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2022.11.05

北陸に続々とオープンするオーベルジュとは?予約困難になる前にチェック!

郊外や地方にある宿泊施設を備えたレストラン「オーベルジュ」が、北陸に続々と誕生しているという。なかでも、2022年7月にオープンした個性的な施設「オーベルジュ オーフ」を、ライター和多亜希さんがピックアップ!

オーベルジュ

その土地ならではのグルメを味わいに「オーベルジュ」へ

そもそもオーベルジュの始まりは、フランスといわれている。シェフがその土地の食材を新鮮なうちに仕入れたいがために郊外でレストランをオープンしたことに由来しているそう。客はシェフの味を求めて遠路まで足を運び、食事とともにアルコールを嗜めば帰宅は困難。そんな客に休んでもらう場所=宿泊施設として、繁栄したのだという。

日本三名山のうちの白山と立山の2つの山を有する北陸は、豊富な水源の下で湧き出す清らかな水に加え、ありのままの自然が残る食材豊かな地。そのせいか近年、予約困難な人気のオーベルジュが続々誕生している。

そこに2022年7月、オープンしたのが石川県小松市の「オーベルジュ オーフ」。

このオーベルジュの注目ポイントは、廃校となった小学校をモダンにコンバージョンしたこと。さらに、日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」で史上最年少グランプリに輝いた糸井章太シェフが、地元食材を使ったクリエイティブなフレンチを振る舞っている。

シェフが直感で惹かれるものがあったという、この土地の豊かな食材と澄んだ水、新鮮な空気は、ゲストに新しい感性から生まれた美味を味わわせてくれるはず。心潤うひと時を過ごしに出かけてみては?

オーベルジュ オーフの愉しみとは?

オーベルジュ

オーベルジュ
オーベルジュだからこそ楽しみたいのは、その土地でしか味わえない旬の食材を使った料理。

「オーベルジュ オーフ」では最初に提供するアミューズに、農口尚彦研究所(日本酒の酒蔵)の仕込み水とペアリングする一皿を提供しているという。時季により、山椒の香りを纏わせた仕込み水の炭酸水に、水の恩恵にあずかったドジョウやサワガニのフリットなど。そんな地のご馳走を堪能したい。

発酵も生かすクリエイティブなフレンチ

コースはランチ、ディナー共、自然の美が食に宿る全約11皿。キノコやジビエ、仔羊、日本海の幸といった地の自慢の食材を中心に構成される。時季によっては、シェフやスタッフが山や川で採ってきた地元食材を使用することも。また隣に酒蔵があることから、発酵や麹を料理に絡めたいとフレキシブルに取り入れているという。

オーベルジュ
甘エビ、ビーツ、加賀蓮根、薔薇、紫蘇という麹を取り入れたメニュー。塩麴でマリネした甘エビと、バラとコリアンダー風味のソースに漬けた貯蔵ビーツに加賀蓮根を添えて。

国内外のワインはもちろん、農口尚彦研究所の日本酒もペアリングで用意されているというから、この土地ならではのペアリングにトライするのもよし。
宿泊者の朝食には、自家製の甘酒も提供されるのだとか。

旧小学校の名残や温かみを感じるゲストルーム
オーベルジュオーフ
部屋は全5タイプ。2人1室がベースとはいえ、3~4人で宿泊できる部屋もあり、仲のいいグループで訪れてもいい。小学校で使用されていた黒板などを生かしながら、モダンな印象に生まれ変わったゲストルームは、加賀棒茶の製造過程で発生する廃棄食材を原料に染色したカーテンや、節や割れなどで廃棄される木材を補修して使用したフローリング、小学校をイメージしたオリジナル家具など、ディテールにもこだわりが込められている。

窓に広がる緑、森の静寂、満天の星、鳥のさえずり、虫の音など、時間ごと季節ごとに移ろいゆく自然そのものが感じられ、特別な時間をもたらしてくれる。食事前には部屋で期待に胸を膨らませて!
オーベルジュオーフ
館内はじめ各部屋には小川貴一郎画伯のアートが約120点ディスプレーされている。小松の地で、磁場のエネルギーを感じながら制作したものだという。時間があれば、館内を見て回るのもいい。購入も可能。

のどかな空気感を満喫するならカフェへ
オーベルジュオーフ
オーフにはカフェがあり、レストランとはまた違った雰囲気が味わえる。サンドイッチやクロモジが香るプリン、ハンドドリップで提供する金沢のtownsfolk coffeeの浅入りコーヒー、自家製ハーブスカッシュやフレッシュハーブティーなど、こだわりのメニューが揃っている。一面ガラス張りの窓からの景色を堪能しながら、のんびり過ごすことができる。

里山の地で立ち寄りたいスポット

オーベルジュオーフ
「オーベルジュ オーフ」は、石川県の小松空港から車で約30分、JR小松駅からはより近いにも関わらず、自然豊かで日本遺産に認定されるほどの美しい石の文化が根付く観音下町(かながそまち)に位置。オーフから望むことができる観音下石切り場は、「日華石(にっかせき)」と呼ばれる石材の採石場で、オーフでも旧小学校で使用していたものをレセプションやレストランのカウンター腰壁に再利用している。

オーフを訪れたなら、観音下石切場に立ち寄ってみてもいい。また、隣の農口尚彦研究所は、全国新酒鑑評会で27回金賞を受賞し、現代の名工にも認定された日本酒造りの名手である農口尚彦さんが杜氏を務める。日本酒を購入できるほか、併設のテイスティングルームで日本酒とフードのペアリング体験も可能だとか。

Auberge “eaufeu”(オーベルジュ オーフ)
石川県小松市観音下町ロ48番地
*12月22日~25日には期間限定でクリスマス特別プランもあり。
https://eaufeu.jp/
Instagram @eaufeu_official

TEXT=和多亜希

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