ドッグラバーはそれこそ世界中にいて、かけがえのないパートナーとして愛犬と仲睦まじく暮らしています。パリの街にもそんな幸せそうな、飼い主&犬のカップルやファミリーがたくさん。その素敵な関係を、ちょこっと覗き見。
人から好かれるためには・・・
そろそろ夏も終わりか・・・。パリは東京よりも夏の終わりが早いです。昼間は暑くても、夕方に吹く風が心地よいなぁなんて変化してくると、もう秋はすぐそこ。暑さを避けて、朝や夕方以降にお散歩しているイヌたちとも、涼しくなるにつれ昼間に出会えることが増えていきます。
なーんて、思いながら近所の公園に行ってみると・・・ん? なんてスタイルの美しい後ろ姿! さぞや美人・・・と期待♡
首が長いっ。体が細いっ。
手脚も長くて、細いっ! うらやまし・・・。あ、ついてるから男のコですな。
「この子、珍しいでしょ」と、飼い主さんも愛犬が自慢げのご様子。
——あの、あまりお見かけしないタイプですが・・・なんという犬種なんですか?
ボクはウィペットっていう種類なんだけど、知ってる? 祖先はイングリッシュ・グレイハウンドで、ウィペットはそれより小さいんだけど。
――イングリッシュ・グレイハウンドって、あれですよね!
——ハンティングとかでウサギとか追いかけたりする、すごい俊足の・・・。
ボクも走るの大好きなんです。ちなみにボクはイングランド生まれではなくて、スイス近くのエビアン出身なんだけど。ミネラルウオーターで有名なエビアン、知ってる?
――よく飲んでます。あ、ヴィッテルのほうが好みです。(←余計な情報)
......。(あきれ顔)
——で、エビアンからパリに?
小さいときに、ムッシュ(飼い主さん)が友達からボクのことを譲り受けたんだって。ボクのことよくわかっていて、いい子にしていると大好きなハムをご褒美にくれるんです。いつも優しいんだ~。
——お名前をまだ聞いてませんでした!
マリブです、3歳です。細く見えるかもしれないけど、体重は15kgあるんですよ。抱っこして、ってときどきムッシュにお願いしてみるけど、ちょっと大変そう(笑)。ハグでごまかされてる。
――甘えん坊なんですね。
ちがうちがう。ウィペットは、めちゃ社交的なの! 散歩していても仲間(同じ犬種)に出会うことはほとんどないけどさ、日曜日にヴァンセンヌの森に行くといっぱい友達ができるんだ。それも、ボクが社交的だからだよ。怒ってばかりの、吠えてうるさいヤツは、やっぱり嫌われちゃうから。
――“弱い犬ほど、よく吠える”って、言いますよね。
弱いから吠えてるのか、強がって気を引こうと吠えてるのか、よくわからないけど・・・。でも、仲良くしたかったら、礼儀正しくしないと。
ボクは、あんまり吠えたりもしないんだ。友達と一緒に森を走り回って、楽しく過ごすのが幸せ。足の速さには自信があるんだよ。
飼い主さんいわく「ウィペットは人やイヌを攻撃することも少なくて、物静かで落ち着いた性格」なんだそう。
あ、でもペロペロ攻撃はするんですね(笑)。
あなたも舐めて欲しいの?
――あ、はい、いえ、大丈夫です。
オートバイの音とゴミの収集車が苦手、という平和を好むマリブくん。
人から好かれたかったら、いつも機嫌よくあるべし――。若くして、すでに悟りを開いているかのような賢い男のコでした。大切なことを教えてくれてありがとう。 また、お会いしましょう!