川島如恵留さん初の著書『アイドルのフィルター』が、自身の30歳の誕生日である11月22日に発売! それにともない、発売記念イベントが、その直前には取材会も行われた。本にまつわる取材はこれが初めて。本書に込めた想い、そして書くことを通して得た気づきをたっぷり語ってくれました!
川島如恵留に10のクエスチョン!
取材会に先駆け、川島さんより一言。
夢が叶う瞬間にお立ち会いいただき、ありがとうござます。今年の頭くらいに本を出したいという想いから、自分で売り込みに行くタイミングがありまして、無事に今日11月22日、自分の30歳という人生の節目に本を出せることになり、本当にうれしいし僕はラッキーです。一生懸命書いてきたという自負があるので、たくさんの方にお手に取って読んでいただけたらうれしいなと思います。関わってくださったスタッフの皆様、支えてくださったファンの皆さんに喜んでいただけて、読み終わった後に「もう1冊買っちゃおう」と思ってもらえるような作品になればうれしいと思いますので、ぜひ面倒くさがらずに読んでください。
今の率直な気持ちを教えて!
個人的に30歳の誕生日をずっと楽しみにしていたので、まさかこんなに一大イベントにできるなんて! このあと、ファンの方にお会いできることもうれしいですし、お会いできなかったとしても僕からファンの方に誕生日プレゼントをお渡しするような形なので、全国にいらっしゃるファンの皆様にお祝いしていただけたらうれしいですね。
Travis Japanのメンバーは読んだ?
読んでいないと思いますし、渡しても読んでくれるかどうかは怪しいなと思いますね(笑)。今年、僕は契約の形態を変えたり、事務所とのやりとりを重ねるなど、新たな挑戦をしていまして、それをメンバーに共有するミッションに取り組んでいるのですが。そういう意味でTravis Japanの川島如恵留の想いではなく、川島如恵留個人としての視点を作品に詰め込みました。何年も一緒にいて、何ヵ月も一緒に住んで切磋琢磨してきた仲間だとしても知らないような内容が詰め込まれていると思うので、メンバーの僕に対する見方が大きく変わっちゃいそうで怖いなというのも正直あります(笑)。逆に読んでくれないほうがちょうどいいのかな。
本書でLA生活も初告白。留学がどんな糧になった?
Travis Japanは2022年に7ヵ月アメリカ留学をさせていただきました。資金的な援助など事務所にお世話になりましたが、現地での活動やレッスン、当たり前ですが家事などすべて自分たちでやる生活で、とにかく自主性や行動力が求められていた7ヵ月だったと思います。そこで我々は頼れるところは人に頼らなきゃいけないことを学びました。ダンスの技術を身につけて、それを人前で披露する度胸を身につけて、本番に100%のものを表現するという行為自体は自分の力になるんですが、そこまでの過程で、ダンスというコンテンツを世に出すときに、支えてもらわなければ僕たちは今この場にいないということを改めてアメリカで感じまして。当時僕は27歳で、一番下は23歳だったのですが、それを感じるには遅い年齢だったかもしれませんが、そのときにスタッフさんのありがたみや愛を再確認できたのはいちばん大きな成長だったんじゃないかなと思います。
エッセイを書こうと思った理由は?
本、書きたいな〜。物語書くの難しいな〜。とりあえず書いてみるか!って書きはじめました(笑)。ブログなどいろんな形で自分たちの文章を届けるということは今まで長くやってきたんですけれども、作品として世の中に出すことはなくて。GINGER webさんで連載を書かせていただいておりますが、思ったことをただつらつら書くだけというよりは、内容がひとつのショートストーリーになっていることが、エッセイの面白いところなのかなと僕は思っていて。つまり、毎回短編小説を書いているような感覚でエッセイを書いているんですね。本来小説は、架空の人物や誰かの思いなど、生き様の交錯があると思うんですが、それを自分視点に変えたものがエッセイなんじゃないかなっていうふうに思っておりまして。自分だから経験できたことや自分だから感じたことを「あなただったらこう思うかもしれないよね。でも、自分はこうだったからこう思ってるんだよ」っていうのをストーリーにしてるのが僕のエッセイの書き方。最初一本書いたときに「あれ? この書き方だったら無限に書けるかもしれない」って思い始めて、エッセイ本に挑戦させていただいてる次第です。
書き終わったときの気持ちは?
