黒柳徹子さんとSexy Zoneの佐藤勝利さんが60歳差の恋人役を演じる朗読劇『ハロルドとモード』がEXシアター六本木にて開幕。黒柳さんのライフワーク公演としても知られる今作は、今年で3年目。公演に先がけて行われた公開ゲネプロの模様と、黒柳さん、佐藤さんが登壇した和やかな取材会の様子を抜粋してお届け。
型破りな2人の生き様と恋模様を描くユーモラスな作品
1971年にアメリカで上演され、公開から約半世紀経った現在でも多くのファンを魅了している映画『ハロルドとモード』が、2020年に朗読劇として新たに誕生。自分らしく生きる破天荒な79歳の女性・モード(黒柳徹子さん)と、虚言自殺を繰り返す愛に飢えた19歳の少年・ハロルド(佐藤勝利さん)がひょんなことから出会い、年齢差を超えたラブストーリーに発展。そんなちょっと変わった2人に訪れる結末とは——。ブラックユーモアを随所に散りばめ、生きることの楽しさをコメディータッチに描いた同作。豪華キャスト陣が個性的なキャラクターを演じ、型破りかつ人間味にあふれたストーリーを展開した。ステージではただ簡素なセットで役者が台本を読み上げるのではなく、臨場感あふれるライティングに洗練された舞台セット、ピアノの音色が流れる空間で、役者が圧巻の芝居を披露。それぞれのキャラクターにぴったりの衣装も相まって、物語の世界へ引き込んだ。朗読劇という枠組みを超えた作品創りは、毎年好評を博している。
「ほとんど同じです」黒柳さん自身は自由でパワフルな女性・モードにそっくり!?
公開ゲネプロを終え、取材会に移行。インタビュアーからの「演じるうえで、モードが黒柳さん自身に似ていると感じるところはありますか?」という質問に、「ほとんど同じです。モードを演じるにあたっての難しさは、そんなになかったです」と黒柳さん。79歳の女性・モードはどんなときも自分流を貫くパワフルな女性だが、人としてとてもチャーミング。小学4年生の頃、担任の先生が『窓ぎわのトットちゃん』を朗読してくれていたというエピソードを持つ佐藤さんも「“トットちゃん”で描かれている徹子さんも、すごく自由で、ある意味モードのような感じ。素敵な人、素敵な生き方だなと思っていた」とコメントした。
今作が黒柳さんのライフワーク公演といわれるのは、舞台化された同作の来日公演(1977年)を自身が観劇したことに始まる。観劇以来長きにわたって出演を熱望し、2020年の公演でその長年の夢を実現。黒柳さん以外のキャストを変えながら、今年で3年目の上演を迎える。
前年にハロルドを演じた藤井流星さん(ジャニーズWEST)からの助言とは
今回佐藤さんが演じる19歳のやんちゃな少年・ハロルドは、過去に同じジャニーズ事務所の生田斗真さん(2020年)、ジャニーズWESTの藤井流星さん(2021年)が演じた役柄。朗読劇初挑戦の佐藤さんに「藤井さんからアドバイスはありましたか?」という質問が投げかけられると、「流星くん(藤井さん)が結構ちょっかいを出してくるんですよ!」と仲良しならではの悩みを告白。藤井さんはわざと緊張するポイントを挙げて「あれ緊張するよな」と声をかけてくるそうで、「もう(藤井さんは)相手にしないで(笑)。僕ができるハロルドを一生懸命できたらなと思っています」と意気込みを語った。
朗読劇のスタイルが新鮮だと語る佐藤さんとの共演に、黒柳さんは「こういう若い、本当に一生懸命な方とご一緒にできることは素晴らしいことだと思います」とコメント。稽古中に指摘されたところを次のときまでに必ずブラッシュアップしてくる佐藤さんを見て「これから俳優としても本当に素晴らしくなるだろうと思って、楽しみにしております」と絶賛した。これを受けて佐藤さんは「これは放送してください!全国のファンに!」とコメント。「冗談言いましたけど、本当にただ単に素直に嬉しい気持ちです」と語った。
“国宝”同士の初共演に、お互いの“国宝”エピソードが飛び交う
取材会では、今作で初共演を果たす黒柳さん&佐藤さんの“国宝”エピソードで盛り上がる場面も。“顔面国宝”の肩書きを持つ佐藤さんについて「本当に勝利くんはハンサム。前の方から見ると顔が国宝って言われているそうですけど、いつも横からしか見ていなかったので…。(前から)見たらなるほど、国宝と思います」と黒柳さんがコメント。また「本当に穏やかで、一生懸命で。気がついたことはすぐパッと。物を落としたりするとそれを拾ったり…。とっても気がつく方で。もう言いようがないですね」と、佐藤さんの優しい一面についても披露。取材会の開始直後にも、マイクを探す黒柳さんに佐藤さんがさりげなくマイクを手渡すシーンがあり、佐藤さんのジェントルマン精神はここでも健在していた。
佐藤さんも“国宝”繋がりで、ジャニーズWESTの藤井さんから「徹子さんは本当に国宝の人だから。もう一緒にいるだけですごい経験だったよ」と聞いていたことを明かした。「こんなに貴重な経験をさせていただけることはないと思いますので、僕も楽しんで。1回1回をちゃんと大事に朗読していけたらなと思います」と真摯に語った。
自由に生きる登場人物たちの人間模様から、今自分が抱えている葛藤や不安がスッと解けていくような物語。朗読劇『ハロルドとモード』は、EXシアター六本木での東京公演を経て、大阪公演へと続く。
『ハロルドとモード』
【作】コリン・ヒギンズ
【上演台本・演出】G2
【出演】黒柳徹子、佐藤勝利(Sexy Zone)、北乃きい、林田一高、近藤芳正、常盤貴子
【公演】東京公演:EXシアター六本木にて9月29日(木)〜10月13日(木)/大阪公演:森ノ宮ピロティホールにて10月15日(土)〜18日(火)
https://haroldandmaude.jp