女の色気とは?何から生まれるのか?~多部未華子の読書案内

小説から漫画までジャンルを問わず、本好きとして知られる女優の多部未華子さん。アラサーの彼女が、同世代女子からの本選びの相談や質問に応えて、オススメ本を紹介します。    

Q. アラサー女子からのリクエスト 

色気が足りない私にオススメの本を教えてください。

29歳です。・・・出会いはあっても、なかなか思うような展開にならず。2~3回デートして、何となく友達ふうになって着地してしまうことが多くて。女友達に言わせると「色気が足りない」とのこと。色気って、意識して出せるものなのでしょうか。まずは本からヒントを得たいのですが・・・。

るり子の“色気”は美貌だけでなく
心の強さと欲望のままの行動力

『肩ごしの恋人』という小説を読みました。この物語は、美貌を武器に欲望のまま生きているるり子と、人を信じずに1人で生きている萌、正反対の価値観をもった親友2人が描かれています。じきに、るり子は年齢と共に美貌が自分の武器にならなくなり、一方で萌は1人の男性から愛され始めます。どちらの女性も私の友人にはいないキャラクターだったので、2人を理解するまでに、少し時間がかかったところは正直ありますが、どちらのタイプの女性も、この広い世界のどこかにきっと実在するのだろうなと思わずにはいられませんでした。

にしても、このるり子という女性。なかなか負けん気が強く自分に自信満々で、安定した生活にはすぐに不満をもち3度も結婚しています。私からしたら、3人の男性と結婚までもっていけるってすごいな・・・と、とても刺激的な女性の印象なのですが、思うがままに、欲望のままに、己を貫ける女性は、男性からしたら魅力的なのかもしれませんよね。

"色気”の受け取り方も人それぞれだとは思いますが、るり子の“色気”は美貌だけでなく、自分自身を信じる力と根性、狙った男性は必ずモノにしたいというハンター力、そして、時折男性の前で憂い顔を見せることができる計算力&演技力。この心の強さと欲望のままの行動力から、作られているような気がします。まっ、31年間そのような色気とは無縁で生きてきた私にしてみれば、全くわからない!という感じです・・・(笑)。

更に、主人公の2人は27歳の設定なので、今の私より4つも年下なんですよね・・・。私が27歳の時なんて、毎日仕事して、むしろ仕事“だけ”して、次の日がお休みの時には、友達と家でお酒飲んで喋って爆睡して。るり子や萌のように、男性からデートに誘われたり、自ら誘ったり、心の中で男の品定めをしたり・・・なんて生活してなかったな!! なんだか、華やかで羨ましいです(笑)。

でも、そんな私も17歳くらいの頃、映画の撮影中に共演者の数人と話していたとき、「この中で一番色気を感じるのは多部ちゃんだよ」と一度だけ! 後にも先にも、人生でこの一度だけ! 言われたことがあるんですよ!! それはもう、大きな大きな喜びでした。だからこそ今でも覚えてるんですけどね(笑)。この一言を言ってくれた俳優さん、絶対覚えてないだろうなぁ~(笑)。

文/多部未華子  

今回のオススメ本はこちら! 

唯川恵 著 ¥600(税別)/英社文庫

女であることを最大の武器に生きている結婚3回目のるり子と、仕事にも恋にものめりこめないクールで理屈屋の萌は親友同士、27歳。対照的な2人が恋と友情を通してそれぞれに模索する幸せのかたちとは。

多部未華子
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多部未華子
1989年東京都生まれ。女優。2005年に映画『HINOKIO』と『青空のゆくえ』で第48回ブルーリボン賞新人賞を受賞するなど、10代から存在感のある演技で幅広く活躍。その後、NHK連続テレビ小説「つばさ」主演をはじめ、さまざまな作品に主演。主演ドラマ「私の家政夫ナギサさん」(TBS)が放送中。
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