納品したタイミングが8月下旬だったんですが、空が青く見えました(笑)。ずっと携帯でエッセイを書いていたので、携帯を閉じて「やっと終わった〜」って見上げたときに「空ってこんなに青いんだ!」って気づくことができたのは今年の夏の良い思い出。そのときに近い感覚だったのは今年のTravis Japanのコンサートツアー「Road to A」の初日の幕が開けたとき。総合演出をやらせていただいたんですが、そのときは同じように空が青く見えていたんじゃないかなと思います。作ってきたものが自分の手から離れる瞬間は寂しさもありますが、「頑張ったな」と感じられますね。
川島如恵留流、文章の書き方は?
エッセイを書くことは、木彫りのクマを作るような感覚。一旦書きたいことをブワーっと書き出して、そこから削っていく作業をする。クマの頭だけ、足だけを作って合体させるんじゃなくて、一本の大きな丸太から削り出すような気持ちで文章を書いています。そして、最終的に自分で音読するんです。声に出してみて、不自然じゃなければOK。例えば読み聞かせをしたときに、違和感がないようにしたいという想いがあります。
加藤シゲアキさんの帯文について
僕がいちばん欲しかった言葉をくださりました。中高大、アイドルとして、そして作家としても、人生の先輩である加藤シゲアキさんに帯を書いていただいてうれしい限り。普段はシゲくんって呼んでいるんですが、シゲくんの言葉が僕の人生を何度も変えてくださったんですよね。こうして自分の初めての本が出るときに、僕がいちばん欲しかった言葉、だけど自分では思いつかなかった言葉を的確に表現してくれたシゲくんの文章に僕も心動かされましたし、本当にうれしいなと思いました。
川島如恵留の思うアイドル像は?
これまではいろんな武器を身につけてどんどん強くなっていくアイドル、いろんな要素を自分に足して膨れあがった、特売セールのパンパンになったビニール袋みたいなアイドルを目指していたんですが(笑)、いつしかそのビニール袋を持っている人のほうが人間らしいなと思うようになりまして。その人間らしさと、画面の向こうで輝いている日常生活に溶け込まないアイドルという存在が、徐々に融和していったら面白いんじゃないかと思い、それが僕の今後目指したいアイドル像だと書いているなかで発見しました。
今年一年を振り返って!
わかりやすく森清範さんみたいに漢字一文字を書くとするならば(笑)、「初」という字が僕にぴったりなんじゃないかなと思います。自分のやりたいことをやるためには一体何が必要なのか。どういう売り込みが必要なのか。叶ったとして最大限にするためにはどういうふうに動くべきなのか。誰の力を借りるべきなのか。そういうことを1から全部知れた年でした。正直、本当に大変でしたし、自分だからできたことだったと思うので、このやり方はメンバーにはおすすめできないですね(笑)。初めてのことばかりで、僕自身も戸惑いながらでしたが、たくさんの方に助けていただいて、愛してもらえたということを知れてよかったです。
次なる目標を教えて!
絶対に聞かれると思って数週間悩んでいたんですが、難しいですね〜! ただ、30歳になったのでちょっと欲張らせていただこうかな(笑)。初めての著書に続く、2冊目を出したいという想いもあります。これは10年くらい前からずっと思っていることなんですが、舞台脚本を書きたいんです。とはいえ、脚本を書いただけでは成立しないですし、舞台化までに時間のかかる大きなプロジェクトになるので、いつか携われたらうれしいですね。ただ、一般の方は舞台の脚本って馴染みがないですよね。ト書きやカット割、上に線が引いてあるあの独特の感じをご存じない方が圧倒的に多いと思うんです。それを逆手にとって、舞台の脚本みたいなものを一冊出版して、いろんな方に知っていただいて、「これ舞台化したらおもしろいよね」って、舞台化の地盤作りに本が先にあるのも良いのかなって思っています。
また、先日KAT-TUNの上田(竜也)くん主催の「MOUSE PEACE FES. 2024 1st Bite」というコンサートに出演させていただいたんですが、そのメンバーの一員に「一緒にやろうよ」と誘っていただいて。そこで普段と違ったパフォーマンスができて、「グループではこういう楽しさがあるけど、ひとりの楽しさもあるんだ」といろんなことを感じることができました。だから、これまで経験してきたことをより大きなものにしていきたいなと思っています。1冊目の本が2冊目になるとか、1st Biteが2st Biteになるとか、これまで育ててきたものの数字を重ねていくことができたら良いなと思います。
川島如恵留『アイドルのフィルター』
文筆家・川島如恵留としての全編書き下ろしのエッセイ集。詳細はこちらから。
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