アート初心者でも楽しめる場所って?  ――《水曜夜はアートの話を》by アートテラー・とに~

前回から始まりました《水曜夜はアートの話を》。皆さまから寄せられたアートに関するあらゆる質問に、アートテラー・とに~がお答えするコーナーです。「質問が1通も届かなかったらどうしよう?」と、内心ビクビクしていたのですが、おかげさまでたくさん集まりました。送っていただいた皆さま、ありがとうございます! 送ろうか迷っている皆さま、引き続き募集していますので、ぜひお気軽に。 今回は、ペンネームKAORINさんからの質問にお答えいたします。

質問:「アートが気になってはいますが、初心者すぎてどこから手をつけたらいいのかわかりません。初心者でも楽しめて、敷居が低い、アートを楽しめる場所があったら知りたいです」(KAORIN/30歳・保険関係事務)

初心者こそ、王道を!

アート初心者にオススメな場所。それは、ズバリ国立西洋美術館です!

・・・・・・。

「普通かよ!」「何のひねりもないじゃん!」
そんな皆さまのツッコミが聞こえてきそうですが、もう少しお付き合いくださいませ。僕がオススメしたいのは、国立西洋美術館の常設展。ルーブル美術館展やムンク展のような特別展ではなく、その特別展のチケットで、ついでに観られる常設展のほうです。

つい、“ついでに”と書いてしまいましたが、本当は“ついでに”観るなんてもったいないくらいに、国立西洋美術館の常設展は充実しています。ルネサンス美術から20世紀美術まで、あらゆる時代の、あらゆるジャンルの西洋美術をほぼ網羅。レンブラントもあれば、モネやルノワールもあり、ゴッホやゴーギャン、ピカソにシャガールもあります。もちろん、名前を聞いたこともない画家の作品も、たくさんありましょう。その品揃えたるや、渋谷のTSUTAYAばり。

これだけ品ぞろえ豊富であれば、少なくとも何かひとつやふたつは、気になる、心惹かれる作品があるはず。全部の作品を好きになる必要なんて、まったくありません。まずは、ひとつでもお気に入りの画家や作品を見つけることが第一歩。次の機会には、その画家の別の作品を観に行ったり、同じような作風の絵を観に行ったりしてみましょう。

ちなみに、万が一ひとつも心惹かれる作品がなかったら、その際は思い切って「自分には今のところ、西洋美術が合わないんだ!」とキッパリ諦めましょう(笑)。大丈夫です。美術には他にも日本美術、現代アート、陶芸など、いろいろなジャンルがありますから! 

決戦は第2・第4土曜日!

国立西洋美術館の常設展をオススメする、もうひとつの理由。それは、常設展だけであれば観覧料はたったの500円、ワンコインで鑑賞できるということ。

しかも! うれしいことに、毎月の第2、第4土曜日と文化の日には、無料で鑑賞できちゃいます! まさにアートデビューにはうってつけ。「やっぱり私には合わなかった! 金返せ!」というクレームは、一切受け付けません(笑)。
ただし、無料鑑賞日には館内での写真撮影はできません。お気に入りの絵画と一緒に写真撮影を楽しみたいのであれば、第2、第4土曜日以外を選びましょう。

最先端アートを楽しむなら・・・

西洋美術ではなく、現代アートを楽しみたい。そんな方には、東京オペラシティ内にあるNTT インターコミュニケーション・センター(通称ICC)もオススメ!
年に数回開催される企画展は有料ですが、基本的には無料。第2、第4土曜日だけでなく、いつでも無料です。

ICCは、ヴァーチャル・リアリティやインタラクティヴ技術などの最先端テクノロジーを使ったメディア・アート作品を紹介しているミュージアム。体験型の作品が多く、子供から大人までが楽しめます。とはいえ、なかにはちょっと何言ってるかわからない難解な作品も。そんなときは恥ずかしがらずに、“?”満載の顔をしてみましょう。すると近くにいるガイドスタッフさんが、優しく丁寧に解説してくれますよ。
「なんだ、意外と現代アートも楽しいじゃん♪」。苦手意識がなくなること請け合いです。

皆さまからの質問大募集!

「デートにピッタリの美術館は?」「カフェがオススメの美術館って?」という具体的な質問から、「現代アートって、何が面白いの?」「何であんなに美術品って高いの?」「ピカソってすごいの?」という誰にも聞けなかった質問まで。
何でもお寄せくださいませ。わかりやすく、お答えします。



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美術の魅力をわかりやすく、面白く伝える、世界でただひとりの”アートテラー”。よしもと芸人時代に培った話力と笑いのセンスで、アートを語ります。日本を代表する数々の美術館で、公式トークガイドを担当。著書『東京のレトロ美術館』(株式会社エクスナレッジ)『ようこそ! 西洋絵画の流れがラクラク頭に入る美術館へ』(誠文堂新光社)が好評発売中。
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