女芸人 紺野ぶるまさんによる女観察エッセイ「奥歯に女が詰まってる」。GINGER世代のぶるまさんが、独自の視点で、世の女たちの生き様を観察します。
第24回 若い女がむかつく女
女友達(35歳)が今日も若い女に怒っている。
職場にいる自分よりも若くて可愛い女の一挙一動が気に喰わないらしい。
おばさんいじりは言語道断、かと言って「お疲れですか?」と気を遣われると、「絶好調だわ!」と出かかってグッと堪える。
特に朝一の赤子のケツみたいなキレイな頬は黙っているだけで、「おまえはもう死んでいる」と言われているようで直視できない。存在しているだけでコンプレックスを刺激してきて受け付けないのだという。
それでいて、若い女が好きな男にも腹が立つ。歳を重ねた自分の方が仕事も熟練されてよっぽど賢いいい女なのに、なにもわかっていない誤魔化しのきく若い女にいく男が許せない。
「若いからって甘やかしすぎ!」と憤慨している。
無条件に若い女にむかつく気持ちは33歳の自分も痛いほどわかる。
しかし、私達がなりたかった大人像はこんなだったろうか。
まるで自分達には20代が与えられていなかったような言い回しである。
これではスーパーの試食コーナーで、駄々をこねるおばさんである。
通る人全員に配られる新商品(若さ)。
その前で延々「自分だけがもらってない」と主張している。なにが厄介って、食べたことを本気で忘れていることだ。周りはハレモノ扱いをせざるを得ない。
そして、そのうち「食べていたとしても今配られているものの方が旨そうにみえる(今の子はいいわね)」と主張し出す。
若さへの未練は自然の摂理で仕方ないとしても、行きすぎると傲慢になってしまう。
時間というのはこの世で唯一平等で、今この瞬間も後になれば20代のときと同様に取り戻せないもの。若い女への嫉妬に使うなんて勿体ないのである。
最後に
自分の年齢とかけまして
30代と解きます。
その心はどちらも、
出来るだけ公開(後悔)せずに過ごしたいでしょう。
今日も女たちに幸せが訪れますように。