ポップアップや専門店のオープンが続き、今注目のカヌレ。大阪にオープンした個性派ショップをご紹介。(ライター/和多亜希)
大きさも食感もいろいろ。フレーバーカヌレに注目
これまでベーカリーやスイーツ店でアイテムのひとつとして並んでいたカヌレ。もともとはフランスのボルドーの修道院で作られていたお菓子で、ワインにも合うのが特長だそう。そんなバニラやラム酒の風味が感じられるカヌレはそのまま存在するものの、ここ最近さまざまなフレーバーが揃うカヌレ専門店が続々オープンしている。
一つでも食べ応え十分な大きなカヌレもあれば、一口でいただけるプチカヌレもありと大きさも違えば、なかはしっとり、モチモチ、トロトロなど食感もさまざま。また、フルーツやナッツなどがトッピングされたもの、チョコレートやクリームが入ったものなど、見た目やテイストのバリエーションもさまざま。カヌレ専門店の多い大阪で注目のショップを紹介しながら、その魅力に迫る。
パッケージも可愛くギフトに最適な、ビジュアルカヌレ
今夏、大阪・梅田に2号店を出店したばかりだというのに、多い日で1日5000個以上売り上げたという「カヌレ・トリーコ」のカヌレ。もともとは8年前から自然派ワイン専門店のデザートとして焼いていたのがきっかけだったという。カヌレ12種類すべては生地から異なり、4種類の砂糖と特別なラム酒を使うのが一貫したこだわり。常に伝統と現代のテイストが調和したハイブリッドカヌレ追求のため、新しいフレーバー開発に余念がないという。見目麗しいカヌレの派手さや鮮やかさはそんなこだわりのフレーバーを最大限魅せるためなのかも。
定番のカヌレに加え、毎月新メニューが入れ替わりながら登場する。なかでもイチ押しは、マニアックなスペイン産ラム酒を使った「グラン・ナチュール」¥300。「フォンダンショコラ」と「ラズ・ピスターシュ」各¥400は、毎日売り切れ必至の人気アイテム。どれも体に悪影響を及ぼすトランス脂肪酸を含むマーガリンやショートニングは一切使用せず、他にはない美味しさを追求しているため、飽きがこず、リピーターが多いのかもしれない。
カヌレ・トリーコ
大阪市北区梅田3-1-3 ルクアイーレ2F
※本店のポンドゥ・トリーコは大阪の天王寺ミオに所在。
Instagram @cannele_trico
カヌレ専門店の老舗は和テイストがウリ
和テイストが人気を呼び、日によっては早い時間に売り切れてしまうこともあるという大阪の老舗カヌレ専門店「カヌレ堂 CANELÉ du JAPON」。10年前の開業当初はカヌレの知名度は低かったものの、今では観光客や外国人をはじめ、カヌレ店を巡って食べ比べをするゲストも多いという。表面はカリっと、中はもっちりした食感を心掛け、オープン当初からレシピはほとんど変えていない。日本の食材や四季を感じるカヌレとして、和テイストに加え、あえて派手さはなく奥ゆかしい見た目にこだわっている。
定番6種と月替わりの2種に加え、気まぐれで焼き上げる「気まぐれカヌレ」が加わる日も。プレーンの「しろ」¥130がダントツ人気。スタッフのイチ押しは、ドライの杏や杏ジャム、白あんを使い、優しい味わいに甘酸っぱさが加味された「あんず」¥160。これからの時季は、12月にはシュトーレンを意識して洋酒漬けのドライフルーツをふんだんに使ったもの、1月には栗きんとんに金粉をあしらったお正月らしいカヌレが登場予定だという。カヌレ堂のカヌレはコーヒー、紅茶、日本茶はもちろん、ワインや日本酒に合わせるゲストもいるのだとか。女性はもちろん、シニアや男性にも好まれるのも納得。
カヌレ堂 CANELÉ du JAPON(カヌレドゥジャポン)
大阪市浪速区桜川1-6-24 桜川本店
※大阪市内に他2店舗。長堀橋店・谷町四丁目店(12月中旬オープン予定)
http://www.canele.jp
Instagram @caneledujapon
フレンチシェフが手がけるカヌレは一口ごとに味が変化
2022年9月末、あべのハルカスにオープンした「カリヌゥ」。フレンチシェフが手がけるだけに、旬を意識した味わいと心潤う美しさに注目したい。料理一筋だったシェフが、大きくて固い昔ながらのカヌレを一新させたい思いでカヌレ専門店を開業したのが3年前。さらに見た目、美味しさ共に進化させ、店頭では常時12種類をラインナップ。生地は2~3日間寝かして馴染ませ、硬くなりすぎないように配慮。常に食材、クリーム、チョコレート、フレーバーを変えて、カヌレひとつひとつをお皿の上の料理のように創作するという。毎月2種類がシーズンアイテムとして入れ替わるのも楽しみだ。
定番の「フロランタン」¥391や「カマンベール」¥350をはじめ、シェフイチ押しの、赤ワインのチョコレートでコーティングした「ヴァン・ルージュ」¥391など、どれも大人テイストが魅力的。さらに11月16日から「チャイ・ノワール」が登場予定。「カリヌゥ」のカヌレはクリームを使っているため、10度以下で保存し、いただく前に常温に戻しておくと、味、風味共に美味しく感じられるのだとか。自分へのご褒美やギフトとして女性ゲストが多いのは、ひとつひとつの世界観にキュンと胸打たれるためなのかも!
カリヌゥ
大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス近鉄本店タワー館B1F