかみしめることができそうです。

Saltå Kvarn
https://www.saltakvarn.se/

自然を愛する人々が集う場所とは

スウェーデン
春から秋にかけての気持ちのいい季節に、ここを目指してノルディック中から多くの人が集まってきます。
ヤーナ地方のイッテルヤルナにある「Kulturhuset(クルトゥルフセット)」は、コンサートホール、ミーティングルーム、カフェレストランなどを有するカルチャーハウス。すぐ隣にはホテルもあります。

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1992年に完成したこのカルチャーハウスだけでなく、敷地内の建物のほとんどが、デンマークの建築家エリック・アスムッセンが手掛けたもの。建物の形や比率、色に至るまで、周囲の自然と調和し、人が住みやすく、環境に配慮した造りになっているのだとか。

この施設の前身は、アーティストのアルネ・クリングボルグがこの地に移り住み、1964年にルドルフ・シュタイナーの人智学的思想に基づいたコミュニティを作ろうという試みから始まっています。
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カフェレストランがあるメインホールの換気システムは、 不必要なエネルギーを使うことなく、風通しの良さがしっかり計算され、新鮮な空気を外部から取り込めるよう設計されています。

ちなみに暖房は化石燃料(石油や天然ガス)を使用せず、ペレット(おが屑やかんな屑などの製材副産物からなる固形燃料)を加熱したボイラーから供給しているそう。

スウェーデン
「建物のディテールにもこだわりが詰まっていて、木、石、鉄など北欧産の自然素材を使用しているのよ。それから、施設内で使う事務用品や洗剤はすべてエコラベル付きのもの、石けんやトイレットペーパーはオーガニックのもの。とにかくケミカルなものは使わないように!」と、施設をガイドしてくれたスサンさんの説明にも熱がこもっています。

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木材を多用したコンサートホールはクラシックから演劇まで、素晴らしい音響が楽しめると評判。天井のペインティングや、ホールの両サイドを飾るステンドグラスも貴重なもので、アートとしての価値も高い場所になっています。

そして、取材班が最も驚かされたのが、独自の下水処理システム!
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この施設と周辺地域で使用された汚水は、一ヵ所にプールされて生物学的な処理を施され、さまざまな微生物や植物のチカラでろ過され、酸素を取り込んだ浄化を考えて設計されたろ過装置を何度も通過し、きれいな水に生まれ変わったことを水質検査で確認してから、目の前に広がる湾へ流されます。

スウェーデン
こちらが階段状に造られたろ過装置。水が八の字状に回遊するフォルムになっていて、しっかりと空気に触れて酸素を取り込むよう考えられています。

スウェーデン
カルガモさんたちが遊びに来ていることからも、水がきれいになっている様子がうかがえました。

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「途中で取り除かれたヘドロは、肥料として再利用しているのよ」とガイド役を務めてくださったパオラさんから教えていただき、なんたる無駄のなさ!と感動しきりでした。

スウェーデン
カルチャーハウスから30mの場所にあるホテル「Ytterjärna Hotel(イッテルヤーナ ホテル)」も、エコロジカルを意識した施設。スウェーデンメイドの天然素材の家具は、このホテルのためにデザインされたものがほとんど。

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ルームタイプもいろいろと用意されていて、4つのキーカラーでそれぞれコーディネートされています。あなたの好みはどれでしょう? ちなみに一番人気は、温かみを感じさせるレッドの部屋なのだとか。

部屋にある飲み物、アメニティ、リネン類も、もちろんすべてオーガニックです。

スウェーデン
施設の周辺には有機畑や、針葉樹林、手つかずの大自然を味わえる散策コースもあり、心が癒やされる時間をたっぷりと堪能できます。ゆっくりと寛ぎ、大切な何かを発見できる、そして自分を見つめる旅にぴったりの場所として、ぜひ覚えておきましょう。

Kulturhuset
https://kulturhuset.nu/

Ytterjärna Hotel
https://www.ytterjarnahotell.se/

私たちが生きるこの世界を、より良く、より住みやすく、そしてそれが長きにわたって続くようにという試みを実践しているヤーナの人々。旅先でたくさんの想いを受け取り、私たちにも何ができるかを考えるきっかけに。
さあ、あなたの心を動かす、楽しい旅の計画をたてましょう!

PHOTO=加瀬健太郎

COOPERATION=MIKI OSAKO(KOKEMOMO SWEDEN)

TEXT=GINGER編集部

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