まさにGINGER世代ど真ん中を生きる、田中みな実さん。場を仕切り、盛り上げ、ボケもツッコミもこなす知的な仕事人として、コスメ愛を探究する美容賢者として、チョコレートをこよなく愛する乙女として、その人気と注目度はますます上昇中。 そんな彼女が本音で綴る連載コラム「田中みな実 ここだけ話」。今回はみな実さんの、“素”についての考察。(編集部)
今回のテーマ:素
自分の“素”ってどう表現したらいいのだろう。
素、す、ス・・・。きっと、表現をするものではない。しかし、何かにつけてその状態を求められるものだから、いったいどう振舞うのが正解かを考えあぐねてしまう。近頃はプライベートに迫るような番組が多く、オファーをいただけるのは大変に有難いこと。ただし、番組側が求める、いわゆる変わった趣味やら意外な交友関係がなくて恐縮してしまう。
「ふつうでいいんですよ。いつもの田中さんで!」と言われても、私のふつうの生活は想像以上に単調だ。仕事にジム、スーパー、美容院、ネイルサロン、美容院(カラーの)、ジム(2つ目の)。捻りだしてこのくらい(充分か!)。それだって、既にいくつかのメディアで紹介してしまっているから、「他にないですかね?」と、新しい何かを期待される。
もうすっからかんな私に、番組サイドは「たとえば~」みたいなご提案をしてくれるのだけど、それはもう完全に“素”から遠ざかっている(笑)。その上、いつのまにやらぶりっ子キャラ、結婚したいキャラ、闇深いキャラ、あれこれキャラ付けすることを求められ、心底げんなりしてしまう。
「たとえば~カメラに向かってぶりっ子っぽく食レポしてもらったり」などの謎の要求に「やりません。普段ひとりでそんなことしませんから」と言い放って場を凍り付かせたことも。だってさ、それこそ“素”の私ではない。憤りを覚えるも、その答えが見つからない自分にもっと腹が立つ。“素”ってなんなんだ――!