女優の志田彩良さんが、都内で開催された映画『かそけきサンカヨウ』の完成報告会に登壇し、主演を務めた喜びを語りました。イベントの様子をレポートします。
伝えたいのは“相手を思う気持ちの大切さ”
人気作家・窪美澄の短編小説『水やりはいつも深夜だけど』(角川文庫)のなかの1篇「かそけきサンカヨウ」を映画化。家庭環境のせいで早く大人にならざるを得なかった高校生・陽の葛藤と成長が、同級生・陸との“恋まではたどり着かないような淡い恋愛感情”を交えて描かれています。
主人公の国木田陽役を務めるのが、ドラマ「ドラゴン桜」(TBS)で話題となった志田彩良さん。メガホンをとったのは、『愛がなんだ』『あの頃。』『街の上で』など、話題作を手掛ける今泉力哉監督。志田さんと今泉監督は3度目の顔合わせですが、志田さん主演の作品は初めてだといいます。
「今泉監督と初めてご一緒したのが映画『パンとバスと2度目のハツコイ』でした。そのとき監督から『いつか志田さん主演で映画を撮りたいと思っているので、その時はよろしくお願いします』と言っていただいて。それから今泉組で主演することが私の目標となっていたのですが、まさかこんなに早く実現するとは。わたしは今泉さんの現場が大好きなのでうれしかったですし、事務所(テンカラット)の25周年記念という大切な作品で、主演という大役をいただけて、本当にありがたい気持ちでいっぱいです」と、驚きとともに喜びをかみしめていました。
陽という役柄について志田さんは「脚本をいただく前に小説を読んでいたのですが、その時に陽の強い部分も、弱い部分も含めて、すべてが愛おしい女の子だなと感じました。もし私だったらその場から逃げたくなるようなことも、逃げずにちゃんと向き合って、前に進む姿が魅力的だなと思いました」と好印象だった様子。
完成報告会の最後には「私はSNSが主流になっている環境で育ってきたので、陽のように自分の気持ちを相手に、顔と顔を合わせて言葉で伝えるという経験があまりなくて。最近は(コロナ禍で)さらに制限されています。そうやって時代の流れとともになくなってしまうものもありますが、人の優しさだけは何にも変えられないなと、最近実感することが多くて。『かそけきサンカヨウ』を通じて、自分よがりではない、相手を想う気持ちの大切さを伝えられたらなと思っています」と、作品への想いを語りました。
GINGER独占!オフショット
完成報告会後、志田さんの楽屋を訪れると、ホッとした表情とともに素敵な笑顔を見せてくれました。公開が楽しみですね! 10月22日発売のGINGER12月号では、志田さんのインタビューを掲載予定です。こちらもぜひチェックを。
映画『かそけきサンカヨウ』のあらすじ
高校生の陽(志田彩良)は、幼い頃に母・佐千代(石田ひかり)が家を出ていき、父・直(井浦新)とふたり暮らしをしていたが、父の再婚によって、その穏やかな日々は終わりを告げ、再婚相手である美子(菊池亜希子)とその連れ子で4歳のひなたとの4人家族の新たな暮らしが始まる。そんな新しい環境への戸惑いを、同じ美術部に所属する同級生の陸(鈴鹿央士)に打ち明ける陽。実の母・佐千代への想いを募らせていた陽は、絵描きである佐千代の個展に陸と一緒に行く約束をする。
『かそけきサンカヨウ』
監督/今泉力哉
脚本/澤井香織、今泉力哉
出演/志田彩良、井浦新、鈴鹿央士ほか
(c)2020 映画「かそけきサンカヨウ」製作委員会
※10/15(木)テアトル新宿ほか全国順次公開
https://kasokeki-movie.com/