次々と話題をさらう韓国美容のトピック。そのブームを牽引するアモーレパシフィックジャパン代表の松井理奈さんに聞く、その強さの秘密とは?
“自分らしく堂々と生きてほしい”というメッセージを!
ブラックピンクのジェニーがアンバサダーを務め、この夏本格上陸したHERA(ヘラ)、そしてリップスリーピングマスクが人気のLANEIGE(ラネージュ)など、話題沸騰中の韓国ビューティブランドを擁するアモーレパシフィック。
「秋にはメディビューティ『AESTURA』も発売、韓国コスメ=プチプラという認識を覆す商品を続々と展開します。より日本でのプレゼンスを高めていきたいですね」と語るのは、日本事業を率いる代表の松井理奈さん。
実は松井さん、大学卒業後、同社に日本人として初採用され、コスメブランドETUDE(エチュード)ブームを主導した人物。好奇心の強さから、ヨーロッパ系のグローバル企業などへ転職するものの、2013年に再入社して社長に抜擢されるという異色の経歴を持つ。
「オーナーカンパニーだからこその機動力がすごいんです。企業理念“A MORE Beautiful world”を本気で実現しようとしていて驚かされます」
例えば、美を生み出すのは空間、との考えから2018年に建設した本社は、陶磁器をモチーフに自然と人の調和を大胆に表現。そのほか済州島に1970年代に開墾した緑茶畑は商品開発に役立てるほか、茶道体験やミュージアムを有するオソロック複合施設として“韓国のお茶文化”を作る壮大な規模へ発展しています。
1930年代、創業者の母親ユン・ドクジョンが手作りの椿油を販売したことから始まった同社。女性のエンパワーメントにもいち早く取り組み、1973年からがんの闘病をメイクアップで支える試みや、女性経営者への融資支援なども積極的に実施。
「女性へのリスペクトが根底にあり、職場でも格差なく平等に機会が与えられるので、大変でもやりがいがあります」と松井さん。
プロセスではなく結果重視でアジャイルに働く、それが日本チームで実践されているそう。「私も含め子持ちの女性も多く、合理的なシステムで持続可能に働ける環境を推進しています」。それは展開するブランドの根底にある、自立した女性へ向けた“自分らしく堂々と生きてほしい”というメッセージと重なります。
「きれいな女性が多い社会はハッピーだと思います。韓国のむき出しに美を求めるスピリットはいい意味で新鮮で、良い形で日本に届けていきたいです」
アモーレパシフィックジャパン
1945年創業、「We Make A MORE Beautiful world」を掲げ、「エチュード」や「イニスフリー」などのブランドを展開。緑茶、高麗人参、豆などの自然素材の活用や持続可能なパームオイルへの転換などサステナブルな取り組みにも注力。
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