ファッションエディター&ライターの江口暁子さんの連載。日々のセレブウォッチから読み解いたトレンドをご紹介。
この秋のデニムは旬な「バギー」が正解!
2000年前後に流行したスタイルのリバイバルファッションY2KがZ世代を中心に盛り上がっていることから、当時のデニム人気が再燃! 2022-23年秋冬シーズンはバレンシアガやフェンディなど、さまざまなブランドがデニムアイテムを発表しています。クロップドトップスやマイクロミニ、ローライズなどY2Kのキーアイテム的なデニムが続々と登場する中、海外インフルエンサーがリアルに取り入れているのはバギーパンツ! リラックス感たっぷりなシルエットを、今っぽい着こなしで楽しんでいるようです。
ジェニー(ブラックピンク)
トレンドリーダーとして世界的な人気を誇り、Y2Kファッションのお手本とも言われるブラックピンクのメンバーたち。新作のPRイベントのためにNY訪問の際、ジェニーはMM6メゾンマルジェラのワイドデニムで、Y2Kムード全開! デコルテのデザインにひとくせあるジャックムスのロングスリーブトップスを、胸下くらいのミドリフ丈にアレンジ。スポーティな印象のあるドローストリングのローライズで、ヘルシーに肌見せしています。
エルザ・ホスク
スウェーデン出身のスーパーモデル、エルザが選んだのは、ドイツ発エコデニムブランド、クローズドのフレアデニム。トップスはEterneのベビーTと名付けられた白Tに、コンパクトなヴィンテージのライダーズを重ねて、バランスよく。足元は爽やかなニューバランスの白×紺のスニーカーで、ローライズのお腹見せの好感度をアップしています。エルメスの「ミニケリー」バッグが、小さいながらも差し色効果抜群ですね。
ソニア・ライソン
ドイツ・ベルリンのファッションブロガー、ソニアが愛用しているのも、クローズドのバギーデニム。インナーはシンプルな白Tにしつつ、今季トレンドとして注目を集める、オーバーサイズレザージャケットを主役に。こちらは地元デザイナー、ドロシー・シューマッハのもの。あえて上下ともにボリュームのある着こなしで、モードな雰囲気を漂わせています。軽やかなプラダのロゴ入りストローバッグはデニムとワントーンに、エッジを効かせるのはボッテガ・ヴェネタのキャットアイサングラス。
エミリー・シンドレフ
コペンハーゲンのファッションアイコン、エミリーのお気に入りバギーは、スウェーデン発ブランド、ジーナ・トリコのグレイッシュな色落ちデニム。80年代風のウォッシュ具合とフェミニンなパステルイエローとのミスマッチで、ボーイズライクなゆるシルエットがこなれて見えますね。ショート丈のきれいめなジャケットはミュウミュウの新作で、ビジューぎっしりの襟がキラキラ光る、キュートなデザインに。おもちゃっぽいクリアフレームのサングラスやブレイズ(三つ編み)で遊び心をプラス。
サラ・ハリス
シルバーヘアがトレードマークの英国版『VOGUE』副編集長、サラ。スタイリッシュな私服コーデが話題の彼女は、7月にパリで行われたオートクチュールのショーに、タック入りのワイドデニムで登場。こちらはイタリアのラグジュアリーブランド、ブルネロ・クチネリのもの。どこかエレガントなのは、足元にスニーカー系ではなく、マノロ・ブラニクの上品サンダルを合わせているから。ベーシックな白Tで、ゴージャスなゴールドトリミングのシャネルのジャケットを引き立てて、大人なバギーコーデのできあがり。
リンダ・トール
オランダのカリスマインフルエンサー、リンダはデンマーク発スポーツブランド、H2OFAGERHOLTのワイドデニムをチョイス。この8月、コペンハーゲン・ファッションウィークで来春のトレンドとして注目を集めたカーゴパンツの進化形のような、たくさんのポケットがユニークですね。そんなデニムの存在感に負けないように、重めな印象のオーバーサイズジャケットを羽織って、ハンサムモードに仕上げています。足元はシャネルのスポーツサンダルでリュクスな抜け感を演出。
デニムは定番とはいえ、シルエットや股上の深さなどに流行があって、意外と鮮度が問われるアイテム。この秋、アップデートするなら、旬なバギーデニムを選べば間違いなさそうですね。リラックスしたシルエットと独特のボリューム感ではくだけで今っぽさが出るのはもちろん、トップスは“夏”のまま、アウターを羽織るだけでサマになるので、夏から秋へのブリッジコーデにもぴったりです。人気再燃中のローライズを選んで、Y2Kトレンドど真ん中を狙ってみるのも、いいかもしれませんね。
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