女芸人 紺野ぶるまさんによる女観察エッセイ「奥歯に女が詰まってる」。GINGER世代のぶるまさんが、独自の視点で、世の女たちの生き様を観察します。
第20回 恋愛に興味がないという女
「恋愛にまったく興味がない」
と言う女性に立て続けに3人会った。
“彼氏が欲しくないという時期”とかそういう次元ではなく、もう10年以上その状態だと言う。
この3人の共通点は、
男性アイドルの熱烈なファンだということ。
そして、
「じゃあそのアイドルとだったら結婚したい?」
と聞くと3人とも食い気味で、「したくない」と答えたのだ。
こういう女が現れるとだいたい理解するのを一旦やめ、
「こじらせてる」とか「悟っている」など適当な言葉で片付けることが多いが、
どこが本音ではないような気がして、続けて掘ってみた。
するとアーティストとして、そのアイドルが好きということだったので、
「じゃあ、そのアイドルにそっくりで、尚且つ性格も良い一般人だったら付き合いたい?」
と聞くとそれも食い気味にノー。
思わず、
「嘘つけ!」と食い気味に突っ込んでしまったが、
彼女たちは、
「恋愛で一喜一憂してる人みると、引いちゃう」
「気になる人がいても自分よりもいい人がいるよな〜って思う」
などと、どこか冷めた様子で答えたのだ。
それを聞いて学生時代の“帰宅部がかっこいいと思ってるやつ”を思い出した。
なにかを頑張ること(誰かに恋をすること)が美しいというのは知っている。しかし部活(恋愛)には試合(告白)がつきものだ。正面から戦うのがこわい。自分はきっと負ける(振られる)だろう。だったら参加せずに自分のプライドを守りたい。不戦勝でも勝ちは勝ち!
といったところでないだろうか・・・。
こういうタイプに限って、自分が本気を出せば都大会くらいはいける!
「道端で出会った年下ハーフの男に、強引に告白されていやいや付き合う日が来る!」と頭の中で幻想が大きくなっていたりするからこわい。
実際は、少し走ってみただけで足をつる(自分からLINEを送るだけでも2時間悩む)レベルなのに。それでも、戦わずにスカしてるよりは、ずっと美しいのかもしれない。
最後に
臆病な人とかけまして
彼女をおんぶする人と解きます。
その心はどちらも、
本当は伝えたい想い(重い!)がそこにあるでしょう
今日も女たちに幸せが訪れますように。