自宅に1500冊以上も持っているほど大の漫画好きとして知られる俳優、高杉真宙さんのフォトエッセイ『僕の一部。』が発売に! 漫画への思いからフォトエッセイの撮影裏話まで、GINGERだけにたっぷり語っていただきました。
僕の一部をつくるものの1つが漫画
高杉さんが漫画に目覚めたのは小学生のとき。以来、「ゲームやアニメも好きだけれど、一番は漫画」と語り、仕事にかける以外のほとんどの情熱を漫画に傾けてきたと言っても、過言ではない。
「仕事ももちろん“高杉真宙”を構成する重要な要素ですが、それは僕の外側をつくるもの。一方内側を満たす要素の多くは、漫画から得たものなんです。仕事を始めてから手に入れた、好きに使えるお金も、相当注ぎ込んでますし(笑)。一方でドラマや映画で恋愛モノの仕事をいただいたとき、恋する気持ちを学ぶために手にとったのは、少女漫画でした。恋心はもちろん、表情づくりの参考にもなったことは、今でもよく覚えています。素晴らしい作品に出合うと思わず立ち上がってしまうんですが、コミックスを置いて深呼吸し、心を整えてからもう一度読み始める。その瞬間は、至福の喜びです」
基本的にインドア派で、それほど多趣味ではない。そんな高杉さんにとっての、最大の息抜きが漫画を読むことだ。
「誰かの物語を追体験できたり、今まで知らなかった感情に出合えたり…。僕にとっては、“別の世界への探訪”であり、息抜きなんだと思います。息抜きっていうと、“癒し”みたいに思うかもしれませんが、それよりも、“明日への活力”に近いです。漫画があるから明日も頑張れるし、仕事がどんなに忙しくても、1日がうまく回る。漫画がなくなっちゃったら、たぶん僕はパンクしちゃうと思う(笑)」
漫画は趣味として楽しみたいから、読んでいるときはあまり仕事と結びつけたくないそう。
「さっき話した少女漫画の話はちょっと特殊な例ですが、基本的に漫画は、仕事とはなるべく遠いところに置いておきたい。なぜならば、唯一と言ってもいいくらいの趣味なので…(笑)。“役をやることになったから、読む”という行為をなるべく避けたいので、そうならないためにも、ありとあらゆる漫画を読んでおかねば、とも思います」
相談に乗りながらも、漫画の魅力を伝えたかった
今回発売されるフォトエッセイは、幻冬舎plusでの連載「漫画喫茶・タカスギへようこそ」をまとめたもの。連載が始まったのは、2018年3月。高杉さんが、「弱気なときに勇気をくれる漫画を教えてください」「人見知りをなおしたい」などの悩みに答えるべく漫画を紹介し、執筆も担当するという内容。
「もともと文章を書くのは好きだったので、お話をいただいたときはとてもうれししかった。とはいえ、“人に読んでもらう文章を書く”というのは、やはり緊張するもので…。楽しかったですが、同時にプレッシャーも半端なかったですね。でも、せっかくこういう仕事をしているのだから、微力ではありますが、愛する作品を皆さんに知ってもらうお手伝いがしたい…という思いで書き上げていました」
連載で一番難しかったのは、少ない文字量で作品の魅力を伝える文章を書かなければならなかったこと、だそう。
「僕は、毎回の連載の文章をブロックに分けて捉えていて、最初に時節柄に触れる導入があって、相談があり、さらに解答&漫画の解説、と考え、文章を書いていました。ちゃんと相談に答えつつ、漫画の魅力もきちんと伝えなきゃいけなかったので、その2つを両立させるのがとっても難しかった。お悩みに関係なく、読んでいただいた人に作品に興味を持ってもらえる文章にするということは、連載を通しての課題でしたね」
インタビュー中、これまでの連載を見ながら、「懐かしいなぁ」と微笑んでいた高杉さん。
「この連載を読んでくれた人が漫画を好きになってくれたら、こんなにうれしいことはないです。何を読んでいいのかわからない人は、僕がフォトエッセイで紹介している漫画から入っていただくのもいいと思います。どの作品も最高で、絶対がっかりさせません! あと、流行っている漫画から入るのもアリかも。大勢が面白いって言ってる漫画は、やっぱり名作なんですよ(笑)」
フォトエッセイは4月3日(土)発売!
幻冬舎plusの連載が、書き下ろしを加えて一冊に!「漫画喫茶の店主の一日」をテーマに、約100ページにわたって撮り下ろし。24歳の高杉真宙の魅力が詰まった充実のフォトエッセイです。