ファッションエディター&ライターの江口暁子さんの連載。日々のセレブウォッチから読み解いたトレンドをご紹介。
チェック柄といえば小物やボトムで部分使いするイメージもありましたが、いまやアウターで主役にするコーデもすっかりおなじみになりましたよね。今シーズンも海外のファッショニスタたちは、もはや定番とばかりにチェック柄コートを愛用しています。特にインフルエンサーたちが好んで取り入れているのは、グレンチェックやガンクラブチェックといったオジサマ風味な英国調チェック柄コート。なかでも目立ちすぎず、ほどよいインパクトを発揮できる大人色が人気のようです。
ヴィクトリア・レーダー
自身のブランドのクリエイティブディレクターも務めるドイツのスタイリスト、ヴィキー。今季お気に入りの1枚というダンディなグレンチェック柄コートは、ポーランド発マグダ・ブトリムのもの。人気オンラインショップ、マッチズファッションの限定レーベル、レイのワイドデニムで、ヴィンテージライクにカジュアルMIXしています。インナーにはコートになじむチャコールグレーのタートルニットをチョイス。エルメスの「ケリー」バッグとシャネルのローファーもグレーグラデにして、洗練度アップ!
クレア・ローズ・クリツール
同じくマグナ・ブトリムのグレンチェック柄コートを愛用しているのは、インフルエンサーのクレア。パリを満喫中というこの日は、リーバイスのブルーデニムにとんがりトゥブーツを合わせたベーシックなカジュアルを、コートでスタイリッシュに仕上げています。つややかなレザーにプラダのトライアングルロゴが際立つキュートなバッグをアクセントに、フランス出身デザイナー、ジェローム・ジャック・マリー・マージュが手掛けるアイウェアブランドのアヴィエーターサングラスでスパイス投入。
アヌーク・イヴ
陶芸家、ライター、ブロガーとさまざまな顔を持つオランダのインフルエンサー、アヌークがヘビーユースしているのは、大人っぽく存在感を発揮するチェック柄ロングコート。シックなベースカラーに白いラインが映える1枚は、コペンハーゲン発のサステナブルブランド、ビアギテ・ヘアスキンのもの。バイカラーがポイントになるシャネルのパンプスをクロップドデニムで目立たたせて、きれいめなカジュアルにまとめています。インナーにしたライトグレーのニットはユニクロのものなんだそう。
カロリーヌ・ブロムスト
自身のストリートウェアブランドも手掛けるスウェーデン出身のファッションアイコン、カロリーヌ。今季マニッシュな柄コートがお気に入りの彼女がリピート愛用しているのは、大人色の細かなチェック柄コート。ノーカラーがさりげなくフェミニンな1着はロンドン発ブランド、ジョバンナのもので、裏面の無地グレーもリバーシブルで使えるそう。ベーシックなインディゴデニムとノルディックニットウェアブランドFUBのボーダータートルのエフォートレスなカジュアルに、渋いチェックが効いていますね!
ストリートスナップのフォトグラファーからキャリアを始めたというカロリーヌ。この日はなにげない白Tにブラックスキニーという定番ストリートカジュアルに、端正なチェスターコートを重ねて、新鮮な着こなしに。キャメルベースのガンクラブチェック柄がトラッド感を主張する1着は、サステナブルな素材を使用したドイツ発ブランドEDITEDのもの。ボリュームのあるエンジニアブーツで今っぽさを加えつつ、オールセインツのキルティングビッグトートで辛口なインパクトをプラス。
定番色のトラッドなチェック柄コートは、英国紳士を思わせるメンズライクな雰囲気で、子供っぽくならないのが魅力。適度なきちんと感を添えてくれるので、ファッショニスタの間ではデニムのようなカジュアルアイテムに合わせるのがトレンドのようです。派手に見えないのにアクセントになる、その絶妙な着映え力を味方につけたいですね!
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