仮面ライダーを経験し、その後大ブレイクする若手俳優が多数。磯村勇斗さんもそのひとり。当時何を考えヒーローを演じていたのか、濃厚だった日々の想い出を語ってくれました。
人のために行動をする｡それができるのがヒーロー
2014年、テレビドラマデビューを果たした磯村勇斗さん。その翌年、「仮面ライダーゴースト」の仮面ライダーネクロム／アランの役にキャスティングされ、約1年半その世界で切磋琢磨した。
｢番組が終わってから、いろんな現場で“仮面ライダー経験者は、忍耐強い”といわれているのを聞いたことがありますが、確かにあの1年半は、俳優として生きていくのに必要なスキルを、これでもかというほど叩き込まれた時間だったと思います。
芝居はもちろん、アクション、現場での俳優としての在り方など･･･。渦中にいるときは必死であまりよくわかりませんでしたが、終わってみると、本当に勉強になることばかりで。特に印象的だったのが、アクション。僕はこの作品がアクション初体験でしたが、できるだけ自分でやらせてくれとお願いをしていて、トランポリンで飛び跳ねている後ろで大爆発、爆風で飛ばされる、とかもやりました（笑）。
安全面を強化していても、やっぱり素人ではあるので、怪我も絶えなくて。でもそれはすべて、ヒーローの勲章だと思ってました（笑）。ドラマ『今日から俺は！！』に出たときは、仮面ライダーでのアクション経験が役立ちましたし、あと映画でアフレコをするときにも、すでにアフレコを経験させてもらっていたことがありがたかったです。ホント、新人俳優にとって仮面ライダーは、いろんなことを教えてくれる学校のような場所でした」
今改めて、仮面ライダーという存在の持つカッコ良さとは何かを聞いてみたところ、「“信念”と“信じる道”を持っていること」と答えが。
｢誰かを救いたいとか、誰かのために在りたいとか、そういう信念みたいなものを、どの仮面ライダーも全員持っている気がします。僕が演じたアランも当初は、現実ではない別のパラレルワールドに生きる王子で、その世界の人を守るために、人間の命を奪おうとするんです。その後間違いに気付いて人間のために生きるようになるんですが、いずれにしても、自分を犠牲にしてまでも“何かのため”に生きて、戦おうとする。信念と、それに向かって道を突き進む、それこそがヒーローたるものの矜持であり、カッコ良さですよね」
磯村さん自身のなかには、仮面ライダー的なカッコ良さは宿っているのでしょうか？
｢えー！？ 僕のなかには･･･どうだろう（笑）。でも、誰かを喜ばせたりするのは好きなので、ちょっとはある･･･かな。いざとなったら仮面ライダーのような行動ができると信じたいので、30％くらいはある、ということにしておきます（笑）」
磯村勇斗（いそむらはやと）
1992年9月11日生まれ、静岡県出身。代表作にドラマ「ひよっこ」「きのう何食べた？」など。現在「恋する母たち」（TBS系）に出演中。来年は映画『東京リベンジャーズ』など待機作多数。
