人生の分岐点で迷ったときや、立ち止まるたびに勇気をくれる、いつだって初心にかえることができる“魔法のような言葉”があるだけで、人生は豊かになるもの。
シンガーとして、自ら作詞も手掛けているアーティストの宇野実彩子さんは、いったいどんな言葉を大切にしているのでしょうか。
「人生と向き合う」その言葉の意味を深く考えた一年だった
パンデミックの影響で、常に何かと向き合うことがテーマになった年でした。生活が制限され、触れ合う人が限られるとなると「ミニマムな生活とは何か」を考えるようになって。何が必要で、何が大切なのか・・・人生のすべてに向き合うことになったんです。
すると、今度は「向き合う」という言葉の意味を考えさせられるようになって。緊急事態の日々で、自分を助けてくれたのは、物でも情報でもなく、それは必ず“人”でした。
でも、人と向き合うことが一番難しいことなのだと、改めて気が付いたんです。向き合いたいと願うなら、まずは自分がその対象に正面を向いて、心を開いてみせる必要がある。もしそれで相手が向き合ってくれなかったら? 傷つきそうで怖いですよね。でもその恐れを乗り越えてこそ、本当の意味で向き合えるのだと体感できた。そんな学びを深めた期間だったんです。
「宇野ちゃんみたいになりたい!」その言葉が一番うれしい
ファンの方と触れ合って、「宇野ちゃんみたいになりたい!」という言葉をかけられると、ものすごくハッピーな気持ちになります。誰かから、認められたい、求められたい。そんな承認欲求って、人ならば誰しもが持っているものだと思うのです。
私自身、友人に対して憧れの気持ちを抱くこと、たくさんあります。だからこそ、同じ女性が私に対してそんな気持ちを抱いてくれることがうれしくてたまらないんです。そんな言葉をかけられたら、驚きながらも、心はニンマリ(笑)。
頑張っていて良かったな、と温かい気持ちになるとともに、背筋がピシッと伸びるんです。人にポジティブな言葉を伝えるって、とても素敵なことですよね。私自身も、友達、恋人、家族、仲間・・・大切な人にはしっかり愛情を表現しようと思います。
コピーライターの父から人生の言葉を多く学んだ
私の父は、コピーライター。言葉にまつわることを生業としているだけに、その扱いに関しては、ものすごく厳しく育てられた記憶があります。例えば夏休みの日記。「あったことをただ書くのではなく、気持ちを言葉にしなさい」「出来事には、その前後に必ず気持ちがあるものだから」と教えられました。
父自身、私に気持ちを伝えるときは、すごくしっかり考え、練られた言葉を投げかけてきます。その姿を小さいころからずっと見てきたし、そうあるべきと教育されてきたから、自分の気持ちを人に伝えるときは、確実に届く言葉でないといけないし、見切り発車で口にするべきではない、と考えるようになりました。
今、私がこうやって音楽に携わり、そのなかでも作詞を手がけるようになったのは、おそらく、いや確実に、父の存在が影響しているのだと思います。
Profile
うのみさこ
1986年7月16日生まれ、東京都出身。2005年パフォーマンスグループ「AAA」のメンバーとしてデビュー。’18年『どうして恋してこんな』でソロデビュー。現在、『最低な君にさっきフラれました』が好評配信中。
シングル『最低な君にさっきフラれました』
最新シングル『最低な君にさっきフラれました』が配信中。本気で愛したがゆえに生まれる気持ち、ぶつけ合って傷ついた心、向き合ったその分崩れてしまう瞬間。別れを選んだ男女の物語を、リアルな本音で描いたバラード。
ミュージックビデオには、日本アカデミー賞受賞経験のある監督・藤井道人さん、俳優・山田裕貴さんを迎え、出会いから別れまでのいくつもの恋愛の光景を積み重ねたドラマを逆再生で描いた、視聴中思わずドキッとしてしまう非常にドラマッチックな作品に仕上がっています。
宇野さんにとって初となるドラマ仕立てのミュージックビデオに挑戦した、その熱演も要チェック!