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TIMELESSPERSON

2026.01.22

今夜は頑張った自分に、良いお酒をプレゼントしてあげようと思っている、文筆家・川島如恵留(Travis Japan)

アーティストそして俳優として、活躍のフィールドを広げ続けている川島如恵留(Travis Japan)の連載『のえるの心にルビをふる』。今だからわかったこと、気付いたこと、そして様々な出来事についての自らの考察をつづります。【vol.15≪オチの無いエッセイ≫】

オチの無いエッセイ

第二種電気工事士の技能試験に合格しました。20A250V引っ掛けのコンセント形状がニコニコしててお気に入りです。ちなみにデンマークのKタイプのコンセントが可愛いと如恵留の中で話題に。私の心はいつもコンセントと共に貴方のそばにいますよ。

「敵は作らない方がいいよねぇ。」

漠然とそんな事を思うのです。たとえ好かれなくとも、嫌われるよりかは興味を持たれない方がいい、そんな風に思ったりする事もあります。
…うわぁ、でもなぁ、好きの反対は無関心、みたいな事も言うしなぁ…アイドルとしては、興味ゼロでいられるよりは、どっちかに振れた方がいいのかなぁ。難しい議題。そんな風に思ったりもします。

昔からずっと、自分はいらん事を1人で考え過ぎる癖がありました。物心ついた頃にはもうその癖があったんだろうなとすら思います。
こう言ったらこう感じさせてしまうのではないか、あの人の言葉には別の意味があったのではないか、さっきのあの行動は本当に問題なかったのか、などなど。ぐるぐると思考を巡らせては、最悪の展開を想像してしまう毎日を送ってきました。考えるのにも疲れ果てて、バタンキューを繰り返す日々…と言うほどでは無いかもだけど、そのくらいの疲労が蓄積するのが普通だと思っていました。

振りかざされる悪意から身をかわすには、その原因を取り除くか、無視するか、その2つの選択肢があると思うのです。(他にもあるかもしれませんね。いつか出会えるといいな。)

誰かから投げつけられる悪口は、そんなの間違ってるんだぞ!と訂正して取り下げてもらうことで、無効化する事が出来ます。無かったことに出来る訳です。そうすると傷付かずに済みます。バトルフェイズに受けた攻撃宣言をトラップカードの発動で無効にすることで、攻撃によるダメージを減らすどころか、そもそも喰らうことすら無いという事に…なり…ま…

ホントウカ…?
本当にそれで傷付かないのか…?

結論から言うとですね、傷付くんですよね、これ。反論するだけ気力も体力も消耗する挙句、得られるものは「何も無かった」という元の日常なのですから。なにもプラスじゃありません。

貴方は今100万円払う事で、明日を24時間にする事が出来ます!なんて言われても、何にも得してないじゃん!って話ですよ。100万円返してよ!って話。平和な船で世界旅行出来るわ。
だから原因を取り除く為にリソースを割くより、無視したり気にしないようにする方がコスパが良かったりもします。

要は視点をそちらに向けず、違う範囲へと動かす事で、受け取らないという方法を取れば良いのです。
1つのコミュニティにしかいないと、そこが世界の全てだと錯覚してしまい易いです。狭い世界の中では、視点をズラしたとしても同じ界隈の姿がどうしても目に入ってしまうし、声も聞こえてしまう。だからいくつか自分の世界を確保しておいたり、所属するコミュニティを複数持っていると、精神的に健康に過ごせると思います。

誰かの能動的な悪意によって苦しめられそうな時、私はしばしばこうして回避するようにしています。しかし問題はここからです。本当に厄介なのは、自分自身の思考によって自らを苦しめてしまいそうな時なのです。
独自の思考の中で、情報処理をしていく中で、私は自分自身に刃を向けてしまう事がよくありまして、それからの回避方法が中々見つからず、参ってしまい易い訳です。

現代のこのハイコンテクスト文化の中で生きる我々は、全ての言葉を「真に受ける」訳にはいきません。「大丈夫」という言葉ひとつとっても、どういう意味なのかを常に背景と文脈から読み取る必要があります。そんな世界ですから、誰かから受け取った言葉は、たった一度の咀嚼では理解しきれていないのかもしれない。だからこそ反芻して真意を汲み取る必要があるのかもしれない。そう捉えても無理はありません。

これこそが根深い問題なのです。

反芻するうちに、実はこうだったんじゃないな? 本当の意味は違ったんじゃないか?という様々な可能性に気付いてしまう。そうすると「あの言葉は実は悪口だったのかも…!?」と混乱してしまう事があるのです。
さっきあの人が言ってた「良いですね」や「すごいですね」「任せます!」は「所詮このレベルならこれ以上は望まない方が良いだろう」の諦めの言葉だったのかも、と捉えてしまう事もある私は、非常に捻くれているといっていいでしょう。

