「女友達」の定義は、自己流で変えていく

“大人のフリ”して放置(我慢したり、見て見ぬふりしたり)せず、煩わしい人間関係をぶった斬り、好きな人たちとだけ生きていく——。そんな“自分基準”を掲げて、人生を楽しく、生きやすくしていきませんか?


脚本家 岸本鮎佳さんの連載「私、幸せになるんで。はい、サヨウナラ」。あなたの人間関係やモノ付き合いの整理整頓&取捨選択に際し、ぜひご参考に!(編集部)

vol.04 「嫌いじゃないんだよ?でもね・・・という女友達」


 「その子のことは、嫌いじゃないんだよ? でもね・・・」  


という枕詞をつけて、話をする女子が最近多い。

でも、この言葉の裏を読めば、

「私その子のこと、嫌いになりそうなんだけど、こんな小さなことで嫌いになってしまう私って、ちょっと性格悪いよね?って思うから、嫌いにならないように努力してるんだけど・・・」

だと思う。


でも、大体こうやって話している内容を聞いていると、やっぱりもう、「嫌い」なのだ。

いやいや、それでいい。

と私は思う。


私はそんな友達とは、「距離を置く」ようにしている。

「縁を切る」のではなく、あくまで「距離を置く」のが、ポイントだ。


私自身、大人になってから、付き合う友達が減ったと思う。

でも、それは当たり前のことで、結婚して子供がいる友達と、独身を謳歌しているキャリア志向の友達だったら、独身の私は、間違いなく後者と仲良くできる可能性の方が高いのは、分かり切っている。


大人になって、中学高校時代仲の良かった子たちと会って、居心地が悪かったという独身女子の話は死ぬほど聞いてきた。

でもそれは、当たり前のこと。

そういう話を聞くたびに、ねぇ、分かるよ? 分かりすぎるよ? 独身はさ、独身同士で仲良くやろう? 私は、友達だよ?という気持ちになる。


私は、かつて「親友」とお互いに呼び合い、週に2~3回は会うほどの友達がいた。

会って、馬鹿な話をしながら、夜遅くまで語り合ったり、私が失恋した時に朝まで一緒に居てくれたり、とても優しい子だった。

サバサバしていて、人にも気を遣えて、誰に紹介しても恥ずかしくないような子。


でも一つだけ気になることがあった。

それは、男好きで、男にゆるい。ということ。

いやいや、私だって男の子好きよ?恋愛してたい人よ?


でも、彼女の場合はちょっとそれとは違って、男の許容範囲が広くて、男という性別であるというだけで、「わたし、あなたのこと好きよ」と言わんばかりの光線を発射出来るのだ。


ただ、彼女と男がいる飲み会に行く時、隣で男にしなだれかかっている彼女を見て、モヤッとした気持ちになった。


それだけだった。


同じ男を取り合うなどということはなかったし、私たちの友情には関係ないことだと思ったから。

とゆうか、そもそも彼女には長年付き合っている彼氏がいた。

要するに、彼女は堂々と浮気をしていた。

でも、それも友情には関係ないことなので、彼氏が少し不憫にも思えたが、私は見て見ぬフリをした。


そんなある日、私は彼女の告白で、関係性は一変する。

「私、昨日Aさんとキスしちゃったんだよね」

え・・・?

おい、嘘だろ・・・?


Aさんは、私が密かに気に入ってた人で、彼女も参加していた飲みの場で最近知り合ったばかり。

確かに私は彼女にその人が気になるとは言ってなかった。

だから、私が彼女に腹を立てるのは、お門違いかも知れない。

でも私は、そんな心が広い人間ではないので、素直にムカついた。


いやいや、言わなかった私が悪い。


でも・・・さぁ・・・でもさっ!!!


あんた!そもそも!彼氏いるよなぁ!?

どうせ、遊びだろ!?

こっちは、真剣に恋愛出来る相手探してたんだよ!!!(アラサーの叫び)


結局彼女には何も言えないまま、私は彼女と連絡を取るのを辞めた。

彼女からは何回か連絡が来ていたが、勿論何をしてしまったのか彼女は分かっていないだろう。

それまで頻繁に会っていたのに、理由も言わず急に連絡を断つなんて、私もひどい人間だと思う。


でも、私は気付いてしまったのだ。

私は彼女に男を取られたから怒っているのではない。

私は、自分の好みの男と寝て、家に帰って彼氏と同じベッドで眠る彼女自身を軽蔑していたのだ。

そういう価値観を持っている彼女を理解できないし、私はそんな女友達はいらないと思った。


だから、彼女は何も悪くない。

何も悪いことはしていない。


私は、ただ、この先彼女と友達で居続け、男にしなだれかかっている彼女を見た時、心の中のモヤッとした想いを隠し切れる自信がなくなったのだ。

そんな嫌な想いしてまで、その人と友達のフリをする必要はない。

大人になってからの友情というのは、とてもシンプルだ。


「好き」な人とだけ、付き合えばいいと思うし、「嫌い」なら、距離を置く。

たったそれだけ。

喧嘩をするほど、何かをされた訳じゃない、人にその子の愚痴を言うほど、何かをされた訳じゃない。


でも、最近一緒にいると、「あれ?」と違和感を感じる。

だとしたら、「距離を置く」それでいい。

罪悪感を感じる必要はない。

自分の心が狭い訳でもない。


ただ、人は変わる。

住んでいる場所、仕事、家族・・・


成長する人もいれば、成長しない人もいる。

距離を取ったとしても、また何かのきっかけで、再開し、仲良くなるかもしれない。


実際私は、つい先日20年会ってない過去の親友から、実家に年賀状が届いた。

そこには、「何で疎遠になっちゃったのか、理由も思い出せないけど、最近すごく思い出す。だから、勇気を出して、年賀状を書きました」
というような内容が書かれていた。

とても嬉しかった。


私も早速、書かれていたメールアドレスに返事を書いた。

でも「会いたい」とは、書かなかった。


送られてきた年賀状には、2人の子供と優しそうな旦那とその子の幸せそうな家族写真がプリントされていた。

それを見て、会って、もう一度親友になることはないだろう、と思ったのだ。

きっと昔の思い出話をして、夕飯前にバイバイするだろう。


私は今、自分の恋愛話や、今やっている仕事の話をお酒を飲みながら話せて、お互いに尊敬し合えるような友達が、私にとって居心地の良い友達なのだ。

だから、会わなくていい。

元気であることが知れただけで、嬉しかったし、それで充分だった。


男好きの親友さん・・・

はい、サヨウナラ・・・

 
文/岸本鮎佳 

岸本鮎佳/脚本家
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岸本鮎佳/脚本家
脚本家・劇作家・演出家・女優。演劇ユニット「艶∞ポリス」主宰。女性独特かつ綿密な人間観察を土台に作り上げる会話劇を得意とし、笑いを織り交ぜたスタイリッシュな作風で幅広いファンをつかむ。主宰する舞台では、脚本、演出、出演をこなし、近年は映像の脚本も手掛けるなど、その多彩な才能を発揮。InterFM897のレギュラー番組 岸本鮎佳と渋江譲二「艶っぽい夜」(毎週木曜23:00~ / https://www.interfm.co.jp/tsuya )も大好評。
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