ファッションエディター&ライターの江口暁子さんの連載。日々のセレブウォッチから読み解いたトレンドをご紹介。
トップスはいまやビッグシルエットや、ボリューム袖がすっかり主流になりましたよね。ブラウスのような薄手のアイテムの時季とは違って、ニットの季節になると、アウターに袖が通しにくい、かさばる、というようなことも起こりうるはず。それならば1枚で着られるものを!とばかりに海外のインフルエンサーが今季、早速愛用しているのが、あったかそうで存在感たっぷりなカラフルタートルニット。オーバーサイズやローゲージなどのざっくりタイプで、1枚でサマになるヴィヴィッドなカラーがヒット中のようです。
バーバラ・パルヴィン
交際中の俳優ディラン・スプラウスとおしゃれカップルとして有名で、ともに大の日本好きとしても知られるハンガリー出身のスーパーモデル、バーバラ。9月末、ミラノで行われたフィロソフィー・ディ・ロレンツォ・セラフィニのショーには、ルーズシルエットのリブタートルニットで登場。明るくポジティブなイエローにPのロゴが際立って、インパクト抜群ですね。こちらはカレッジスタイルをテーマにしたフィロソフィー・ディ・ロレンツォ・セラフィニの2021-22秋冬コレクションのフルルック。
レオニー・ハンネ
Instagramフォロワー数400万に迫る勢いのカリスマファッショニスタ、ハンネが選んだのは、スーパービッグシルエットのふわふわタートルニット。ドーリーなAラインでワンピがわりにもなりそうな1枚はNYのザ・フランキー・ショップのもの。レトロな雰囲気が漂うプラダの「クレオ」バッグの柄と、ジャックムスのサングラスのクリアフレームを、キュートにピンクでリンクさせています。ニットの裾から見せたレザーのショートパンツとロングブーツが、スパイスとして効いていますね。
10月初め、パリで開催されたステラ・マッカートニーのショーへ向かうハンネは、主役カラーに鮮やかなターコイズブルーを抜てき。モヘア素材が優しげなアレクサンドル・ヴォーティエのビッグニットをスポーティなジョグパンツにインして、アスレジャーに仕上げています。パステルイエローがフェミニンなスピンドル裾のパンツはステラ・マッカートニーのもの。ユニークなヒールのジ・アッティコのミュールからアイシャドウまでブルーで揃えて、全身でカラーブロックを楽しんでいますね。
ソニア・ライソン
ベルリンのファッションインフルエンサー、ソニアは、パンプキンラテにインスパイアされたという、こっくりオレンジのケーブル編みニットをチョイス。首元をすっぽり包むタートルとクロップド丈の絶妙なバランスで、80sテイストなボスのデニムをこなれ見え。ニットとカラートーンを揃えたボッテガ・ヴェネタの名作「ザ・ポーチ」でアップグレードしています。足元にはネオングリーンのシューレースがポップな隠し味になるハイテクスニーカーを合わせて、今っぽくスタイリッシュに。
カリン・タイグル
オンラインマガジンを手がけるファッショニスタ、カリンが選んだのは、着るだけでトレンド感を発揮してくれる最旬カラー、ケリーグリーンのボリューム袖ニット。上質感あふれる心地よさそうなルーズニットは、さらりと巻いたマフラーとお揃いで、キアラ・フェラーニらも愛用するイタリアのカシミアブランド、ファルコネーリのもの。ドイツ発ブランド、コンマのワイドパンツでソフトな印象をプラスしながら、キャットアイサングラスとディオールのレオパード柄バッグを辛口なポイントに。
寒さが次第に増してきて、ニットがワードローブのスタメンになる時期。モード感があって、あったかくて、ほっこりかわいいタートルニットは、今年も冬コーデの即戦力になってくれそうですね。しかも鮮やかなイエロー、グリーン、オレンジといった旬なビタミンカラーなら、おしゃれ偏差値だけでなく、その日のモチベーションまでアップしてくれそうです!