誰も自分を攻撃しようとなんてしていなかったのに、自分自身の手によってそれを悪意ある一撃に変えてしまうと、勝手に1人で苦しむ事になります。

自分がそういう人間だから、もしかしたら周りにも自分と似た人がいるかもしれない。そう感じさせてしまっていたら辛いな、申し訳ないな、と思います。

自分自身の面倒臭さを知ったからこそ、誤解を招く発言に対して意識する事は勿論、ハリケーンポテト式の捻じ曲がり解釈を予想される発言にも気をつけなければ…!となるようになりました。これがめっちゃムズイ。
「いやいや、全然普通ですよ〜」という、一般的には謙遜に見える言葉でさえも「その普通にも届いていない自分はどうなんだ…」と捻くれた過去の自分がもう一度ヘソを曲げる。ヘソがハリケーンする。もしかしたらその自分と重なる人だっているかもしれない。

「普通だった」「楽勝だった」「簡単だった」

感想としては良いんだけどねぇ。ダメな訳じゃないんだけどねぇ。後で「あの時ああ言ったのは誰かを嫌な気持ちにさせていなかったかな」とぐるぐる巡らせてしまうから、誰かに対してカッコつけたりスカしたりせずに、自分の気持ちと素直に向き合っていようと思いました。

色んな正義がある中で、私のひとつの正義の形として、本当は頑張ってきた事を、まるで頑張ってこなかったかの様な虚勢を張る為の嘘をついたり、事実を誤認させる様なカッコつけをする事は「もうやめていこう」と掲げています。

相手に対して自分1人が遜るのは、日本の文化の素敵な一要素ですが、その「自分」とした部分の主語が大きくなればなるほど、嫌な気持ちになるのは本当に自分1人だけなのだろうか、という事を考えていきたいなと思った訳です。

「こんだけやってきたから自信はあったし、楽勝だったね!」はカッコいい方の使い方だと思うけど「こんな試験、誰でも楽勝でしょ!」は、誰かを傷付けてはいないかな、と。「おれも受かったくらいだし、簡単な資格だよ」と聞いて「へー! 簡単なんだ! じゃあやってみよう!」となる人もいるかもしれないけど、その試験の為に時間と労力を費やした人や、その資格を仕事に繋げている人からしたら、どうだろう。

考え過ぎなのかもしれません。重箱の隅をつつく様な、難癖なのかもしれません。でもなんとなぁく、そんな事を気にしてしまうのです。もしかしたらそういう人は、私だけではないかもしれません。いや、どうだろうか。これもまた、気にし過ぎなのだろうか。

誰かの嬉しいニュースを、嫌な気持ちで受け取らないように生きたいと思うし、自分の嬉しいニュースを、嫌な気持ちで受け取らせない努力をしなければと思うのです。

という事で、非常に難しい発表の仕方になりますが。
令和7年度第二種電気工事士下期試験の技能試験、合格者一覧に自分の受験番号がありました。

9月ののえルビで挑戦する宣言を出してから4ヶ月、来る日も来る日も電工二種のYouTube動画を再生し、テキストを読み、夜な夜なストリッパーでシースを剥ぎ、人生で最も自信のある状態で試験日を迎える事が出来た資格試験でした。

12月2日まで主演舞台に立たせていただいていたり、技能試験日の前日が4月15日リリースの2nd CD Single『陰ニモ日向ニモ』のミュージックビデオの撮影日だったりと、集中したい事が沢山ある月だという事が予め分かっていた為、かなり前から時間に余裕を持たせて向き合ってきたつもりでした。

これで好きなところにコンセントがつけられるぞ! DIYが捗るぞ!と期待に胸を膨らませています。今は、早く免状を交付してもらう為の合格通知が欲しい!というワクワクでいっぱいです。
実は不合格だった4月の学科試験から、ちゃんと準備をして体調も整えておく事の必要性を学び、次こそは!という気持ちで臨んだ下期の試験でした。

沢山準備する事は自信をもたらしてくれます。自信があれば、手の震えも最小限に抑えられます。合格だけが全てじゃないから。積み重ねを経験して身につくものを、大事にしていきたいなと思います。
オチはありません。頑張った自分に、今夜は良いお酒をプレゼントしてあげようと思います。合格発表が夢オチじゃありませんように。

【今月のTouch the Heartstrings】

1年前の今頃、何をしていたかなとカメラロールを振り返ると、そこにはキャンプ場購入について真剣に考えていた自分と写真がありました。電工二種に興味を持ち始めたのもこのあたりだったかな。キャンプを通して色んな扉が開いたんだなぁ。次は何に興味を持つのだろう。

川島如恵留(かわしま・のえる)
1994年11月22日東京都出身。小学生1年からジャズダンスを始めた後、芸能活動をスタートし子役としても舞台にも出演。その後、2007年10月よりアイドル活動を開始。2012年7月にTravis Japanの結成メンバーに。2022年10月に全世界メジャーデビュー。2024年11月22日に初の著書となる「アイドルのフィルター」を出版。2017年青山学院大学卒業。2019年に宅地建物取引士、2023年には国内旅行業務取扱管理者、2024年には総合旅行業務取扱管理者の資格を取得。2024年4月から個人のYouTubeチャンネル「のえるの隙間時間」、同名のXも開設。
YouTube @noelnosukimajikan

TEXT=川島如恵留

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