初めて待ち合わせした彼は、アソコが二倍だった

“大人のフリ”して放置(我慢したり、見て見ぬふりしたり)せず、煩わしい人間関係をぶった斬り、好きな人たちとだけ生きていく——。そんな“自分基準”を掲げて、人生を楽しく、生きやすくしていきませんか?


脚本家 岸本鮎佳さんの連載「私、幸せになるんで。はい、サヨウナラ」。あなたの人間関係やモノ付き合いの整理整頓&取捨選択に際し、ぜひご参考に!(編集部)

vol.05 「顔が二倍の男」


何じゃ、そりゃと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、今回はマッチングアプリの話です。

とは言っても、今、こういった世の中であまり安心して人と会うことができないなか、マッチングアプリでマッチングしても、なかなか会えないですよね。

でも、婚活は自粛したくない。ということで、最近は「リモート婚活」なるものが流行っていると聞きました。


独り身な私も、家で一人でいると、ふとした瞬間に叫び出したいくらい、不安な気持ちに陥ることもしばしば。

ちょっとスーパーに食料を調達しに行けば、カップルがソーシャルディスタンスをガン無視して、部屋着みたいな生活感丸出しの格好で、手をつないで買い物している。


「HEY!!! ソーーーーーーシャルディスタァーーーーンンス!!!!!!」

と叫んでやりたくなるのを、必死に堪えてる。

・・・ええ、嫉妬ですよ。

認めます。

とまぁ、死ぬほど羨ましい訳ですが、このしんどい生活が終わったら、思いっきり会いたい人に会って、ときめくような楽しいことがあると、妄想して、辛抱しましょうね。

大丈夫。私たち、女はそんなにヤワじゃないからね。


そこで、私が生まれて初めてマッチングアプリに手を出し、マッチングし、男性とお会いしたお話を。

顔が良くないと登録できないという某マッチングアプリ。
ちょうどその時書いていた脚本の取材も兼ねて(言い訳)、登録してみた。

基本的にメールやSNSをマメに出来ない私は、複雑なシステムに早速、イライラしたが、何とか自分の一番可愛い角度で、超自然に盛れた清純派女優的な写真を武器に、戦に乗り出したのだ。

清純派女優のビジュアルが功を奏して、早速マッチングした20代後半の男性。

当時の私はすでに30代になっていたので、私の方が年上だった。


顔は、清潔感があって決してイケメンとはいえないが、全然嫌いな顔じゃなかったし、そんな高望みはしないと決めていたので、丁度良かった。

彼とはアプリ内で何度かメールのやり取りをして、いざ会いましょう。ということになった。

*****

男性「何か苦手な食べ物はありますか?」

私「何でも大丈夫です」

男性「では、お店適当に予約しておきますね」


おうおう、いい感じじゃないの。


待ち合わせは恵比寿駅。


何これ、めっちゃ緊張するんですけど。と、自意識過剰な私は、先に相手から見つからないように、物陰に隠れていた。(何しにきてんの)


だが、探しても探しても見つからない・・・。

え? もう時間よ? まさか、遅刻かしら?

それは、あかんよ。初めてのデートで遅刻はマイナスポイントじゃないの?

とか、若干イラつき始めた私の背後から、声が・・・・。


男の声「こんばんは! あのー・・・」

振り返った私は、ちょっとした度肝を抜かれた。


で・・・・・・!

でかい・・・!!!!!


顔が・・・でかい!!!!


すごく失礼なのは、わかってる。

わかってるけど・・・


でかい!!!!!!!!!!!

サイズ!!! 顔のサイズが想定外だった・・・!!! 想定の二倍はある・・・(気がする)!

顔にそんな期待してなかったのに、意表を突かれた!


驚いたけど、彼は何も悪くない。

むしろ、勝手に顔のサイズを想定していた自分が悪い。

期待してはいけないと心に決めていたにも関わらず、どこかで想定内の大きさであることを期待していた。


ネット上の写真とメールでしか、交流してない相手と実際に会うと、思いも寄らない事態が起こる。

それはどちらも、悪くない。


マッチングアプリに登録している人の多くは、お互いに真剣に将来の相手を探しているはずで、貴重な時間をそこに割いている訳だから。

ただ、少しでも期待をすると、会ったあとの会話が何一つ入ってこなくなるから、気をつけてほしい。とだけ言っておく。


私がたまに審査員として参加しているオーディションなどでも、宣材写真と実際の雰囲気が全然違う人は、多くいる。

顔は写真でわかっても、全体のバランスや雰囲気までは、なかなか伝わらないものだ。


その後、彼に恵比寿で美味しいと有名な和食に連れて行ってもらった。

とても、気を使ってくれて、優しい方だった。

高かっただろうに、ちゃんとご馳走してくださった。


にも関わらず、やはり顔の大きさがずっと気になってしまって、会話が入ってこなかった。私の馬鹿野郎!!!


何で・・・何でこんなに、良い人なのに・・・顔にしか目がいかないんだ! 馬鹿野郎!!!


それは、もう認めるしかない。

自分が生理的に受け付けない相手というのは、この世に少なからず存在するのだから。

それはどんなに中身が良くても、縁がなかったと割り切ることにするしかないのだ。


その後、彼から何度か連絡が来たが、大切な時間を無駄にしては申し訳ないので、丁寧にお断りした。

どちらも悪くない。

でも、サヨウナラ・・・

顔が二倍の男の子・・・


どうか、幸せになってください。

ごめんなさい。でも、仕方ない。


文/岸本鮎佳

岸本鮎佳/脚本家
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岸本鮎佳/脚本家
脚本家・劇作家・演出家・女優。演劇ユニット「艶∞ポリス」主宰。女性独特かつ綿密な人間観察を土台に作り上げる会話劇を得意とし、笑いを織り交ぜたスタイリッシュな作風で幅広いファンをつかむ。主宰する舞台では、脚本、演出、出演をこなし、近年は映像の脚本も手掛けるなど、その多彩な才能を発揮。InterFM897のレギュラー番組 岸本鮎佳と渋江譲二「艶っぽい夜」(毎週木曜23:00~/https://www.interfm.co.jp/tsuya)も大好評。オンエア中のドラマパラビ「だから私はメイクする」(テレビ東京)で監督を務める。
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