料理家・国際中医薬膳師の齋藤菜々子さんが、美味しく食べながら体調を整える、薬膳レシピを紹介。身近な食材の薬膳的効能を知って、毎日の暮らしに役立てて。
厳しい寒さとともに、空気が乾燥するこの季節。普段私たちの体は、皮膚や粘膜が保つ潤いを体表のバリアとして、病原の侵入を防いでいます。のどや鼻、皮膚が乾燥すると風邪やウィルスにさらされやすい状態になってしまうので、食べ物で乾燥しにくい体作りをすることが大切です。
今日は冬が旬の「春菊」をたっぷり使いながら、さらに保湿を助ける食材を組み合わせた、ごはんの進むおかずをご紹介します。
薬膳的セルフケア食材「春菊」
・春菊 …肺を潤わせる、目の疲れやイライラを解消する
肺は、薬膳では鼻・のど・皮膚の状態と直結する部分です。肺は臓のなかでも唯一外気を直接取り込んでいる部分なので、とても乾燥しやすく、潤っている状態を好みます。肺が乾くとのどや鼻、皮膚の乾燥に直結し、慢性的になると大腸まで乾くため便秘を引き起こしてしまうことも。春菊はそんな肺を潤わせてくれる食材です。
今回合わせる豚肉は体に潤いを与え、生姜はバリア力を上げるので、保湿・免疫アップにぴったりの組み合わせと言えます。
旬食材で“食べる保湿”を!「豚と春菊の生姜焼き」
●材料(2人分)
豚バラ薄切り肉 150g
春菊 1束(160g)
A
しょうが(すりおろし) 1かけ分
しょうゆ、酒、みりん 各大さじ1
砂糖 大さじ1/2
片栗粉 大さじ1/2
塩 適量
ごま油 大さじ1/2
●作り方
1. 春菊は長さを4等分に切り、葉と茎にわけておく。豚肉は4cm幅に切り、塩を振り片栗粉をまぶす。Aを合わせておく。
2. フライパンに中火でごま油を熱し、豚肉と春菊の茎を炒める。豚肉の色が変わったら春菊の葉を加え、さっと炒める。Aを加え、全体に馴染むまで炒め合わせる。
●ポイント
・春菊の葉は水分が出やすいので、加えた後はさっと手早く炒めましょう。
・豚肉に片栗粉をまぶすことで、味がなじみやすくなります。